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マッチングアプリをやめ、ぬいぐるみ購入を自分に許す

2カ月前くらいからマッチングアプリを辞めた

年明けにあれだけ占い師に止められたにもかかわらず、またもや、まだ見ぬ素晴らしいパートナーを夢見て新しいマッチングアプリを始めてしまった私。

後輩に勧められた『恋愛依存症』という本も熟読したのだが、本当に恋愛は麻薬に近いなと思わざるを得ない。

理由は、「わきまえない女に対するアレルギーがなく、とても理解のある夫」をマッチングアプリで見事射止めた同僚に、このアプリやりなよ!と強く勧められたからだ。

プロフィールの書き方や見極め方など、具体的な戦術を学んで挑んだアプリ。しかし、結果は散々だった。

①”俺のジョーカー論”事件
映画好きということでマッチした男性。メッセージが盛り上がり、LINEを交換して通話をすることになったが‥。という件。
詳細はこの記事を読んでほしい。


②「安倍さんは頑張ってると思うんだよね」の彼とどうするのか
なんかあまり嫌な感じがしないかも?、位のノリで、初回は昼間の喫茶店で会った彼。

実際に会ってみると写真の印象とはやや違い、(なんとなく癖が強そう)というのが第一印象だった。が、初回はかなり緊張していたのか、腹の底が見えるような深い会話はできなかった。

次も会うかどうか正直迷っていたのだが、自分の出演舞台に興味をもってくれてチケットを買ってくれたこと、また、話せば掘りがいのある人物かもしれないな、という興味から、二度目の約束を取り付けた。

今回は仕事終わり夜、お酒をいれての会だった。

今日は上っ面な会話だけして終わる気はないですよ、ということをやんわり最初に示してから、話題をポップカルチャーや趣味の話から、だんだんと世の中をどうとらえているか?社会に対してどう考えているのか、という、いわば社会問題や政治の話に移した。

話題が変わったことを察した彼は、「実はこういう話をらんさんをするのが少し嫌だった」「僕も全然勉強不足だけど」と前置きして、自分がどちらかというと私とは違い、保守寄りである、ということを打ち明けてくれた。
ほう。

私はちょいちょい彼に対して、これまで自分の思想や考えを小出しにしていたので、それらの発言を一体どんな気持ちで聞いていたのだろう?ということを思いつつ、掘り下げてみる。

私はそこで、同い年で、同じ時代を同じ国で生きてきた彼と、あまりに見えている世界が異なることに””食らって””しまったのだった。

彼の話をまとめると、自分は安倍さん支持で、自民党も支持していて、でも現在の岸田首相はだめだめだ。同性婚や選択的夫婦別姓は「まあやればいいじゃん」と思うが、努力した人が、努力した分だけ報われる世界観がいい(多分そこまで思って発言していないが、そもそものスタートが不平等なのが抜けていないか?実に新自由主義的だなと思ったが、、、)
それに安倍さんはコロナの時に、誰もやりたがらない貧乏くじを引いたのに、リーダーシップを発揮して、ちゃんと全うしてから次の菅さんにバトンを引き渡したのだから立派だ。

というようなものだった。

私は、コロナで真っ先に私たちに配られたのが使えないマスク2枚だったこと、杉田水脈のようなヘイトをまき散らす議員を批判され続けても良いポジションにつけていること、バックにいる伝統的家族観を押し付けるゴリゴリ宗教チックな団体の話、彼の残したあらゆる負の遺産の話、アベノミクスというけど結局トリクルダウンなんて起きなかったじゃない?というような話をした。

彼はいろいろ反論したのだが、「でもリーダシップがあった」という。
彼にはあれがリーダシップに見えていたのか。

私はどれにも納得できず、ひたすらでもこれは?これはどう考えてるの?と質問し続けた。

途中、「いや~こういう話ができる女性と出会いたかった!」と目を輝かせられたものの(※この発言にちょっとモやらなくもないw)、

段々とあまりの「合わなさ」に疲弊してきたのか、最後の方では酒が入っていたことも手伝って、「あ~もう、だかららんさんとはこういう話したくなかったんだよ!」と、やややけくそ気味だった。

相手からしたら、取り付けた二回目のデートのつもりで来たのに、政治の議論をさせられてなんだよこれ、ということなのだと思う。

わたしの方も、同い年で、似たような経済力で、同じ社会を生きていても、見えている世界があまりに違うというにめまいがし、
恋愛感情はおろか、友人として交流していくのもどうしようかな…と正直思ってしまった。

ただ、異なる意見の人との交わりが0、というのも良くないと思うので、いまから思い返せば、この日の会は行って良かったのかなと思う。

それに彼はこんな喧々諤々の議論をふっかけられたにもかかわらず、きちんと舞台も見に来てくれた。そこは本当にありがたいなあと思う。


③二ケツドライブデート後、即振られ

初めて待ち合わせに来た時から、爽やかだな~という印象の好青年。

全体的にやや芝居ががったトークが気にはなるが、一生懸命デートを盛り上げようとしている姿勢や、感情を素直に吐露できるところに好感触。

「おれ、駆け引きとかできないんで。」という発言は嘘じゃないんだろうなあと思ったし、誠実であることは間違いなさそうだった。

家族仲が超いいことや、好きな映画が『フォレスト・ガンプ』であることについては、ややひっかかっていたが(好きな人まじごめんなさいw)、

素直そうでいい人だし、お付き合い出来たらいいな~いっしょに映画もたくさん見たいし、くらいにと思っていた。

二回目のデートは彼の希望で、自慢の愛車・バイクに載せてドライブしようという。私はバイクに乗ったことがなく、体がむき出しなのにあんなスピードで走るの?!と最初は恐怖でがちがちだったが、ヘルメットをかぶせてもらったり、背中にしがみついたり、お姫様のような待遇にちょっとだけときめいた。

夜の街を会話しながらバイクで走り、ファミレスで休憩し、向こうの希望で近くの公園をなんと1時間くらい散歩した。夜の2ケツ・バイクデートは確実に「吊り橋効果」をもたらし、久しぶりにドキドキを味わった…気がする。

リラックスさせようと気づかいの出来る姿も好印象で、正直、この夜のロマンチックなデートで、かなりわたしの心は傾きつつあった。


しかし。その日のお礼LINEになかなか返信がない。

土曜の夜にデートをし、日付が変わるころにお礼のメッセージをしたのだが、日曜の夕方ごろになってようやく「今友達といるので、あとで昨日の分送金しますね~」などと返信が来た。

そしてデートから二日後の月曜。

「らんさんごめんなさい。ほかに好きな人が出来たので、もう会えません。映画の話とかできて楽しかったです」
と、唐突に送られてきた。

(絶対日曜に会ってたのはアプリの人で、そっちに軍配が上がったんだろうな)と嫌な気持ちになったが、
こうして正直に言ってくれるだけまだましの、いい人じゃないか、さらっと送り出そう、と思い、

「そんな気がしていました!wこちらこそありがとうございました。知り合えて良かったです」と送ると

「こちらこそ知り合えて良かったです。らんさんはいろいろ一生懸命な人だから、きっと素敵な人がみつかると思います!」とメッセージがきた。

ああまじで、そういうふわっとした慰めとか、いらねえんだよな~~~~!!と五体投地した。

とにかく、この期間はジェットコースターのように感情が乱高下し、ほとほと疲れてしまった。

土曜まではあんなにイイ感じだったのに、日曜の人と、私とではいったい何が違ったんだろう。顔?話し方?思想?まじで、どこが減点ポイントだったのだろう‥と、つい知りもしない「その誰か」と自分とを比較して、ぐるぐる考えてしまう。

最終的には(一番好きな映画が『フォレストガンプ』なんてのは、ちょっと古くさい人間かもしれない。最悪妊娠した女を置いて、果てしないマラソンの旅に出るかもしれん。)

と、あまりにも最低すぎる「あのブドウは酸っぱい」ムーブをし、
突然すべてがくだらなくなり、そのまま勢いでアプリを消した。


身の回りの30歳付近女性たちの海外留学ムーブに焦る


話は変わるが、最近、同世代が次々と海外留学をしている。

30間近で、何か自分の人生にイベントを起こしたい人、ずっと海外で働きたかった人、英語を使って仕事がしたい人。。。等々いろいろいるだろうが、一定数の割合で

「なんかもう同性婚も別姓も認められないし、少子化えぐいし、円は安いし、日本で生きていくの無理っぽいから、将来海外でも働けるようにしたくてその下準備も兼ねている」というのを耳にする。

それを聞くと、「本当にそうだよね。とりわけ女については家庭に縛り付けたり、支配したり、経済的に罰したりしたがる国だし。とっとと海外で頑張って!」と送り出したい自分と、

「いやちょっと待ってよ!!!おいていかないで!自分だけ脱出しないで、私も連れてってよ!あるいは、一緒にここに残っておかしいことにおかしいと言い続けようよ~~~!」という二つの異なる感情に苛まれる。本当に、もう、引き裂かれそう。

この話をするたび、100%確実に「でも海外はそれはそれで大変」「アジア系が外国で生きていくのは大変」「日本の方がいいところもある」という、それ、私が全く知らないとでも思いました?という発言がどこからか飛び出るのだが。

ただ、妬んでいても仕方ない。
自分はこの国に残っているうちはおかしいことにおかしいと言い続け、できる範囲で暴れ、意見を表明することと、

同時に「世界のどこでも生きていける胆力」を養うこととを、両立していかねばなと思う。

でも、でもね、やっぱり、「もう無理ゲーだから、海外に逃げるが勝ち」、みたいな雰囲気を出されると心細くて、さみしくて、居ても立っても居られなくなるのだ。

何も持たない人、度胸がない人は、このまま沈んでいく船に乗ってるしかない、ということ?
と、絶対そんなとこまで誰も考えていないのに、勝手に重苦しい気分になる。


ぬいぐるみに投資してみる

そんなわけで、ぬいぐるみを買った。

突然なんなんだよと思うかもしれないが、突発的に襲ってくる寂しさや不安から、またマッチングアプリをダウンロードしたり、友人の選択にケチをつけたりしないように、

ぎゅっと抱きしめてもだれにも迷惑の掛からない、エサも散歩も不要な物体我が家に迎えた。

購入したのは、「ちいかわ」でおなじみ、ナガノ先生の「カワウソ」のキャラクターのぬいぐるみである。

すんごいかわいい

肌触りがよく、あたたかく、サイズ的にもちょうどよくて、購入した瞬間は思わず笑みがこぼれた。

私の家庭は「ぬいぐるみアンチ」だった。ダニがつくからと、ぬいぐるみの所持をあまりよく思わない親だった。ぬいぐるみは親の機嫌が悪くなる、ということに納得するため、見事にその考えを受け継いで内面化してしまい、中高時代の親友がよくぬいぐるみを買ったり、ぬいぐるみに話しかけたりするのを、わたしは露骨に馬鹿にしていた。(本当に、こういうところだぞと思うのだが‥)

しかし、今自分に必要なのはぬいぐるみだ。くじの景品で、3300円。

ランチ2回分くらいだし、映画も見られる。でも、3300円でこんなに笑顔になれる買い物があったんだ、という発見と、自分にぬいぐるみを買うことを「許可」できたことが嬉しかった。

今も膝に乗せて、時折撫でながらこのブログを書いている。いい大人も、ぬいぐるみに救われる夜があるんですなあ。


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