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2023年公開映画、マイベスト10を発表!

今年もあとわずかですね。

昨年は自分にとって全体的に激動の年で、常に疲れておりパワーがなく、映画を見る体力がなかったなあ…という印象なのですが、

比べて今年は精力的に、特に下半期はどんどん劇場に足を運ぶことができたな~という感覚があります。


そんな私のベスト10を発表します。
劇場公開のものに限定してます。こちらです!

1 シアターキャンプ
2ウォンカとチョコレート工場の秘密
3幻滅
4リトルマーメイド
5No選挙NoLife
6バービー
7オオカミの家
8岸辺露伴ルーブルへ行く
9鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
10ベネデッタ

10位『ベネデッタ』

みんなこの修道女に振り回されたよな

この監督の作品は『ELLE』をみたことがありました。レイプ犯が侵入してくるシーンや湯船に浮かんだ血の描写が怖かったのを今でも覚えているし、そんな目に遭っているにもかかわらずあんな行動に出る、主人公の女性の思考が一切理解できずにモヤモヤした記憶があります。(今見返したら少しわかるのかもしれない。当時学生でした)

が、いろいろ解説などを読んだり聞いたりすると、ポールヴァンホーベン監督は「自分の運命を自分で徹底コントロールする女性」について『ELLE』でも『ベネデッタ』でも描いているのだそうです。たしかに。全然共感できないよ。

変な映画でしたが、主人公のことを分かった気になんてさせないぞ!!、という作り手の意志だけは感じました👊

今回のベネデッタ、1番ツボだったのは「禁欲の修道院生活の中、聖母マリア像を削ってつくったアレ」ですwど下ネタなので控えますが、人間の欲望、逞しすぎ。


9位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

もう目玉の親父を昔のようには見られない

ちょうどアトロクのリスナーリクエストメールが読まれ、TBSラジオさんから2000円が支給されたときですね!!

無料だし、なんでも好きな作品を見よう!と思いましえ普段ならわざわざスクリーンでみなくてもいいかーーーとパスしてしまいそうなアニメ映画をチョイスしました。

何よりTLのオタクたちの評価が高く、仕事終わりにさくっと手軽に萌えを摂取したいな~くらいの、気軽な気持ちで観に行きました。

ところが、これ、がっつりと「今、この時代の日本を生きている大人の取るべき責任」を突き付けられるよくできたアニメ映画でした。

なんだかんだと理由を付けて、また日本を戦争の出来る国に戻そうとしている「先生方」がいて、それを「勇ましい!」と解釈し、自分も勇ましくなれるかのように勘違いし便乗している国民、
あるいは「まあなんかお隣とか危なそうだし、防衛ちゃんとしないまずいんじゃないの?」「戦争反対とか、ちょっと過激w」みたいな感覚の人が見られるなか、

アニメ映画を通じて「絶対に戦争はダメだ」「戦争で得をするのは誰か、虐げられるのは誰か」を伝えてくれて、胸が熱くなりました。入り口は「糸目のcv.石田彰」がでるらしい」「水木と父のカプが最高」のような気軽なところで、でも最後にはお土産を持たされる、いい映画でした。

8位『岸辺露伴ルーブルへ行く』

最初に断っておくと、私はジョジョの奇妙な冒険について、何も知りません。w銀魂でパロディにされていたな~くらいの知識です。

ではなぜ観に行ったのか。それは、予告編の雰囲気に惚れこんだからです。

ルーブル美術館と、高橋一生さんの衣装と、美しい音楽。これだけでなんかすごい観たい!!となってしまいまして‥
映画自体は途中の展開も少しおいていかれかけましたが、雰囲気と、ルーブル全面協力のロケ、岸辺露伴先生と編集の泉さんのキャラクターがよかったです。その後ドラマ版もしっかり見てしまい、しばらく露伴先生の夢女子になっておりましたw

7位『オオカミの家』

体調のいい時に見ないと酔う。

完全にアトロク効果。あとは、ストップモーションアニメ映画が大好きなので、見に行きました。これについては、映画評を聞いて、内容を知ってからみにいってよかった。チリの歴史や施設の知識がないと、ひたすらに気持ち悪いぐにゃぐにゃした映像を見続けることになってしまったと思います。
これまでに見たことない映像体験を、映画館という音質のしっかりした環境でできた、ということだけでも見に行ってよかったです。最後の不気味な展開もよかった。。

6位『バービー』

痛烈すぎ、フェミニストの我が気まずくなるレベル

忘れもしない、『バービー』を鑑賞しに行く前、劇場向かう私は道行く知らない男性に声をかけられたのだった。まるで初めて人間界に来た時のバービーのように。。
こんなに我々に「忖度」した映画が、アメリカで大ヒット!?うそやろ?!と思いました。こういう作品を作ったら叩かれるに決まっているし、ゴミが飛んでくる。え、大ヒットて‥。時代は海の向こうから少しずつ変わっているのかもしれない。

フェミニズム映画をいくつかみてきたものとしては、「入門編」で、小さい子供にもわかるような基本的な内容だなという感じで、新しい感動はなかったです。正直、KENDOMのシーンは接客業の女性を下に見ていることになるのでは?ともやもやしたし、グロリアの演説は、映画でやるには説明しすぎだし、ツッコミどころは多かったです。アランも結局拳で解決かい、とも思ったし。

ですが、「死」について考えちゃうし、鬱にもなるし、カワイイヒールでは遠くに行けないから安定したサンダルを履くしかないし、太ももにセルライトも出てきちゃうこの世界で、それでもバス停にいたおばあさんを見て「美しい」と思いながら生きていきたい、と思わせてくれる、元気の出る一本でした。

ぜひぜひ曲数を増やし、BWで舞台化してほしいなあ~~~OPからミュージカルだったもの。

5位『No選挙NoLife』

畠山さん、今後も心ゆくまで選挙を追えますように

ドキュメンタリーです。ポレポレ東中野で鑑賞。
選挙ライター畠山さんに密着し、2022年7月の参院選・東京選挙区の候補者34人への取材の様子を見ることができます。
これは言葉で説明するよりもみてください、という感じなのですが・・

選挙ポスターにいる、よくわからん党のよくわからん候補ってちょっと怖いし、どうせ当選しないだろ、と思いがちですが‥じっくり話を聞いてみると、それぞれにもちろん意図がある。出馬するためには安くないお金を支払わねばならず、得票が満たなければ没収されるのだから‥

出馬にお金がかかる制度は、誰もがロクに考えずほいほい出馬できないようにするため、「責任」「覚悟」として一定の効力はあるのかもしれないけれど、
今や政治とカネの問題があれだけ汚いんだからもう「責任」「覚悟」がなくても出られちゃうし、お金はないけど覚悟はあるという候補者のためになくすか、金額を下げてもいいのでは?とか思うなど。

ちなみに、基本温厚で淡々と取材する畠山さんが、唯一とある党のとある対応にブチ切れたシーンがあるのですが、見所だと思いました。

投票するとき、私たちのうち一体どれだけの人が、名前を記入したその本人に、直接会っているだろうか?
映画をみたら絶対に街頭の辻立ち候補者への視線が変わる、そんな作品でした。

4位『リトルマーメイド』

公開当時、アリエルのキャストを巡る見解で、身近な人の発言にショックを受けてしまいました。

我々世代のアリエルはアニメーションのあのイメージだから、そりゃ気持ちはわかるけど、昔のアニメをそのまま再現した映画なんて作って面白いか?&あなたが小さい頃、またはあなたの将来の子供が、ごっこ遊びで「あなたはアジア人だからムーラン以外はだ~め!」とかいわれたら、どんな気持ちになります??

それはともかく、アニメ版では存在感も動機もかなり薄かったエリック王子に、ラプンツェルorカジモドのようなソロナンバーがきちんと与えられていたこと、
アリエルが知恵と工夫で、なんとか喋れないながらも王子様の気を引こうとするところ、
スカットルの性別がファジー、などなどみどころが多かったです。

実は、私が一番好きなディズニーキャラクターはアリエルだけれど、一番好きなプリンセス映画は『リトルマーメイド』ではありませんでした。作中のアリエルは無鉄砲で、ちょっとあほで、好きになれなかったんです。肝心の王子様も「人間という種族」「ハンサム」という情報のみで、アリエルが人生を懸けてまで追いかけるべき相手なのか?と腑に落ちなかったんです。

今回の映画では、似た者同士が惹かれ合う、というプロットや、一日のデートでどのように距離が縮まったのか、丁寧に描かれていましたね。これは納得!って感じです。
余談ですが、マーメイド実写映画を記念し、今年のDハロはヴァネッサをやりました✌

3位『幻滅』

幻滅どころか大絶賛だよ

1位でもよかったかも、そのくらい興奮しましたし、ぶっ刺さった‥!
原作が大作家バルザック様なので、面白いのは当たり前なんですが…。

男が野心に燃えて出世するも、そのあと歯車が狂い没落する話が好きなので(ナイトメアアリーとか。。ノワール・ピカレスクロマンもの?)よかった。ミュージカルの舞台『赤と黒』を偶然今年見られたのも、作家は違えど王政復古時代のフランスで立身出世したい若者の成功と没落、という点で同じ題材を扱っているので、親和性が高かったなあ。あ、『ナポレオン』もか。

昔は演劇の初日、金を出して新聞を買収したものが劇評を支配し、舞台をほめちぎることもけなすこともできた、というシーンに戦慄しました。今はSNSで個人が自由に評をいえるので、それは良いことなのかもなあ。メディア(報道)とビジネスについてもしっかり皮肉っていて、良かったです。パリ、恐ろしい街…!!

2位『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

年内最後にとんでもない特大ホームランが。取り敢えずサントラを毎日聞いてしまいます。私がミュージカルに求めるもの、すべてがそこにあった。大人が見ても楽しいし、結構えぐい話。カルテルVS若き起業家のビジネスバトルものに見え…なくもない。そこに『アニー』の要素が絡んでくる感じ。

主演俳優の例の言動にはそれこそ「幻滅」でしたが、でも映画は本当に良かったです。二回目行くか迷う。ウンパルンパの歌は中毒性が凄いぞ!


一番上がった瞬間はウィリーウォンカチームがこっそりビジネスを始めるシーンの『Never Had Chocolate Like This』って曲。

この映画は語りたすぎるので、今度別場所でがっつり語ります!

1位『シアターキャンプ』

引くほど泣いた。自分のための映画だなあ

シネマカリテはスカスカだった。でもごめん、、やっぱりこれを一位にさせてくれ…!

「アフター6ジャンクション2」の2023シネマランキングpodcast版で、ゲストに来ていたブロガーの三角締めさんが2位に挙げてくれて、私のリスナーメールももう一度読んでもらえたんです!!

そのことでこの映画の良さを再発見し、やっぱりこれを1位にすべきだよなって。2位もそうだけど、自分の人生に欠かせない「ミュージカル」を改めて素敵なものだと認識させてくれた作品。これはもう語り倒したいんよ。というか、語り倒してますw

舞台を作ることってなんて愛おしいんだろうと思わせてくれます。良かったなあ・・


というわけで、2024年もいい映画にたくさん出会えますように!個人的には、社会問題を描いていたり、失恋を描いていたりする辛そうな邦画を避けてしまうくせを抜け出したい。。

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