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身を守るための敬語、丁寧語

「好きな人と距離を縮めたいが、敬語からタメ語にいつから変えるべきか?」というような相談をネットで見かける。

言葉遣いと心理的な距離感が連動しているのはとても興味深い。確かに親しい友人に敬語は使わないし、もし親しい相手に敬語や丁寧語でしゃべられたら、急に遠くの見知らぬ人になったかのように感じるし、「なんか怒ってる?それとも体調悪いとか?」と思ってしまう。

しかし、敬語や丁寧語は、逆におかしな人から身を守る手段としても使える。こちらがより重要だと思っている。

どこの職場でも趣味のレッスンでも、他人と出会う場には、一定の「おかしな人」は存在する。

ここでいう「おかしな人」とは、所謂、心理的に他人をコントロールしようとしてきたり、攻撃してきたり、貶めようとしてきたりする人々のことである。

この「おかしな人」はすぐには分からない。ぱっと見は、大人しかったり、優しそうだったり、感じが良さそうだったりする。

以前このようなことがあった。趣味のレッスンで、新しく入ってきた女性がいた。人見知りそうで、あまり大きな声ではしゃべらず、大人しい”女の子”といった雰囲気である。洋服もふんわりした身体の線が出ないような麻とかコットン素材で色合いがそのままのナチュラル路線である。

わたしはその子と仲良くなってみようと思い、いろいろ話しかけた。そのうち結構すぐにタメ語を使って、プライベートな話もするようになった。どうしてこの趣味を始めたのかとか、仕事はどう感じているとか、家族構成などである。

しかしある時から、その子が他の人がいないときに、わたしをプイっと無視したり、氷のような目で見てきたりするようになったのである。そしてあるとき、(もちろん他の人がいないときに)「わたしの髪型をまねしないでよ!」と普段の大人しさからは想像もできないほど、激しい口調と表情で突然突っかかってきたのだ。もちろんその人の髪型なんか興味ないし、真似なんかしたくもない。

さらにはわたしのロッカーの鞄から、私物がなくなり始めた・・・。しかも他の人がいるときは普通に大人しい女の子のままで、さらには他の人にわたしの悪口を可愛らしくそこはかとなく吹聴し始めたのだ。

わたしにはキッカケはよく分からない。しかし、こういう「おかしな人」は勝手にきっかけは自分の中で作り出すのである。

本当にゾッとした。その人の闇をのぞいてしまったような気がして、さらには思い込みで刺されたりしたら困るしと、信頼できる他の友人に相談した。

すると、その友人は、「あの人は危ない人だよ。最初見たときそう感じたもん、だから私は彼女には敬語をずっと使ってて、プライベートな話をしないようにしてた。」とわたしに話したのである。

目から鱗。。
人生で役立つ学びをくれた友人に感謝である。幼稚園や小学校で教えてほしかった。

わたしは子どもの頃から、人付き合いで、言葉の使い方のコントロールや話す中身のタイミングなんて、全く考えてこなかった!そんなこと教えてもらわなかったし、他人を見てもそう学んではこなかった。
だからわたしはこれまで、たまに「おかしな人」に絡まれてきたのか?交通事故みたいなものでそれは避けられないものだと思っていた。

友人に教えてもらったその学びから、私は、初めて会う人には、相手を見極める期間を長めに置き、その間は下記3点に注意し始めた。その結果から、自分の意志を確かめつつ仲良くなろうと思ったら、オープンなわたしを見せるようにしている。
1)敬語と丁寧語をベースとする
2)プライベートな話や感情の起伏を見せない
3)その人の他人への接し方を観察する





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