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孤独だったクリスマスシーズン


馬小屋の中の誕生日が、二千年経った極東の地では、年中行事の消費のクライマックスと恋人たちの愛の証しに使われている。自分の誕生日が、世界中の孤独な者たちに癒しがたい苦痛を与えているとは、キリストでも予想はできなかっただろう。

「光の帝国(常野物語)ー 恩田 陸 ー   P196 L10 - L12 集英社」

 わたしが29歳で買い手がついて、34歳で売り出される(結婚)まで、私の人生は、帝国の光に出てくる言葉のように、癒しがたい苦痛を受けていました。

サンタの器_Textなし

 サンタは良い子の所にしかやってこない?
結局、子供の頃のわたしの所には、一度もサンタは来てくれなかった。
夜空を見上げ、ずっとずっと待っていたら、そのまま大人になってしまった。そして、その孤独は大人になってからも続いた。

 それがサンタさんの眼に見えない、苦いプレゼントだったのか? 浮き沈みの激しい人生を送り、これまでの生活を捨ててアメリカに渡った時、そこで妻に出会った。
 ぼくがわたしに変わっても、変わらずに側にいてくれる人に出会うには、その時の孤独と涙が必要だったのかもしれない。

 サンタは良い子の所にも、悪い子の所にもやってくる。沢山のプレゼントをもって、ちゃんとやってくる。そのプレゼントが見えるかどうかは、それを見る心の角度しだいなんだと思う。

 今年も皆さんの所にサンタクロースが、沢山のプレゼントを持ってやってきますように・・・。

サンタ3



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