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似通ってしまう

ついさっき、近所を自転車でふらふらしていたら、背格好から顔から服装までそっくりの男女二人とすれ違った。

U字ネックの紺色のTシャツに、緩めのジーンズを履いて、髪型も耳の下くらいの少し白髪の混じったワンレン風、二人とも50歳代に見える。

彼彼女はほぼ間違いなく夫婦だと思うのだけれど、それでふと昔に読んだ本谷有希子さんの「異類婚姻譚」を思い出した。一緒にいる時間が長くなってくると、どうしても似てきてしまうので、二人の間に石を置くと、石にすら顔が似通ってしまうというような?だいぶ曖昧な記憶だが、めちゃくちゃに本筋から外れたあたりの描写だけ強烈に頭に残っているのだけれど、あれってやっぱりあるのかもしれない。

例えば夫婦じゃなかったとしても、全く血の繋がりのない人間が、同じご飯を食べ、同じところで眠り、ということを日々、何年、何十年と繰り返していくと、影響を与え合う私たち人間は、そんな風に、どこか似通っていってしまうものなのだろうか?

ということがふと頭をよぎった。

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