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夏のはじまり
桜の花が咲く季節が好きだった
新しい学校に新しいクラス
淡い期待と一緒に踏み入れた世界では
なぜか生まれ変わった自分になれる気がした
でも咲いた桜の花が散る頃には
また今までの自分が戻ってくる
抱いていた淡い期待も桜と共に散る
叶うはずだった初恋も忘れて
新品のノートに書かれた丁寧な字も
いつの間にか走り書きになった
環境が変わらないと変われない自分に
気だるさを感じてどうでも良くなった
穴の空ききった心には穴すら空かず
考えることもやめた
なのに微かな期待を捨てきれないのは何故だろう
溶けて無くなったはずの泡が
またぶくぶくと復活する
夏のはじまりは罪な季節かもしれない
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