子供のケアと発達における父親の役割:周産期及び新生児編
この論文が面白かった。お父さんの子どもへの影響をまとめてみましたってガイド本的な論文です。(リンクは参考文献に)
Fathers’ Roles in the Care and Development of Their Children: The Role of Pediatricians(子供のケアと発達における父親の役割: 小児科医の役割)
少しずつ読んでいます。まずは。
「父親」の定義
この論文で「父親」の定義は「生活状況、婚姻状況、生物学的関係にかかわらず、最も育児に関与し、子供の福祉に尽力していると認められる男性」と定義しているそうです。
アメリカの論文ですので、同性愛や離婚についても書かれていますし、多様性にも具体的な数値を持って言及されていますが、定義の上ではという断りのようです。
父親の研究は増加中
父親に関する研究は日が浅い
父親の役割に関する最初の臨床報告が 2004 年 5 月にアメリカ小児科学会によって出版され、父親と子供の世話と発達における父親の役割について研究が急増しているようです。
ていうか、いままであまり研究無かったのね。
周産期および新生児期
想像妊娠の男性版「クバード症候群」
父親はパートナーの妊娠中につわり症状や、便秘、不眠、不安といった想像妊娠の男性版を体験することがあり、クバード症候群と呼ばれるそうです。
父親の出生児などへの影響
妊娠中の父親の関与で低出生児(OR 1.19や1.53)や超早産のリスクが下がる傾向があるそうです。(OR:1.49) (※OR オッズ比 OR:1.49は父親の関与がないグループは、父親の関与があるグループに比べて超早産のリスクが1.49倍になる)
https://www.jpagonline.org/article/S1083-3188(11)00295-6/abstract
出産時に父母が同居していないと離婚のリスク?
里帰り出産は離婚のリスクが上昇するという解釈もできますが、元の論文を読む限り、生まれる前に一緒に病院に行かなかったり、生まれた時に同居していないことが出生後の離婚を予測する因子だったということです。
外国に里帰り出産という文化があるかわかりませんが、その文化が無い前提で考えれば、病院などに付き添っていない、生まれた時に同居していない時点でまぁ離婚になる確率は上がるよねとも思えます。
※fathers’ disengagementを離婚と捉えていますが、この書き方をする限り日本の離婚とは少し意味合いが違うのかな。
お父さんもカンガルーケアするといいよ
帝王切開の場合skin-to-skin care(いわゆるカンガルーケア)をしにくい場合がありますが(後でもできたりもしますが)、帝王切開後のカンガルーケアを父親が代替した場合、ベビーベッドに寝かせたグループと比較し、泣く回数が少なかったり、生後に60分以内に眠気を感じ始めるそうです。
父親が別居でも子どもと交流したほうがいいよ
個人的にはうへぇな研究。子の立場ですが別に交流しなくてもいいんだけど、、。
別居の父親が子供の生活への継続的な関与をすることで、子供と青少年の幸福に重要な役割を果たす可能性があるらしいとされた研究。
幼児期・思春期はいずれ、、
<参考文献>
Michael Yogman, Craig F. Garfield, COMMITTEE ON PSYCHOSOCIAL ASPECTS OF CHILD AND FAMILY HEALTH, Nerissa S. Bauer, Thresia B. Gambon, Arthur Lavin, Keith M. Lemmon, Gerri Mattson, Jason Richard Rafferty, EdM, Lawrence Sagin Wissow; Fathers’ Roles in the Care and Development of Their Children: The Role of Pediatricians. Pediatrics July 2016; 138 (1): e20161128. 10.1542/peds.2016-1128
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