大学生の自死は男性が多い

本稿では自死に関する話題や描写があります。読み進めるかたは予めご留意ください。

ゴールデンウィークも後半にはいりましたね。
新入生を見てて注意しているのは、ゴールデンウィークを超えられるかです。まれにゴールデンウィークを超えると出席率が下がる学生がでてきます。この傾向はおそらくどこの大学でも同じでしょう。
この背景にあるものとしては大学とのミスマッチなどもありますが、メンタルヘルスの問題も無視できません。

大学生のメンタルヘルスについて

現代社会における大学生の精神的な健康の問題は、非常に重要な議論のテーマです。特に、自死(自殺)に関するデータを見ると、その現状が一層深刻であることが浮かび上がります。
精神疾患の生涯発病率約20〜40%とされており、これは決して無視できない数字です。さらに注目すべき点は、そのうちの約70%10代で発病しているという事実です。このことは、若年層におけるメンタルヘルスサポートの必要性を強く示唆しています。

男性の自死率が高い

特に男性の自死率が高いという問題は、深刻な対応が求められる事態です。警察庁の資料を見ると、20歳未満や学生・生徒のカテゴリーで男性の自死率は女性に比べて1.1倍から1.6倍にもなります。統計によっては男性の自死率は女性の2倍とも言われており、大学生活が精神的なプレッシャーの大きな要因になっている可能性を指摘しています。(※全年齢においても男性の方が自死率が高い)

高校生の自死率が増加している

また、小中高生の中では特に高校生の自死率が高く、その数は年々増加しているという事実にも目を向ける必要があります。この傾向は、教育の場における精神的なサポート体制の強化や、早期の介入が急務であることを示唆しています。

この問題に対処するためには、まず、メンタルヘルスに対する社会全体の理解を深めることが必要です。精神疾患や心の問題に対する偏見や誤解を解消し、必要なサポートが提供される環境を整備することが、自死率の低下に繋がる第一歩となるでしょう。また、大学などの教育機関では、学生が安心して相談できる体制を整えることが求められます。カウンセリングの充実、メンタルヘルスの講義やワークショップの開催など、具体的な取り組みが必要です。

まとめ

大学生の自死率の高さは、単なる数字以上の重大な社会問題を示しています。これを解決するためには、教育機関、保護者、社会全体が連携し、青少年のメンタルヘルスに対する理解と支援を強化する必要があります。それによって、多くの若者が健やかな成長を遂げることができる社会を実現することができるでしょう。

自死遺族として

私は自死遺族ですが、身内が自死しても周囲の偏見などを恐れ、周囲に言えませんでした。
まず学校や職場には忌引きと言えないので、風邪をひいたことにして欠席や欠勤をします。
また昼間の繁華街で飛んだ関係からメディア掲載は避けられず、事情を話して匿名にしてもらいました。
結局、いわゆる「市内に住む通院中の男性」という表現に置き換えていただきました。
葬儀の日の朝、朝刊を見て少し安堵した記憶もあります。

いわゆる「後追い」について

自死の報道については様々な議論がありますが、少なくとも遺族は報道してほしくないと考えているかと思います。
また、最近のメディア規制ではいわゆる「後追い自死」に配慮しています。
後追いはその有名人を知っているかやファンかは関係無く、心がギリギリの状態の方が、メディアの報道で最後の一歩を後押しされてしまうことで起きると言われています。
メディア規制について、どうか政府の陰謀とか言わないでほしいなと思います。

<参考資料>
令和5年中における自殺の状況(厚生労働省自殺対策推進室、警察庁生活安全局生活安全企画課)

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R06/R5jisatsunojoukyou.pdf


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