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断熱DIYワークショップ開催報告〜寒い家を自分の手で暖かくする〜


断熱は自分の手でできる


断熱DIYワークショップは熱量が高い参加者が集まる、というのは3年前も今回も感じたことです。中でも古民家や築古住宅に住んでいる、もしくは移住予定で、寒い家を自分の手で改修したい!という方は真剣です。

うちもそうですが、大家さんが雨漏りなどは直してくれるけど断熱まではやってくれないという賃貸物件だと、自分の持ち物ではない家にそんなにお金をかけられないということもあるかと思います。

2023年2月に断熱DIYワークショップを開催しました。私達が主催するのは3年前に続いて2回目です。

3年前にも自宅古民家の一部を断熱DIYし、やった部屋とやらない部屋では大違い。その体感と経験を元に、DIYで寒さをやわらげる方法をレクチャーしました。

集まってくれた人は大人13人子ども6人。サポートメンバーも合わせると合計28人での開催となりました。

我が家にも子どもがいるし、子ども達にも「こういうことが自分の手でできるんだ。」という経験をしてもらうことが目的の1つでもあるので、ご自分で危険が無いよう見ていただくことが条件ですが、スミカ探求舎のワークショップでは子どもが多いのも特徴です。

終始みなさん和やかかつ前のめりな雰囲気で、楽しく学び作業ができました。

班分けしていざスタート


まずは断熱理論の講義を一級建築士でもある忍より。家が何故寒いのかという理由と、暖めるための仕組みを知らないで闇雲に対策をしても効果が得られません。

断熱ゾーンを設定して床壁天井の6面全て切れ間がないように対策することも重要で、今回は自宅古民家の四畳半の一部屋にターゲットを絞りました。
改修中の空き家でも壁の内側に断熱材を入れる体験をしてみます。

3班に分け、

自宅の97年の古民家では
・天井裏断熱
・障子断熱
・窓断熱
(畳の下は大家さんが断熱改修済み)

改修中の築67年の空き家では
・壁断熱と合板張り

をローテーションで実際にやってみました。

寒い家は足元が冷えるので床ばかりに目が行きがちですが、天井の断熱はとても重要で、もう実際にDIY改修している家がある方達に作業してもらいました。

天井裏では天井板を踏み抜かないように梁をつたって移動し、暗い中ヘッドライトとマジックハンドを使いながらグラスウールの敷き込みをしました。緊張感もある場所だったのでかなり大変だったみたいです。

今回のターゲットは和室だったので障子を中空ポリカーボネートを使い断熱しました。

いつも参加してくれるファミリー。今回はなんと遠くから遊びに来ていたおねえさんも!子ども達もいつも楽しみながら作業してくれて嬉しいです。

DIY経験があまり無い方も隠れた才能を発揮したり。

みんなで作業して同じ釜の美味しい飯を食べることが楽しみの1つでもあります。


今回は友人の調理師ゆたちゃんに、学校の給食をイメージしたというカレーとおかずを作ってもらました。とっても優しい味で美味しかった!
半日作業をした後のごはんは、参加者同士の交流が楽しい時間。いろいろな場所から様々な動機で集まってはいるけど、何かしら似た価値観もあり刺激をし合えたり、情報交換をしたり。

午後も作業。
築67年の空き家では一度壁を剥がして性能を上げる改修の最中で、断熱材を入れ防湿対策もして合板を張るという作業をしました。壁の中までやるのはDIYでやる内容にしてはかなり大掛かりですが、一度構造を見ておくと今後のハードルもグッと下がります。

断熱材を入れる場所の寸法が全て違うのでまずは計測から。カッターで寸法通りに切っても入らない場合は微調整。ひとまずの壁となる合板を張るところまでやりました。

今回の講義や作業の内容は、3年前の我が家でのワークショップの時に講師をしていただいた一級建築士事務所神向寺設計主宰の神向寺信二さんにもアドバイスいただきました。


作業が終わる頃にはだいぶ気温が低くなってきて、今回と3年前に断熱改修した3部屋の襖を開け放って小さいガスファンヒーター1台のみを稼働。すると暖房をつけてもスースーしていた四畳半も暖気が逃げずに暖まりました。

今回断熱した部屋で披露されたのは息子の獅子舞と娘手作りのブラウニー。参加者のみなさんもおやつや余興を楽しみながら朝との部屋の暖かさの違いを体感しました。

断熱DIYワークショップをやる理由

このワークショップのスミカ探求舎としての1番の目的は、趣きある建物がある風景を残したい、ということ。古い家に住み続けられなくなる理由として「寒いのが辛い」というのは1〜2番目に上がってくる理由だと思うのです。

もう1つはDIYで家を直し合う仲間作り。

何か時間のかかることハードルが高いことをやりたいと思った時に、高いお金を出してプロに全て任せる、という選択肢だけでなく、プロや仲間の手を借りながらでも「自分でやってみる」「自分でやれる」ことは、自分の人生を主体的に生きることに繋がると思うのです。誰かにやってもらうことを待たずに自分の手でできる。それは生きる力にも繋がることだと思うし、そういう後ろ姿を子ども達にも見せたい。

断熱DIYワークショップはスミカ探求舎が力を入れてやっていきたいコンテンツの1つです。興味ある方はお声がけください。

photo by 近藤弘規

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