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14年間働いた大好きだった仕事を辞めた

私は自分の仕事が大好きだった。人手不足で残業の多い仕事たったけれど、やりがいがあったし、何よりも同僚や上司に恵まれていた。時には意見の違いによりぶつかる事もあったのだけれど、誰一人として相手を傷つけようとして意見を言う人はいなかった。

それが、2年前会社全体のリストラにより、思いもよらない方向へ転換していった。14年も働いていると、リストラも何回も経験している。カナダの会社は、経営陣が変わったり、経営が悪化してくると、あっさりリストラにより人事異動や解雇が行われる。しかし、今回のリストラは、今までと違った。

長年一緒に働いていた部署の上司と同僚が解雇され、新しい上司とソリが合わないと理由で何人かの同僚が辞めていった。

私は、この2年間その新しい上司と部署を作り直し、支えてきた。新しい上司の人柄が好きだったし、コロナの状況下、働き方事態が変わってしまっており、新しい上司の元で、部署の今後を一緒に作っていく事も最初は楽しかった。

ところが、次第に状況は変わっていった。新しい上司は、当然のことながら、穴埋めとために新しい社員を雇い始めた。その一人が、その上司の友人だった。この新しい同僚が、まさか私を辞めるところまで追い詰めるとは、雇った時には夢にも思わなかった。

彼女は、意図的なのかは分からないが、人を傷つけることを平気で言う人だった。そして、事実無根の噂を自分のお気に入りのスタッフに流し始めた。スタッフは混乱し始めたし、チームワークがすごくいい職場だったが、雰囲気も悪くなり始めた。

私は、恐らく運が良かったのであろう。今まで、そのような人に出会ったことが少なかったし、自分からもそのような状況に身を置かないよう避けていた。

もちろん、チームのリーダーであった私はその状況をよくしようと努力したし、噂を止め正しい情報を流す努力もした。

私の努力とは反対に、状況は悪化するばかりだった。

私は、精神的に徐々に病んでいった。会社にも行きたくなくなっていったし、自分がやっていることが、全て無駄に思えていた。

私は、若くはないけれど、人生を諦めるには早すぎると思え、大好きだった仕事を辞める事にした。

手放した時に自分の本質や本当に大切なものが残るというこの記事を読んで、私が会社を辞めた理由は、まさにこれだと思った。

私は、仕事自体が好きだと思っていたけれど、それよりも大切だったのでは、信頼できる上司や同僚と一緒に仕事をする事だったのだ。

その信頼出来る仲間がいない会社で働き続けることはとても虚しいし、エネルギーを使う気力は残っていなかった。ここで学んだことは、それは私はお互いを尊重できるチームを作り一緒に働きたいと言うことだった。

会社を辞めることを伝えた際、涙を流して、感謝してくれるスタッフが何人もいた。有難いことだし、自己満足かもしれないけれど、私が14年間築きあげたものは全く無駄ではなかったと信じることができた。

大好きだった仕事を、予想もしなかった展開でやめることになったけれど、後悔はしていない。自分にとって何が大切なのか教えてもらったと言う意味で、私は新しい元同僚の彼女に感謝をしたい。

#2021年の出会い

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