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【制作意図解説】マグリットの世界を1分で映像表現してみる

まずはこちらの映像をご覧ください。

2021年 5月15日に行われたエコー映像大会3 に出品した作品です。
このnoteではこの作品を制作した意図や工程に触れようかなと思います。

ルネ・マグリットの世界 と 今回の作品意図

自分の絵画は思想の自由を表す物質的な記号だと考えている
-ルネ・マグリット-


「平凡で普通の人」を演じた画家マグリット

画家といえばゴッホやモディリアーニのような
波瀾万丈な生涯を思い浮かべる人が多いと思いますが、
マグリットは3LDKのアパート暮らしの銀行員。
毎日決められた時間に起きて寝て、アトリエは持たず、スーツにネクタイ姿で台所横にイーゼルをたてて絵を描いていたそうです。
どこからどうみても普通の人、それがルネ・マグリットだったそうです。

しかし彼が描く絵は普通ではない。奇妙で美しいのに惹きつけられる、
私たちの固定観念を易々と壊してくるようなそんな絵です。

「自分の絵画は自由を表す物質」だと語った彼の絵画をみて
私は
「普通であることを望みながらも自分の心を表現したい」
そんなメッセージを感じました。

それは、現代の人々にもあてはまって
もっと自由に生きたい、感情をありのままに表現したい。
だけど、一人だけ突出してしまうのは怖い。後ろ指さされず普通に生きたい。誰もが心にある矛盾した感情。

そんなグルグルした感情のはてに、
人の目を気にしてばかりの自分の心はどこにあるのだろう、
どこにもない(NOWHERE) のではないだろうかと。

そんなぐるぐるした感情を映像にしたのが今回の作品です。

表現したいという心と閉ざしてしまう心

今回の映像は前半部分と
後半部分の違いを見ていただけたらなと思っています。

前半部分は、キャラクターはノリノリで首を動かし、
どんどん感情が膨らみ空にまでいきます。

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後半部分では感情がいろんな情報によって左右され、
最終的に自分の心を表現せず自分の感情を殺してしまいます。

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後半の浮島以降、一切彼は顔を見せず、
最後にはドアを閉じて消えていってしまいます。


制作のとき考えてたこと

今回の映像大会では
私自身がずっと悩んでいたところがあって、
「何かでっかいものを作りたいけど、それをどう表現したらいいのか…」と

そしたら気づいたら映像大会4日前。
全く手付かずで
当初作ろうとしてたものは風呂敷広げすぎて、間に合わない状態になりました。

もう諦めようかな、とも思ってたんですが、
そんな時にマグリットの絵画をみて、
せっかく作りたい気持ちがあるのに出さないのはもったいないと思い
0から考え直して作ることにしました。

意外にギリギリから始めると、
先に全てのデザインを仕上げ、AEを立ち上げる前に、
どんなデータ構成にするかを考え…など、効率的にやる工夫が自分の中に
うまれ、全く迷わず映像を作り上げることができました。

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▲最初にイメージの核となる絵をCLIPSTUDIOで描きました。ここから広げていきます。

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▲ドアでぐんぐん進んでいく場面は、イメージをノートに描いてカメラをどう動かすか考えました。

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▲Illustratorのアートボードでカットごとにイメージを作成。素材も一斉に書き出しを行いました。

表現することは楽しい!

今回映像大会に参加して、たくさんの方の作品を目の当たりにし、
多くの方の表現に感動し、心を動かされました。

私自身も自分のしたかったことを
表現できる心地よさを改めて感じることができました。

最後にこのような大会を開いてくださった、主催のサンゼさん、スタッフの方々本当にお疲れ様でした。とても楽しくて刺激的大会でした。
今度の冬の大会こそは…もうちょっと早く取り掛かろうと思います…。

▲開催直前に投稿したGIF。映画っぽい仕様です。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
もし少しでもよかったなと思いましたら、いいねをお願いいたします。
それではまた次のnoteでお会いしましょう。

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スミ マミ




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