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凡人の私

 前回の記事で、「本が好きだ」という話を書きました。
 本を読む中で割と選びがちなのが、「パッと見て人生を成功していて、その成功体験や成功の方法論などについて書いている」という内容のものだったりします。
 こういう傾向の本を度々興味を持って選ぶくらい、私は人生に行き詰まっていました。

 と、思ってましたが、たくさんの人たちの本を読み続けるたび、それは1つの思い込みであり、だんだんこれまでとは違った価値観や物事の捉え方が形成されていったのではと感じました。
 人間の悩みは根本的な部分で、大体他人がいることにより発生する。極端な話、この世の中に自分1人しかいなかったら、大体の悩みはなくなるということは、数多の先人たちが述べられています。
 結局人間はある程度見栄っ張りなんだ。それは自分だけでなく、多かれ少なかれ誰もが持っているものだということです。
 「特別な自分」「他人とは違う自分」「選ばれし人間である自分」という理想を、ある程度の人は心の中で描き、それを目指して様々なところに辿り着いてゆく。そこで実際にそうなれたらいいのかもしれないですが、全員の思いが叶うとは限りません。私も前は多分、こういう「特別な自分」像に憧れていたんだなと思います。

 本の著者はある1つの物事において成功者であるから、その方法を教えてくれてます。
 しかしそれで万人が思い描くままになる訳はない。そんな魔法みたいなことはありません。
 だからなーんだつまらんって本を投げ捨てるのではなく、それでそれで?どうしたの?ふーんそれで上手くいったんだと、他人の話に興味があるから読むのです。自分はそれが面白がれる人間なんだなと思います。

 数多の成功者たちの話を読んでいて私が気付いたことといえば、「自分がやりたいようにやったら、凡人としての生き方が物凄く合っていて楽だ」ということです。
 私は普通の、何の特別な資格も持たず、誰でもできるような簡単な仕事を日々こなす事務職です。しかしかれこれ今の職場も長く続いているのと、ストレスが少ないことを思うと、向き不向きでいったら圧倒的に向いてるといえます。
 自分にとって、適度に休みながらやることをただ淡々とこなしていくことが、最もストレスフリーな仕事です。こんな感じで、「社会の歯車」と揶揄されたりする生き方が適正な人間もいるのです。
 そんなのつまんないって思う人も大多数いると思うけど、だからこそ、退屈にならないように面白いと思う本をたくさん読んでいるのかもしれないです。
 かつて聞いたことのある、「人生は死ぬまでの暇つぶし」というのも案外そうなんじゃないのかなと思う。
 適度に適当な職があり、ある程度の収入と貯金があり、この世界にまだ知らないことがたくさんある。私は凡人で幸せだと思います。

 

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