彼女の名前は。
「キムジヨン」の作者、チョナムジュの新作「彼女の名前は」を読み終わった。
30人弱の韓国の女性たちの物語。読み始めてすぐの、「ナリと私」がわたしには一番、ぶっ刺さった。
テレビで働く女性たちの過酷な労働環境の話。わたしもメディアの仕事をしてる分、つらくても仕事の刺激は強く、面白くてしょうがないのはよく分かる。
ただ、はっとしたのは、最後の部分。先輩の女性が、後輩のナリに向けて心のなかで言う。「(きつい労働環境は)わたしだってそうだったんだよ、あたしらの頃はもっときつかったんだから。と、そんなことを言う先輩にはなるまいと心に誓った。でもそれだけでは足りない。言ってはいけない事を言わない人で終わらず、言うべきことを言える人にならなければ。自分が今日飲み込んだ言葉、自分しか言ってあげられない言葉について、考えている」。
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