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フィリピン不動産ガイド

フィリピン不動産以外のフィリピンに関する情報配信も行っておりますので、興味があればぜひ御覧ください。

フィリピンは、アジア地域の成長する経済の一部であり、近年、経済成長に対して注目が集まっています。不動産投資もますます人気が高まっており、特にマニラなどの大都市圏においては、投資家からの関心が高まっています。

ただし、不動産市場においては、場所やタイミングによって結果が大きく異なることもありますので、評判や専門家の意見なども参考にしながら投資判断することが重要です。

まずは、不動産投資のスタート地点に建つべく、フィリピンの基本情報から歴史や文化を見ていきましょう。

1.フィリピンの基本情報

フィリピンの国旗
フィリピン共和国

国旗:フィリピンの国旗の4色で、青は崇高な理想、赤は国家の勇気、白は平和を表しています。 平等を表し、太陽は自由を表し、3 つの星はルソン、ミンダナオ、ビサヤを象徴しています。 太陽からの 8 つの光線は、フィリピン革命の際にスペインに対して最初に武装したルソン島の 8 つの州を表しています。
面積:約30万平方キロメートル(日本の約8割)。7,109の島々が点在しています。
人口:約1億1730万人(2023年フィリピン国勢調査)
首都:マニラ
政体:共和国
元首:フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領
民族:マレー系が主体で、中国系、スペイン系、これらとの混血。 宗教:キリスト教83%がカトリック、その他のキリスト教が10%、 イスラム教が5%、ミンダナオ島ではイスラム教徒が人口の2割以上となっている
産業:農林水産業、サービス業(コールセンター事業のアウトソーシング(BPO)産業など)
通貨:1ペソ=約2.36円(2023年2月現在)

2.フィリピンについて

位置

東南アジアの中心に位置するフィリピンは、東京から飛行機で約4時間半の距離にあります。四方を海に囲まれ、7,000以上の島々からなるフィリピンの国土面積は、日本の国土の約25%と小さい。
首都マニラのあるルソン島や、ビーチリゾートとして日本人に人気のセブ島など、11の主要な島々が国土の90%以上を占めています。

フィリピンの位置

歴史

フィリピンはかつてスペインの植民地支配下にあったが、1898年に統治権がアメリカに移った。その後、フィリピン独立法に基づき、1946年7月4日にアメリカからの独立を達成しました。
元々は7月4日が独立記念日に指定されていましたが、1898年にフィリピン初代大統領となったフィリピン革命軍の最高指導者エミリオ・アギナルド将軍が独立を宣言した6月12日をフィリピン独立記念日とし、7月4日をフィリピン・アメリカ友好記念日としています。

エミリオ・アギナルド将軍

苦難の時代
1960年代から1980年代にかけて、フェルディナンド・マルコス大統領の独裁政権下の元、汚職や不正が蔓延し、政治的混乱と経済不況に見舞われました。そのため「アジアの病人」と呼ばれていた事もあります。
しかし、マルコス政権崩壊後、徐々に改革が行われ、経済環境は改善されていきました。その後、国民の圧倒的な支持を得て2010年に就任したベニグノ・アキノ3世大統領の下では、汚職や不正が減少し、海外からの投資が活発化し、高度成長路線が確立されました。

マルコス大統領

2016年6月、任期満了に伴うアキノ政権の後任として、ロドリゴ・ドゥテルテ氏がフィリピンの新大統領に宣誓しました。ドゥテルテ氏はダバオ市の市長として強いリーダーシップを発揮し、治安の劇的な改善と高度成長を実現してきました。長年の課題であった治安改善やインフラ整備をさらに強力に推し進めており、フィリピン経済のさらなる飛躍が期待されています。

ドゥテルテ元大統領と安倍元首相

2022年6月、フィリピン大統領選挙において、歴史上最大の得票を得てフェルディナンド・マルコス氏がフィリピンの新大統領に宣誓しました。ドゥテルテ政権が「ビルド・ビルド・ビルド」の掛け声のもとに行ったインフラ整備や外資規制緩和などの経済通商政策は継続される見込みであり、海外諸国と協力しながら、さらなる成長を遂げるだろう

マルコス大統領と岸田首相

言語

ボニファシオグローバルシティ(BCG)

かつてアメリカの植民地だったフィリピンでは、公用語の一つとして英語が広く使われています。フィリピンはアジア最大の英語圏の国として認識されており、英語人口は約90%、アメリカ、インドに次ぐ世界第3位の英語圏の国です。

東南アジア諸国の中には、外国人には馴染みのない現地語で書かれた契約書や書類しかないケースもありますが、フィリピンでは不動産や売買契約書などの契約関連書類はすべて英語で書かれていることが多く、外国人投資家にとっても投資しやすい環境となっています。

2013年、フィリピンは英語力の高さから、コールセンター業界の売上高でインドを抜いて世界第1位となりました。

コールセンター(BPO)

地価

フィリピンの金融の中心地であるマカティやBGC周辺の不動産価格は年率5%前後で上昇しています。フィリピンは若年層が圧倒的に多い理想的なピラミッド型の人口分布であり、高度経済成長が続く環境である「人口ボーナス期」が2050年まで続くと言われています。
フィリピンの不動産需要は年を追うごとに成長すると予想されます。

人口ピラミッド比較

フィリピンは世界で最も人口の多い国の1つであり、総人口は2014年に1億人を超え、世界で12位にランクされています。フィリピンは、成長著しいASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国の中でも高い合計特殊出生率(2017年、女性1人当たりの子ども数は2.64人)を誇り、米商務省国勢調査局によると、2050年にはフィリピンの総人口は約1億5,538万人に達すると予測されています。

少子高齢化が本格化する日本では、住宅需要の縮小は避けられません。しかし、豊富な労働力が経済を活性化させ、高度経済成長期を迎えているフィリピンでは、人口の増加と所得の増加が新たな住宅需要を生み出し、今後も不動産価格の上昇が続くものと予想されます。

フィリピン証券取引所(Bonifacio High Street)

成長性

フィリピンのGDP成長率は、今年には通常の成長に戻り、2025年までその成長を維持すると予想されています。順調な経済成長は、所得の増加による不動産価格のさらなる上昇に寄与すると期待されています。

フィリピン:2017年から2027年までの実質国内総生産(GDP)の成長率

日本銀行の金融緩和は当分続くとみられ、円安を圧迫しています。このままフィリピンペソに対して円安が進めば、フィリピン不動産の円建て価格が上昇し、日本の所有者は為替差益によるキャピタルゲインの増加の恩恵を受けることができます。

手頃な価格の高級コンドミニアム
フィリピンでは、不動産価格が日本よりも3~5割ほど安いことがよくあります。フィリピンの金融の中心地であり、現地の富裕層や駐在員が好むマカティやBGCでは、都心部の最高級コンドミニアム(高級マンション)の単価が東京と比べて75%程度安くなっています。

フィリピンの高級マンションには通常、24時間警備員付きの防犯ゲート、プール、ジム、子供の遊び場などがあります。多目的ホール、ヨガルーム、カラオケ、バー、ゴルフの練習場があることも珍しくありません。さらには低層階にショッピングモールを備えるコンドミニアムも多くみられます。

日本では必然的に何百万円もかけて設備の整った物件を購入する必要がありますが、フィリピンでは市内中心部の一等地にある高品質な物件を日本よりもはるかに安い費用で手に入れることができます。

1㎡当たりのコンドミニアム平均価格(120㎡規模)

フィリピンの不動産価格がアジアで最も低い理由は、1990年代に「東アジアの奇跡」とも呼ばれる近隣アジア諸国の目覚ましい発展を遂げ、不動産価格が上昇した一方で、1980年代の政情不安による長期的な経済停滞により、外資の誘致が遅れていたことにあります。

近年、フィリピンは政治の安定化や政府の積極的な外資誘致策により、アジアでも有数の急成長国へと変貌を遂げています。人口増加と国民所得の増加に伴い不動産需要が拡大し、不動産価格もそれに追随して上昇傾向にあると予想されています。

3.コンドミニアム購入

購入までの流れ

①ルールや規制の確認
②好みの物件を探す
③購入プロセスについて
④必要書類の提出
⑤諸費用を把握
⑥頭金支払い
⑦コンドミニアムの所有権を取得、入居
⑧正しい書類がすべて揃っていることを確認

①ルールや規制の確認

  • 外国人はフィリピンで土地を所有することは禁止されていますす、合法的に住居を所有することはできます。

  • フィリピンのコンドミニアム法では、建物の60%をフィリピン人が所有していれば、外国人でもコンドミニアムを所有することができます。

  • 家を購入する場合は、フィリピン人の地主との長期賃貸契約を検討してみましょう。

  • また、フィリピン人がコンドミニアムを60%以上所有していることを条件に、法人を通じて不動産を購入することもできます。

フィリピンでは、外国人は土地を所有することができないため、家を買うことは理想的ではないかもしれませんが、コンドミニアムを所有することができます。
フィリピンの法律は、建物のユニットの60%がフィリピン人によって所有されている限り外国人は物件を所有できると規定されています。

コンドミニアムによっては、プール、ガーデン、屋外スペースなどの設備を共有する必要がある場合があります。購入する場合は、色々と考慮しましょう。

購入後、驚くことがないように購入する前には、必ず立入検査と物件の完全な内見を行ってください。
ペット、子供、許可されるゲストの数などの制限がある場合がありますので、事前にコンドミニアムポリシーを聞くことをお勧めします。

プレセール購入
カスタマイズ可能な物件。完成前の物件を購入することで、物件を自分好みに変えることができます。その上、予算だけでなく自分のデザイン、飾り方や家具・家電の選び方を考えることができます。

低コスト:不動産開発業者は、プロジェクトの初めにプロモーション割引を提供する傾向があるため、購入時が早ければ早いほど、より良い価格の見積もりを受け取ることができま す。
いかに早く良い物件を見つけることが鍵となります。

法人購入
フィリピン人が会社の60%以上を所有していれば、企業はフィリピンに土地を所有することができます。残りは外国人のパートナーが所有できます。この持分要件を満たす企業は、不動産取引の購入、売却、または仲介者としての役割を果たす許可を得るために、政府投資委員会(BOI)に登録する必要があります。

フィリピン人の配偶者がいる場合、または企業を通じて所有できる最大の住宅地は、1,000 平方メートルの都市部の土地(4分の1エーカー弱) または1ヘクタールの農村部の土地(約2.5エーカー)です。

②好みの物件を探す

理想的なコンドミニアムは、あなたの予算やライフスタイル、その他のニーズによって異なります。フィリピンでは、以下のタイプのコンドミニアムスタイルをがあります。

ペントハウス
ペントハウスは通常、コンドミニアムの最上階に位置し、最も高価なユニットです。また、プライバシーがしっかり保証されています。ユニット内に2階や3階もあり、直通エレベータや、プライベートプールも付いています。

1,2,3 LDKタイプ(1,2,3BR)
ベッドルームが1つ以上あるタイプは、少人数の家族やカップル向けです。こちらの価格は、床面積の大きさとコンドミニアムの場所によって異なります。

スタジタイプ
スタジオタイプは、予算内でコンドミニアムを購入される方にお最も適した選択肢です。 独身やカップルの方に最適です。また、キッチンやバスルーム、バルコニーが付いている物件もあります。

ロフトタイプ
ロフトはメインエリアを見渡せるオープンスペースがあります。プライバシーを重視する場合は、このスタイルはお勧めできまんが、オープンで広々とした空間がお好きな方には、ロフトは最適です。

③購入プロセスについて

不動産仲介業、開発業者に聞くべきこと

・付加価値税(VAT)は含まれているか
・税金や登録料は誰が負担するのか
・一括で支払った場合のディスカウントは、どのくらいか
・頭金にディスカウントはあるのか
・金利はいくらなのか
・コンドミニアムの保証はあるのか。あるとしたら何年か
・共益費はいくらか

フィリピンでの不動産購入の手続きは少し複雑になることがありますが、以下のステップを踏むことで間違いを起こさず、正しい手続きをすることができます。

(1)購入予約申込書に必要事項を記入し、保証金を払う
購入したいコンドミニアを決定した後、一定の期日内に保証金50,000ペソ以上(訳10万円以上)の支払いを求められます。
支払い方法は、銀行振込、クレジットカード、小切手からお選びいただけます。

(2)頭金を用意して売買契約を締結
頭金を決めて、支払いスケジュールに沿って支払いをしましょう。通常、10%~30%の頭金が必要となります。コンドミニアムの所有権は、コンドミニアム証明書(CCT)によって証明されますが、全額完全に支払われるまで実行されません。

他の一般的な支払い方法は、頭金として購入価格の20%から50%を支払い、建設が完了したときに残りの金額を一括で支払うことです。割引率は一括払いよりやや低いですが、初期の経済的負担を軽減したい方にはお勧めです。また、頭金を工事完了まで月々の分割払い(一般的には無利息)で支払うことも可能です

また、不動産開発業者から売買契約書が送られてきますので、必要事項を記入してサインをします。

(3)残額を入金、住宅ローンの申し込み
購入代金を一括で支払わない場合は、工事完了時に残金を支払うのが一般的です。住宅ローンを組もうとお考えの方は、残金の支払いに間に合うように銀行に申請する必要があります

(4)竣工・引越し・登記 → 賃貸・売買・居住
賃貸や売却を希望する場合は管理会社を選びます。コンドミニアムに居住の場合は、内装や家具、電気、ガス、水道などの手配が必要です。

④必要書類の提出

コンドミニアム購入はとても大きな取引になりますので、適切な書類の確保が非常に重要です。法的にも将来の参考になりますので、メモを取ることをお勧めします。

レター・オブ・インテント(購入の意向書)
これは、物件購入の意思表示や関心を示すために提出する書類です。この書類に、価格に関するあなたの条件を記入します。また、購入に関する以下のような詳細情報を記載します。

・物件概要
・物件購入日
・物件の希望価格
・頭金支払い額

レターオブインテントを作成するときは、支払いスケジュールなを明確にしてください。弁護士または不動産ブローカーと相談し、意向書を書くことをお勧めします。

予約申請書(予約契約書)
この書類は、売主があなたの選んだ物件を市場から外すことを保証するものです。予約申請書には、物件のタイプ、床面積、支払い条件、融資オプションなど、物件の基本情報が記載されます。予約料金を支払う前に、予約申請書を提出してください。合意した日に予約料金を支払うことができない場合は、ブローカーに通知し、合意のキャンセルを回避するために延長を求める約束手形を提出してください。

売買契約書
これは、不動産購入に関するあなたと売主の間の書面による合意書です。この文書には、買い手が全額を支払う前に、買い手と売り手の両方が従わなければならない販売規定が含まれています。売主は、頭金を支払った買主にのみ売買契約書を発行します。また、この契約書は、公証人によって証明されなければなりません。

保証書
銀行や金融機関は、承認されたローンを不動産開発社に通知するための保証書を作成しま す。これは、物件の残債の支払いをカバーすることを売主に保証するものです。また、銀行または金融機関が保証する金額、およびその日付に関する情報も含まれています。

売買証書
この文書は、売主から買主への所有権の移転を確認するものです。この証書は、物件名義の変更を土地登記庁に提出し証書としてもらうためです。この証書は、物件を全額支払ったあとに、売主より発行されます。

税金について
不動産の新しい所有者として、査定事務所に行き納税申告書を要求する必要があります。この文書は、あなた名義の下にすべての税金の義務があると記されます。また手続きの際に は、購入したコンドミニアム証明書の名義、部屋の写真の提出を求められます。
購入物件の価値やリスクをきちんと調査することが大切です。また、購入する際に必要なすべての法的書類のコピーを保管しておくようにしましょう。そうすることで、あなたの投資を保護することができます。

⑤諸費用を把握

フィリピンで不動産を購入すると、いくつかの手数料や費用がかかります。

印紙税(Documentary Stamp Tax):1.50%
地方譲渡税 (Transfer Tax):0.50% ~ 0.75%
登録費 (Registration Fee):0.25%
公証費 (Notarial Fee):1% ~ 2%
付加価値税 (VAT):12%
住宅ローンの利息:ローンの期間や規模によって異なる

印紙税
商業取引における証書や契約書に課せられる税金です。物件売買価格、もしくは市場価格の高いほうに対して1.5%かかります。

地方譲渡税
これは、売却、贈与、物々交換のいずれかの方法で不動産の所有権を移転する場合に課される税金です。譲渡税率は、0.5%の低いものから、不動産の帯状価値または販売価格の0.75%と高いものまで、不動産が所在する自治体によって異なります。

登録費
この手数料は、不動産の登録、売却、譲渡、贈与の証書を登記するために支払われます。 購入したエリアの土地登記庁が掲載している登録料金表に基づいて具体的な金額が、決まります。

公証費
不動産の販売価格の0.1~0.15%程度

付加価値税(VAT)
日本の消費税と同じような税金です。税率は12%です。通常は販売価格に含まれています。

住宅ローン利息
住宅ローンを組むことを選択した場合、金利は頻繁に変わります。個々の銀行のウェブサイトを見て、最新の金利についてわかるようにしておきましょう。

日本の税金
フィリピンでコンドミニアムを購入した場合、日本の税金はかかりません。しかし、賃貸収入を得て、物件を売却する際には、その利益に応じた税金を支払う必要があります。

⑥支払い

不動産開発業者によっては、指定された支払い方法やスケジュールがあります。フィリピンは長い間安定したインフレが続いているため、最初に支払う金額が多いほど割引率が高くなり、全体の支払額が安くなります。また、物件の価格はフィリピンペソを基準としているため、将来的に円安(円安=円高)になると考えられる場合は、早めに支払いを済ませたり、現地の銀行で円をフィリピンペソに両替するなど将来の支払いに備えておくと良いでしょう。

一括払い
購入申込時に物件価格を一括で支払う方法です。物件にもよりますが、通常5~10%程度の割引を受けることができます。

購入時に頭金+工事完了時の残額支払い
物件価格の20%~50%を頭金として先に支払う方法です。工事完了時に残りの残額を一括で支払う場合は、通常2~5%程度の割引が適用されます。また、ほとんどの支払いを建設が完了するまで延期できますが、必要な書類(支払い明細書、銀行残高の証明など)を事前に不動産開発業者に提出する必要があります。

分割払い+工事完了時の残額の支払い
頭金(約20%~50%)を工事完了まで月々の分割払いで支払い、完成時に残額を一括で支払う方法です。
通常、割引は適用されません。頭金は、ほとんど無利子ですが、地方銀行の小切手での支払いとなるため、銀行の口座開設などの準備が必要になります。この方法では、工事が完了するまで支払いの大部分を延期することができますが、必要書類(給与明細書、銀行残高証明書など)を事前に不動産開発業者・売主に提出する必要があります。

⑦所有権を取得、入居

売り主からお客様への引渡しが行われます。仲介業者から仮の引き渡しのスケジュールについての確認があります。引渡し日は、購入住居の完成度合い、購入者の支払い完了時期などいくつかの要因に応じて変更される可能性があります。

購入住居を受け入れる前に確認
住居の引き渡し日に、売主から住居の確認するように依頼されます。これは、変更が必要な部分がないか、契約通りに配置されているかどうかを確認する機会です。友人や家族にも一緒に確認をしてもらい、細部を見落とさないようにしましょう

マンションがあなたの希望通りに工事が完了していた場合、受入証明書に署名してくださ い。工事に不満がある場合は、売主に要望を伝えてください。不動産開発業者は、あなたの修正要求をリストフォームに記入し、建設チームが承認します。修正完了後、改めて引渡しが行われます。

受諾証明書に署名した後、引き渡し費用をすべて精算しなければなりません。

・電気料保証金
・水道料金保証金
・共益費
・その他特別査定料

引渡日に立会いができない場合
引き渡し日に立ち合いができない場合、正式な代理人を派遣してください。彼らは以下の書類を持っていなければなりません。

・特別委任状(SPA)
・購入者の有効な身分証明書の写し
・認定された代表者の有効な身分証明書2枚

売主は、コンドミニアム基本情報マニュアル、住居のカギを渡します。 鍵を受け取り引っ越しが完成したら、いよいよ新しい生活の始まりです。

⑧正しい書類がすべて揃っていることを確認

購入手続きを終えて、晴れてオーナーになったら、以下の書類が揃っているか確認をしておきましょう。

・売買契約書およびその他すべての契約書が署名されているか
・認証された税申告書のコピー
・内国歳入局(Bureau of Internal Revenue) 認定証
・登録費、BIRキャピタルゲイン税、印紙税、その他領収書
・固定資産税の領収書
・固定資産税の納税処理書

コンドミニアムの所有権があなたに移った時は、次の書類が必要です。

・売買証書
・ご本人名義コンドミニアム所有権証書
・税務申告書(購入者の名前入り)
・登録費の領収書
・地方譲渡税の領収書

4.コンドミニアム売却

売却までの流れ

①売却時期の決定
②売却価格を決定
③買い手をリサーチ
④売却の手続きを理解
⑤料金や経費の支払い
⑥最終チェック

①売却時期の決定

コンドミニアムを売りに出す前に、まずあなたが所有している物件や、その周辺のコンドミニアムの購入、売却サイクルがどのように動くかを理解する必要があります。不動産サイクルは、価格が上昇(ブームフェーズ)下降(スランプフェーズ、そして最終的に安定(回復フェーズ)する一連の繰り返しをしているからです。

そのブームを見極めてどの段階で売却するかを考える事が最善です。また、このブームは通常6か月続くと言われています。需要の増加と同時に価格が急上昇しているため、売り手にとって最も有益です。ブームフェーズは、買い手が売り手の提示価格を支払うかそれを上回ることをいとわないため理想的な市場といえます。

②売却価格を決定

不動産の価値を判断することは、コンドミニアムを売りに出す前に行うべき最も重要なことの1つです。
物件価値を決めるのに役立つ要素は、以下になります。

売却する予定のコンドミニアムの相場
コンドミニアムの値段はその建物や、不動産開発者ごとに異なるため、自分のコンドミニアムがいくらで売られているかを調べる事をお勧めします。オンラインの物件を見てみましょう。

部屋数
部屋タイプの需要も売却につながる要因になる可能性があります。もし、あなたの所有しているコンドミニアムが 1ベッドルームでその需要が高い場合、より高い価格で交渉できるという利点があります。

コンドミニアムのサイズ
すべてのコンドミニアムの部屋サイズが同じとは、限りません。2つのコンドミニアムを比べるとベッドルームの数は同じでも、トータル面積に違いがあります。お部屋の広さを知る事で、市場のニーズを把握することができます。売却価格を決定する為の良い判断材料の一つになる事間違いありません。

駐車場
コンドミニアムに住むにあたって、自分の駐車スペースを持つことは大きな資産です。フィリピンでは、駐車場を含めてコンドミニアムを売りにだすか、駐車場だけ別に売りに出す事が可能です。

設備
コンドミニアム内にガーデン、プール、サウナ、多目的ホールなどがあれば、物件の価格に付加価値が加わります。

③買い手をリサーチ

マンションの売却手続きなどの時間があまりない場合は、不動産業者にお願いすると便利です。その場合、不動産売却価格の3-5%の手数料が発生します。

ご自身でコンドミニアムを売却したい場合は、オンラインで物件をリストアップすることが一番効果的です。
ご自身で売却する大きな利点としては、ブローカーの手数料を払わわないくていいというところにあります。

④売却の手続きを理解

フィリピンで不動産物件を売却しようとお考えであれば、自分の身を守るためにも正しい手続きが必要です。確保しなければならない法的な書類もあるので、手続きに慣れておくことは必須です。

1.仲介業者と媒介契約
仲介業者とまず売却条件や手数料、販売手数料などについて話し合います。仲介業者は所有者の書類を精査し、貸付や抵当権、差し押さえがないことをチェックします。
契約の目的は、不動産の重要な情報と手数料管理、また、物件に問題がないことを確認するためと、売却する前に必要な書類を確保するためです。

2.物件の査定
現在の市場価値を評価する方法として、仲介業者が物件をチェックします。実際の価格を決定するためには、物件を査定することが重要です。物件の立地や周りの環境などの重要要素を含めて、資産の価値を判断することは大切です。

3.物件の販売
仲介業者が物件を売却する前に、所有者と販売する方法に同意することが重要です。部屋の写真提示、オンラインで物件の住所を公開したりする際には、プライバシーなどを考慮する必要があります。また、マーケティング費用をどのように分担するかについても、双方で決めておく必要があります。現在では、手数料の額に応じて仲介業者が費用を肩代わりするのが一般的です。

4.物件の閲覧
不動産の購入者として見込みのある人が仲介業者と連絡を取り合い、その物件の見学スケジュールが予定されます。内覧日には、物件を綺麗にしておきましょう。

5.レター・オブ・インテント(購入の意向書)
購入者は、購入の意思を宣言する意向書を不動産所有者に提供します。多くの場合、レターオブインテントは、不動産の売却を文書化する最初の段階で発行されます。
所有者は、レターオブインテント(または購入申告書)を受け入れ署名します。これは、購入者が指定した条件に同意したことを示します。受諾すると売り手は、買い手がレターオブインテントの条件に違反しない限り、他の買い手に物件を売却してはいけません。

6.法定書類の取得
物件売却を決定したら、必要なすべての法的文書が手元にあることを確認してください。これにより、購入者が不動産の支払いに同意した場合に所有権を譲渡する手続きが簡単になります。

・コンドミニアム所有権の権利利証明書の真正コピー
・コンドミニアム駐車場所有権の権利証明書の真正コピー

所有者または仲介業者は、以下の書類を査定士事務所から調達しなければなりません。

・納税申告書(コンドミニアム)
・駐車場の納税申告書(駐車場がない方は必要ありません)

また、物件所有者は以下の書類も必要です。

・税務署からの移転権利許可証(CAR)
・固定資産税支払い領収書(RPT)

⑤諸費用の支払い

キャピタルゲイン税:6%
不動産仲介手数料:3% ~ 5%
付加価値税(VAT):12%

キャピタルゲイン税
キャピタルゲイン税は、売却価格または、公正市場価格のいずれか高い方の6%です。通常は売主に課せられますが、売却価格に含まれる場合もありますので、事前に契約書を確認することをお勧めします。

不動産仲介手数料
不動産業者の手数料は、一般的に販売価格の3%から5%程度です。

付加価値税(VAT )
以下の条件には12%の付加価値税がかかります。

・売却価格が3ミリオンペソを超えている場合
・法人が所有している場合
・資産の売却がVATの対象となる場合、売主はキャピタルゲイン税が免除

未払の固定資産税(該当する場合)
未払いの税金がある場合は、売却される前に支払われなければなりません。負債を不動産を購入する人に譲渡することはできません。これらの支払いを怠ると、売却が無効になる可能性があります。

個人
フィリピンのコンドミニアムを個人名義で購入し、その後賃貸に出した場合、日本ではその間に得た賃貸収入に課税されます。また、物件を売却した際に得たキャピタルゲインにも課税されます。日本に住所をお持ちでない方(非居住者)は納税義務はありませんのでご注意ください。

日本で払わなければいけない税金は以下になります。
・不動産所得 15.105% ~ 50.8%+ 累進課税
 →譲渡所得税
 →長期譲渡所得× 20.315% (5 年以上)
 →短期譲渡所得 × 39.63% (5年以下)
・総合課税とは、個人のその年の所得をすべて合算して、その合計額に対して累進税率で課税される計算方法です。累進税率とは、所得を6段階に分け、所得が高いと高い税率を課す制度です。つまり、所得が高いほど税率が高くなるということです。
・譲渡所得税とは、単純に「売れた価格」そのものではありません。不動産を売るまでには、まずその不動産を買ったときの価格や費用がかかっており、売るときにも費用がかかります。それらの価格や費用を売れた価格から差し引いたものが譲渡所得税です。

課税方法は所有期間によって異なり、譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下か5年を超えるかにより大きく2つに分けて判断します。

法人
法人が不動産を売却すると、法人税、法人住民税、法人事業税を合わせた33%~34%の税金を支払わなければなりません。
法人の場合、賃貸収入も売却益も所得として扱われます。そのため、他の事業の損失を合算
したり、経費の多い年に物件を売却したりすることで税率を下げることができます。法人の規模によって法人税率は異なります。

不動産売却時にかかる税についての詳しい情報は、国税庁のホームページに掲載されています。

2か国租税条約
日本とフィリピンは二国間租税条約を締結しており、その主な役割は両国間の二重課税を回避することにあります。

日本の企業や個人が不動産などで得られる所得には「国際二重課税」があります。これは、所得が居住国(日本)と所得を得た国(フィリピン)の両方で課税される場合に発生しま す。

この条約では、個人や企業が海外で得た所得は、日本かフィリピンのどちらか一方の国でのみ課税されることになっています。

不動産で家賃収入を得たり、売却したりした場合、二重課税を避けるためにフィリピンで書類を申請することをお勧めします。

しかしながら、フィリピンの場合、この軽減税率の適用を受けるためには、フィリピン内国歳入庁(BIR: Bureau of Internal Revenue)の国際税務部(ITAD: International Tax Affairs Division)へ租税条約軽減申請(TTRA: Tax Treaty Relief Application)を提出して承認を受ける必要があります。
そして、このTTRAには、非常に長い時間と手間がかかることも知っておく必要があります。早めに手続きを始めることをお勧めします。

詳しい租税条約についてはこちらをご参照ください。

⑥最終チェック

税金や手数料などの諸費用が全額支払われたら、売主が所有権を譲渡する売買契約書(Deed of Absolute Sale)の署名をします。双方の当事者が署名した場合、買い手が新しい不動産の所有者であるとみなされます。

売買売却証書の公証
売買証書に両当事者が署名後、それを公証しなければなりません。文書が公証されると、それは公文書となります。
つまり、将来的に第三者による詐欺や根拠のない請求の可能性から買主を守ることが目的な大事な書類です。

売主は、以下の原本を提出しなければなりません。
・コンドミニアム所有権の権利利証明書
・納税申告書
・納税申告書(駐車場)

ありがとうございました。

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