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【短歌】詩人|文語の定型短歌を詠む 27

この世界の五十年後が見えてこそ真の詩人と恩師は説きぬ

五十年のちの世界を見ることの十五歳じゅうごの我にかなはざらむや

師に借りし新潮社現代詩選集と万葉集とを交互に読みし日

五十年のちの世界を見る目とは自らの死後の此処ここを見る目か

の日より一日ごとに時は過ぎの「五十年後」の近づかむとす(*)

百年を超えてまみえし夭逝ようせいの詩人らのうた朗唱ろうしょうが良し


2013年7月 詠  『橄欖』2013年10月号 初出
(*)2022年5月29日 詠