【短歌】ワルツ|文語の定型短歌を詠む 22
山間の小さき宿の大晦日村びとら弾くヨハン・シュトラウス
碧き眼の青年古風に一礼しワルツに誘ふ かの日の母を
延べらるる若人の手に手を重ね舞の輪に入る三十路の母は
東洋の女性と踊るは初めてとその眼で語る碧き眼の男性
黒髪の艶を奢りし母なりき紅毛人らに混じりて独り
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私は12歳だった。
家族でクリスマス休暇を過ごしたオーストリアの山の村の大晦日の晩。
特別に「大人の時間」までテーブルに座ることを許してもらった。
次々にヨハン・シュトラウス