【短歌】巡礼|文語の定型短歌を詠む 24
伊那谷の小さき二つの聖堂を十人で訪ふ巡礼の旅
松川のルルドの聖母の洞穴は仏寺の墓地を肩越しに見す
聖壇に供へられたる臘梅を活けし信徒は華道の師とふ
右にマリア左にヨゼフの聖像と供花の外は一切置かず
飴色の木彫りの聖母は磨かれて頬の艶良く笑みて居ませり
左肩に幼子乗せる聖ヨゼフ 右の手に鋸 大工の証
2013年2月詠 『橄欖』2013年5月号初出
伊那谷の小さき二つの聖堂を十人で訪ふ巡礼の旅
松川のルルドの聖母の洞穴は仏寺の墓地を肩越しに見す
聖壇に供へられたる臘梅を活けし信徒は華道の師とふ
右にマリア左にヨゼフの聖像と供花の外は一切置かず
飴色の木彫りの聖母は磨かれて頬の艶良く笑みて居ませり
左肩に幼子乗せる聖ヨゼフ 右の手に鋸 大工の証
2013年2月詠 『橄欖』2013年5月号初出