見出し画像

再会はドラマティックに。

「新しい子を駅まで迎えに行ってきます。」

と告げて、迎えに行くと。

向こうからお母さんと女の子が歩いてこられました。

あぁ、きっとこの子だと思って

「里山スクールに来られたましたか?」

と、声をかけた途端に
私とそのお母さんとの間の時間が
止まったように感じました。

見覚えのある顔。

「先生。」
と言われました。

そう。
ひろと(仮名)のお母さん。

彼との思い出が蘇ってくるようでした。

彼は私が最後に担任してたクラスの
不登校だった子でした。

「ひろとは、元気ですか!?」

思わず、ひろとのことを口にしていました。

お母さん曰く、彼は今元気に登校していて
今は妹が行きたくないと言っているとのことでした。

「安心しました。」

とお母さん。

もし、ここがダメなら、先生に連絡しようと思っていたんですと言われました。

まさか、また会えるなんて。

本当にびっくりでした。



ひろとは、コロナ真っ只中。

突然、市が発表した
オンラインで学んでもいいです宣言のあと
学校には来なくなりました。

大勢がいる教室に入るのは苦手で
その前の年も
朝早く誰もいない教室に登校するとかして
対応していたのを見ていました。

私のクラスになってからは
全く普通に通っていたのですが。
二学期から
そうなったので
少しでも来れる時間があるといいと思って
一週間の時間割をひろとように作成して
専科の時間に誰もいない時間
いわゆる私の空き時間を案内して
きてもらうようにしていました。

2人で勉強をすることもありましたが
基本的によくできたので
この時間を楽しめるほうがいいなと思い
好きなことをやろうと提案しました。

彼が好きなことをお母さんに聞いて
プログラミングならと言われたので
タブレットを使って
やってみました。

やってみたら
私より断然ひろとのほうが上手。
サクサクやり方を覚えて
進めていきました。

それで。
フェスティバルのときに流す動画を作ってもらって上映したりしました。

理科の導入動画も作ってもらって
理科の授業にはそんなふうに
彼の動画を流して
今日はこんな実験をやります
ってやったりしていました。

そういうときは彼も一緒に授業に参加。
楽しく実験とかをやっていました。

彼と過ごすので
私の空き時間(丸つけや事務処理の時間)は
潰れていきましたが。
私にとっては少しも苦じゃなかったし
むしろこうやって
子どもとちゃんと向き合って
仕事をしていきたいと
以前に増して思うようになりました。

そして。
今に至る。

廊下で何度も話した
あのときのお母さんと
また再会できるなんて。

世界はおもしろいなぁと。
そして感謝です。

またひろとの妹が
輝いていく姿を見るのが楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?