[玉造温泉街 再生秘話⑨] 予算は大丈夫!と言う周藤さん
いつもご覧いただきありがとうございます!
ようやく9話ですが、話の中の時間はまだ1年くらいしか経過しておらず、これ150話くらいになるんじゃないか?と御心配(温かいイジリ)の声をいただきました。ありがとうございます!
長期連載になりますがお付き合いの程よろしくお願いします!
まだまだ暗闇の中
2008年6月
観光協会に勤めて1年が経とうとしている頃です。
1年目はちょっとややこしい組織形態でしたが、周藤さんが見かねて助けてくださったおかげで、非常にすっきりとした組織となりました。
※大変助かりました。周藤さんの優しさに感謝しかありません。
1年経ったのですが、これといった実績はまだありません。
新商品の玉造キラキラみすとは相変わらず販売不振。
玉作湯神社の願い石・叶い石も始まったばかりなので月のお授け数は10~20といった程度です。
温泉街もまだ寂れたままで何も変わっておりません。
そんな中で追い打ちをかけるように、昨年につづき2つの旅館が経営破綻をいたしました。
※これで合計4軒が経営破綻となりました。
▲2008年 玉造温泉街はまだまだ暗雲に包まれておりました。
〔当時の玉造温泉の評価〕美肌・姫神の湯 玉造温泉というテーマは決まったものの、まだ何も結果は出せていない状況。旅行会社の「山陰 とっとり・しまね」というパンフレットでは、前のページから三朝温泉、皆生温泉、玉造温泉という順番で掲載されていた。(つまり地域で3番手)リクルートじゃらんの「あこがれの温泉地ランキング」では47位。(50位まで表示)もうすぐランク外でした(出典:角の記憶)
まだ1年、、、でも何か結果が欲しい!
焦りと不安と(あとまちデコ倒産の危機)に悩む日々です。
予算を大胆に変えちゃう周藤さん
話の舞台は少し変わって、ある日のこと。
周藤さんとミーティングをしていましたら
周藤「美肌・姫神の湯でターゲットが若い女性なのに、ホームページがボロクタで、あれ、なんとかせな いけんの」
角「たしかに、教育委員会が作ったみたいなサイトですよね」
周藤「それと、パンフレットが古ていけん(古くてダメ)。まだこげなパンフレットつかっちょうかと思ったら若い女性も寄り付かん」
周藤「パンフレットとホームページ、思い切って変えらこい(変えよう)」
角「え?年度当初に予算とってないみたいですよ」
周藤「えが(大丈夫だよ)」
周藤「わしがなんとかするけん」
▲コレと決めたら判断と行動が異常に早い男=周藤さん
周藤さんが予算書を取り出して何か書いております。
コソッとみると、1年分の全事業の予算から削れそうなのをシャシャッと削ってさささーっと組み換えました(約10分)
さらに県の補助金も見つけてきて理事会もパパパーーっと通して、あっという間に予算(たしか150万円くらい)が出来ました。(約5日)
マジでこの人…本当になんとかしちゃうんです。
予算の心配もなくなりましたので早速2社に声がけをしてコンペをします。
写真にこだわり、また予算が、、、
さあ、周藤さんからいただいたミッション(パンフとサイトのリニューアル)がはじまりました。
ようやくやりたいことができるのでとても嬉しかったです!←若い!
角さんが一番こだわりたかったのは写真です。
といいますのが、2008年当時…(今では信じられませんが)島根県の観光関係者の中で写真を重要視する方はほぼいなかったのです。
補足:2020年現在では綺麗な写真でサイトやパンフを作る事は当たりまえの感覚ですね。でも2008年当時では、写真はなるべく経費を削るもので、自前のデジカメ(今より遥かに低画素数)で撮影したり、地元の愛好家(素人)に撮影してもらえば安くすむ、という時代でした。(出典:角の記憶)
どうしても写真はこだわりたい!
そこで、旅館時代に知り合ったスーパーなカメラマン2人の顔が思い浮かびました。※一人は富上さん、もう一人は太田さんというカメラマンさん。
2人とも素敵な写真を撮影してくださります。←大好きです♡
この時に考えました。
「少し高くなるけど写真は観光協会で発注して撮影後は版権買取したいなぁ」
これも当時としては斬新な発想でした。
一般的には広告代理店などにすべて一括でお任せする時代です。
撮影も広告代理店がカメラマンを手配をします。(製作費に入ってます)
しかし、それでは版権をいただけないため、後々不便になる事を角さんは知っていたのです。(二次使用は別料金というルールがあって撮影した写真を他のことに使えないのです)
少し割高になるかもしれないが、写真は財産だ!
こう考えて周藤さんに相談したところ、全く同じ意見でした。←(周藤さんの頭の柔らかさに驚愕)
そしてまた周藤さんは予算をコチョコチョといじってお金を生み出すのです。(約30万円)←ドラえもんかよ!
予算がないのにポスターを提案してくる男
さて、パンフレット制作の打合せをしておりましたら、担当の高梨くんが
高梨「角さん、パンフとは別にポスターを作りませんか?」
熱い想いで理由を語ってきます。
は? こいつ、、、お金が無いのに無理難題を言ってきやがる。。。
角「え?面白いけど予算が無くてお金が足りないんだけど」
高梨「もうお金は原価でやりますので何とか作らしてください」
こんな事を言い出すのです。
原価でいいって…どんだけやりたい想いなのよ?と、さらにじっくり聞くことにしました。
実は高梨くんも玉造温泉の担当となってから悩んでいたのです。
「玉造温泉がさびれて暗いイメージしかない…パッと明るくなるような、そして20~30代女性が訪れているようなイメージに変えたい。」
「季節にあわせて4枚、女性をモデルにして温泉旅行を楽しんでいるようなポスターを作りましょう!(原価で!)」
なるほど! この想いとアイデアは面白いかも…と思いました。
早速、周藤さんに相談します
すると
周藤「えだねか!(いいじゃないか)」(検討時間2秒)
角「ただ予算が無いんですよ」
周藤「予算は せわねが(大丈夫だよ)」
周藤「季節ごとに計画しているイベント予算の中にポスター制作の予算があるから、それ、やもこい(削っちゃおう)」←つまりイベントのポスターは無し。
周藤「それで浮いた予算を使って、新しいポスターを作らこい!(作っちゃおう)」
周藤「そげだ!(そうだ!)ポスターの下の方にちょこっとイベントの告知を書いとかこい(告知を書いておこう)」←イベント告知もしたことになる。
なるほど!!
周藤さんはとにかく「予算がない」という考え方をされない方でした。
結果、
「とにかく予算はわしが後でなんとかする」という(行政出身者らしからぬ)周藤事務局長の元、そもそも当初予算ゼロから
①写真撮影
②パンフレットリニューアル
③公式サイトリニューアル
④イメージポスター4枚
の4つが出来上がりました。
▲寂れた温泉街のイメージを変えるポスター(よく見ると下の方にイベント告知がちょろっと(笑))
早速ポスターを両手に旅館やお店に持参しました。
玉造温泉の広告物にキラキラした女性が登場することで、旅館のスタッフや温泉街の人達からも
「なんか明るい温泉街のイメージだね」
と言っていただき、なんだか人の意識が変わりはじめたような気がしました。←これも周藤さんの狙い。(第5話のやつ)
美肌・姫神の湯 玉造温泉のテーマのもと、さびれた温泉街が少しだけ先に進んだ出来事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!
まだまだ寂れた温泉街ですが、少しづつ前進している様子が懐かしいです。
さて、第10話はある人のポロっと出た言葉から大きな気付きを得るお話です。
楽しみにお待ちください☆
第10話 お湯への敬意はコチラから
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