城戸 輝哉
役割
建築設計 / CEO、スマサガ不動産代表
出身
広島県広島市
趣味
キックボクシング、読書、建築
特徴
好きなことにはどこまでも、こだわりが強すぎる
読書も設計も始めたらつい朝まで集中してしまう
動物性たんぱく質が主食
中古×リノベーションで、すべての人に住まい探しの自由を！
僕が小学生の頃、父親の仕事に伴い転校を繰り返しました。新しいコミュニティに馴染む間もなくまた転校となるので、その度に、すでにその場所にいた先生と生徒の仲間内に閉じた社会に、よそ者として関わることのストレスを絶大に受けて育ちました。
気がつけば、いつも一人で本を読んでいるような子供になっていきました。
自分の個性を大切にするために自分一人でなんでもやって、出来るだけ他人と関わらない人生が楽なのかも…と、20代半ばくらいまでは本気で思っていたのです。だから、仕事にしたかったのは、デザイン、音楽、アート…基本的に、モノづくりで自己表現をすることでした。
そんな僕が大人になり、30歳の頃、個人の建築設計事務所をつくって独立し中古物件の再生デザインに関わった経験から、不動産の分野にも興味を持ち始めます。
なぜかというと、不動産会社の営業マンは、デザインで人の人生が変わるとか、社会を少しでも良くできるという信念を持っていないことがわかったからです。いっしょに仕事をしてみると彼らのほとんどは営業成績にしか興味がありませんでした。
でも僕には、デザインをするなら社会を少しでも良くすることにつなげたいという使命感がありました。
そして数年後、2004年の夏に、中古物件の購入からリノベーションの設計まで、ワンストップで提供するスマサガ不動産を立ち上げることになるわけです。当時は、リノベーションという言葉はもちろん、中古物件を住まいとして購入すること自体もまだまだマイナーでした。
そんな時代だったので、クライアントさんの理想を実現するためには取引に関わる他の不動産会社、銀行、管理会社など、中古×リノベをカルチャーとしても経済活動としても正当に理解してくれなかった人たちを相手に、複雑な交渉が必要だったのです。
そんな中、クライアントさんとはざっくばらんに対話できたことで少しづつ営みの可能性を拡げてきました。結果的にクライアントさんと一緒になって、理想的な中古×リノベの購入スキームのノウハウを構築していった感があります。
子供の頃は、出来るだけ他人と関わらない人生が楽なのかも…と思い込んでいた僕が、スマサガ不動産を始めてから、いつの間にか人とのコミュニケーションが好きになってしまったというわけです（笑）。
一つはやはり信念があったからです。
中古×リノベは、僕たちのクライアントがこれからの時代を賢く生き抜くための武器になるし、その営みが社会に好循環をもたらすと信じられたからです。
もう一つは、モチベーションです。
僕が人生で最も大切にしたいのは、自分らしく生きたいと願う心です。個人の経済的な自由と、自分らしく生きたいと願う心が、旧態依然の不動産業界の営業姿勢のために理不尽に無視されてしまっている状況に耐えられないと思ったのです。
そして、当時の僕にインスピレーションをくれた言葉がありました。「星の王子様」で有名なフランスの作家、サン=テグジュペリ（1900-1944）の名言です。
「愛するとは互いに見つめ合うことではなく、一緒に同じ方向を見つめることだ。」
これは、恋愛の話ではなく、人と人の関係性に本当の信頼と愛情を構築していくための話です。
自分らしさはお互いにバッティングするものではなく、自律した自由な個人が同志としてつながり、いっしょに考え、いっしょに歩んでいくことが、社会全体を良くする方向につながっていく…
そんな理想の世界が、明確にイメージできました。
理想のライフスタイルが実現できる可能性は、誰にでも平等にあります。
ただ、その答えは誰かが教えてくれるものではないかもしれないし、でも、自分の中に隠れていて、引き出されないままになっているものかもしれないです。だから、僕たちは、いっしょに探したいのです。
スマサガ不動産の活動を通して、クライアントさんには、もっと自分らしく自由になれる人生が描けるんだってことを知ってほしい。
そんな活動を続けていくうちに、たくさんのクライアントさんとの思い出、クリエイティブな経験、そして次世代につなぐべきノウハウを積み上げながら、なんとかかんとか20周年を迎えることができました。
革命の同志になってくれたスマサガクライアントの皆様には、感謝の言葉しかありません。
