支援する立場にとって、好敵手「タバコ」
こんにちは。
すまです。
患者さんや利用者さんを支援させていただく際に意外な好敵手がいます。
それが「タバコ」です。
統計をとったことはありませんが、若者の飲酒や喫煙離れが進む中でも、当事者の中には喫煙習慣のある方が割合いるように思います。
タバコを吸う方からよく聞くのは、イライラを落ち着かせたり、リラックスさせたり、ストレス解消、集中力を回復させるといった目的でやめられないと聞きます。
精神疾患を抱える方においては、発症前から含めてストレスが何らかの発症の要因だったと考えると一定数喫煙される方がいるのもうなづけます。
健康問題という観点からも心配されるところではありますが、昔と比べて値段がかなりあがっている為にコストは相当なもの。
喫煙習慣(本数など)が変わらない人も多いため、金銭的なやりくりではかなり生活を圧迫される方も多いです。
食費など生活維持のためのお金よりも優先される方も少なくありません。
ストレスの対処法として長年愛用している上、体に依存させる物質も入っています。
ですから、禁煙や本数を減らすなどの行動を、意思だけに頼ることはナンセンスです。
吸うことによって得られている効果を何らかの方法で埋める手立てもセットで考えなければならないです。
加えて公共の場での禁煙はもうある種の社会のルールに。
賃貸アパートなどでも、喫煙は厳しくなってきています。
これが福祉の入所施設やグループホームへの入居を目指すとなると厄介な場合があるのです。
タバコ自体は基本的に施設内は禁止と今はなっていると思います。施設によっては所定の喫煙スペースをつくっているところもあるでしょうが、ルールの中で楽しんでもらうことが大切です。
うまくコントロールしながら、ルールを守って楽しむ分には全く問題ないと思います。
しかしながら、収入と求めるタバコの量が見合わない場合や、人からもらいたくなってしまったり、お金を借りたくなってしまったりします。中にはシケモクを拾って補おうとしたりする方も中にはいらっしゃいます。
タバコがないと苦しいからです。
こうしたことから同居者同士は勿論、近隣の人達も、そのような懸念がある人の受け入れには消極的です。
タバコには健康、お金以外にも火の心配もあります。
殆どの住まい(賃貸アパートでも、グループホームでも入所施設でも)では、入居者が他にもいる場所において、そのようなリスクのある生活をする人の入居は極力避けたいと思うと思います。
タバコはその人の生活の一部になっていて、その人が1日を過ごす上で大切なパートナーとしていたりします。
否定はしませんし、タバコによってうまくストレスをコントロールしながら活用できていれば全く問題ありません。まして、合法な商品です。使いたいという気持ちは尊重したいところです。
しかし、人によっては生活全体の歯車がうまく行ってない時に、原因の一つにタバコとの付き合い方が意外と大きな課題として立ちはだかることがあるのです。
そうなってくると、タバコは悪のように見えきてしまうことがあります。
健康
お金
対人トラブル
安全管理
etc
タバコという、たった一つの存在。
しかし生活のあらゆる場面において懸念をつくる存在でもあります。
支援させていただく上では『コイツさえ居なければ...』と思うことはよくあります苦笑
(これは喫煙されている支援者さんより、喫煙しない支援者の方が強く思ってしまいがちな感情だと思います😣)
患者さんや利用者さんにとって味方であるタバコと、私たちも上手く付き合っていきたいところ。
個人的な感情は切り分け、タバコによるメリットとデメリットを利用者さん自身がしっかりと理解された上でこれからのタバコとの付き合いを考えてもらえたら、、と日々奮闘中です。
利用者さんからすると、自分から大切な存在を奪おうとしているようにも聞こえてしまう話題です。
一向に会話が噛み合わない時も正直あります。
かと言って無理強いし、やめてもらうのも違います。
私たちにそのような権限はないのです。
「意思決定支援」という言葉が最近の福祉の実践の中ではトレンドになっています。
「意思」とは何なのだろうか。
「決定を支援する」とはどういうことなのだろうか?
この漢字6文字におさめられた支援の困難さ。だからこそ専門性だとも言えると思います。
この好敵手「タバコ」について考えることは、意思決定支援という課題であることと同時に、自分たちの存在意義になりうることを私たちに教えてくれます。
この好敵手と、これからも向き合っていくぞーー。
と、自分自身を奮い立たせるべく、今日はこのような投稿をあげてみました。
今日もお読みいただきありがとうございました。
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