見出し画像

予算と見積もりで、計画的な制作を。

脚本家・壽倉雅(すくら・みやび)でございます。

20年ぶりに、お札の肖像画が変わりました。20年間見慣れてきたお札から、いきなり新しいものに変わり、まだ見慣れない感が否めません。
ですが、思い返せば20年前も、それまでの肖像画からの変更で、当初は違和感があったと思います。
特に、1万円札は夏目漱石が1000円札、新渡戸稲造が5000円札の頃から福沢諭吉が肖像画をやっていたおり、2期にわたって1万円札のシンボルを守ってきました。

今日は、そんなお金に関するお話をしたいと思います。


予算管理をしっかりと行うこと

舞台にせよドラマにせよ映画にせよ、何かを作るにあたっては「製作費」が必要になります。
出演者へのギャランティ、監督費、脚本費、プロデュース費、衣装代、技術代、備品代、食事代、広報費、交通費……ピックアップするとキリがないぐらい、様々なところに費用が発生します。

『どんぶり勘定』という言葉がありますが、中にはその言葉の通り、予算管理をせずに、どんぶり勘定で次々と手を出して、後になって『赤字』『払えない』という杜撰な管理をするプロデューサーもいます。

現に以前、私が一緒に仕事をしたプロデューサーは、予算がないからと見積もりまでしたにも関わらず『イベント保険』の加入を断りました。通常舞台公演などでは、キャストやスタッフ、観客の万が一のために『イベント保険』への加入は必須かと思いますが、このプロデューサーは「大丈夫だろう」「うちで全部の保障のための予算なんか出せるわけがない」と言う始末。
そんなことを言うなら、予算を確保するための資金繰りをそもそもしないといけません。宣伝や企画出しだけがプロデューサーの仕事ではありません。根本的に予算を確保し、質の良いエンターテインメントをキャストやスタッフが提供できるように、環境を整えることがプロデューサーにとって重要な仕事です。
ですが、企画やアイディアを出している=プロデューサー、ととんだ勘違いをしている輩がいることも事実です。偉そうな口を聞いておきながら、現場の指揮は全て制作スタッフに丸投げで、自分は何もしない、なんて人もいます。
エンターテインメントにおけるプロデューサーは、人間としての質が問われると私は考えています。そのためには、ちゃんとした制作環境ができるような予算組みを立ててほしいと思います。

対価は、しっかりと払うべき

先日、Xで以下のような投稿を発見しました。

以前、脚本で携わった舞台で、「チケットの売れた分がギャラだと思え」とプロデューサーに言われて、すごく違和感がありましたが、この投稿を見て、ようやく腑に落ちました。
そう、チケットバックは『ギャラ』じゃないのです。チケットバックは、あくまでチケットを売った利益であり、仕事として出演者へ支払われるギャラとは別物です。
しかし、何をはき違えているのか、チケットバックをギャラと思っているプロデューサーもいるわけです。実際私は、友人や知人を集客できなかったら「その程度の関係なんだ」と人間関係を否定されました。 ギャラという概念がないうえに、主催兼プロデューサーは「使ってやってる」という視点でキャストやスタッフを見ていました。世の中には、こんなプロデューサーもいるわけです。

また、こんな投稿も先日発見しました。

これも、以前仕事をしたプロデューサーがしていたことなのですが、発注して納品した後に、「このクオリティじゃ支払えない」「本番中にミスしたでしょ」と、揚げ足を取るように発注先に、見積もりの金額から半額の値段を支払ったこともありました。

とにかく、私が一緒に仕事をしたプロデューサーは、二言目には「金がない」と言っていました。金がないのなら、資金調達を根本的にしなければ……。それなのに、資金調達をしているような動きは見受けられず、結局チケットを売ることで製作費を稼ぐという、訳の分からないことを始めました。

どんな状態であれ、仕事をしたギャランティは、対価としてしっかりと払うべきなのです。会社で、仕事をしている社員に一円もお金を払わなかったら、それは給料未払いで大問題になります。
ちなみに、このプロデューサーからはまだ40万近い、経費の立替分や製作費やギャラを支払ってもらっておりません。先方の代理人弁護士に催促の連絡を何度もしていますが、ここ2ヶ月経っても何の音沙汰もありません。そろそろ本格的に戦ってやろうかと思っています。

===

カクヨムで、エッセイを平日に更新しています!

Film Buyerで、毎週火曜日作品アップしています!

脚本のお仕事、絶賛募集中です! お問い合わせは、こちら!sukuramiyabi.office@gmail.com

過去実績(本名時代からの実績含む)のサイトは、こちら!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?