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終わり方は「カシオペアの丘」が教えてくれる

あなたは本当に幸せに終わりを迎えることが出来ますか?

不安な人は「カシオペアの丘」を読んでください。

きっと、登場人物が大切な事を教えてくれます。



読みたくない本に出会った事ってありませんか?

人によって読みたくない理由は様々だと思いますが、私が「カシオペアの丘」を読みたくなかった理由は死に向かってゆく描写が生々しかったからです。

重松清さん作の「カシオペアの丘」は主人公が終末癌に侵されて行く中で、自分の過去と向き合うストーリーとなっています。

私は初めて読む為知らなかったのですが、重松さんはノンフィクションの作品も手掛けているようで、非常に病気の描写や痛みの描写がリアルに書かれていました。

正直に言うと、上下巻に分かれるこの作品の半分を読み終わる前に、私は2度この作品を読む事を辞めています。

しかし、辞めた後も本棚に座っているこの本を、読まなければいけないなと思わされてしまうのです。

「この主人公の人生の終わり方を知らずに終わってはいけない」と、使命感とはまた違う何かに後ろを押されながら先ほど読了しました。


この本では、登場人物達が過去に起こった事を許しながら、強くなっていく描写が描かれています。

死を通じて過去を知る事、過去を許す事、そして誰かを許す事の大切さと難しさが分かります。


きっと、本当の終活は胸のしこりをなくすことで終わるのではないか、若輩者ですがこの本を通じてそう思いました。

本について書きたい事はたくさんありますが、書ききれる内容でもないため、是非手に取って最期の瞬間を迎えて欲しいです。

https://www.amazon.co.jp/カシオペアの丘で-上-講談社文庫-重松-清/dp/4062766302

大変失礼ですが、これほど読む事が苦しかった本は初めてです。

しかし、これほど読み切って良かったと思えた本も初めてでした。

重松さんありがとうございます。



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