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スマホ水没事情3


どうも!
まだまだ冬服スコウスです。


私のスマホちゃんはとうとう
画面を明るく光らせることが
出来なくなってしまいました。



3. まっくろくろすけ



なぜ私の人生はいつも
複雑になっていくのか。


シンプルな人生を送りたいものだ。



黒い画面から音がなんとなく
聞こえてくる。


目を一番細めて
よーく見てみる。


なんとなく、
うっすらアプリ達が見える。


変なのやヤラシイのが起動しては
まずい。
怖いからSIMカードは抜いておく。


おっと!
たまに画面が明るくなる。
今だ!
バックアップだ!
写真を全部!
ボイスレコーダーで録音したものも全部!
あとはなんだ!
あまり無かった。


このタイミングで入院中の母から
LINEが来た!
なんだなんだ?
「持って来て欲しいものがある。
目薬と胃薬と本。冷蔵庫の・・・」


あっ!
また画面がまっくろくろすけ!


電話してみよう!
まずSIMカードを差して
Bluetoothイヤホンを繋いで
音声アシスタントに話しかける。
「OK!Google!母に電話!」

「ハ・ハ 二 デンワ シマス」


プルルルル。
掛かった!
母が出た!


いつ爆発するかも分からない爆弾(スマホ)を
顔の目の前に置いているなんて。
ソルジャーとしては失格だ。


「LINE見てくれた?いつ来れる?」


「いやちょっとスマホが壊れてしまって。
水の中につけてしまって。
多分もうすぐ電話も出来なくなるだろうから。」


「わかったわかった。電話屋さんに行ってからで良いよ。
こっちの用事はいつでもいいからね。気を付けて。」


電話を切ってから、気が付いた、


・スマホが死にかけている事
・母に物を届ける事


この2つは全く別の問題だ。


よく気が付いたぞ!スコウス!
これならマイクロソフト社の入社試験にも
受かるだろう。


私はまたSIMカードを引っこ抜いた。



この後2日間、
情報も連絡も全く来ない日々を過ごした。
肩こりが治り、体が軽くなった。


なんて爽やかなんだろう!
人生は諦めも大事である。


ついでにパソコンを見るのも
やめてみた。


何もない無人島に想いを馳せる。


久しぶりに空を見て雲の形を見た。
空の色の具合やら遠くにある山々の景色を
眺めた。


私がいなくなった世界は
あっという間に私の穴を埋めて
何も無かったかのように
ずっと流れ続ける。


砂浜に書いた文字のように。


こんなに詩的にセンチメンタルに
なれるのなら
たまには、この無人島に来ても
いいかも知れない。



諦めた私にとっては
「爽やかな無人島」
しかし、人によっては
「閉ざされた牢獄」
に感じるかも知れない。


私はリセットされていく心で
優先するべきは母の用事であることに
やっと気が付いた。
(普通の人はすぐ気付く)


その日の仕事終わりに実家に行き
冷蔵庫にキンキンに冷えた目薬と
胃薬を手に取り、
本屋に行って本を買ってから
病院に行った。


今はコロナの影響で面会は禁止。
看護師さんに渡してもらうという形で
母と会うことは出来ない。


私は看護師さんに袋を渡して言った。
「あの、携帯電話が壊れたから
連絡できなくなったって
伝えてもらえますか。」


看護師さんは笑顔で消えていく。
5分くらいで戻って来た。


「お母様に携帯電話の事をお伝えしたら
『やっぱりな』っておっしゃられてましたよ。」


「あ、ありがとうございます。」


電話が無くても伝わるものだ。
人伝い。


鳩でも飼おうかな。


今度の日曜日に
修理屋さんに行くか
伝書鳩屋さんに行くかで
悩んだ。



〜またまたつづく〜


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