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長期米国債ETF(EDV,TLT)の【短期】投資戦略


はじめに

 先週のCPI発表、パウエル議長の議会証言を受けて、短期的には上昇トレンドになっています。6月以降は、200日移動平均線を挟む展開が続いています。自身のシナリオでは、200日移動平均線をサポートに、今後は上昇トレンドを維持していくとみています。前の記事と買いポイントは変えていないですが、結論$73前後で購入できれば良いかと思っています。

6月の米CPIは予想下回る

 6月の米CPIは予想を下回り、市場は9月の利下げをほぼ確信しました。

  • 6月消費者物価指数(前年同月比) 予想:3.1%に対して、結果:3.0%

  • 6月消費者物価指数(前月比) 予想:0.1%に対して、結果:-0.1%

  • 6月消費者物価指数(コア指数)(前年同月比) 予想:3.4%に対して、結果:3.3%

  • 6月消費者物価指数(コア指数)(前月比) 予想:0.2%に対して、結果:0.1%

 CPIの前月比が、マイナスとなるのは2022年7月以来のことです。インフレが着実に低下していることがこの結果からわかります。このCPIの結果から、市場は9月の利下げを約9割織り込みました。

CME FedWatchツールより引用

パウエル議長の議会証言

 7月の9日と10日に上院、下院とで議会証言が行われました。やはり利下げ時期についての明確な発言はなく、今までのスタンスを崩さない内容でした。
 しかし、一部違う点として、高いインフレ率のみが我々が直面しているリスクではないとしました。これは労働需給がやや怪しくなっていることから、景気悪化のリスクを意識し始めているものとみられています。
 つまりFRBは物価の安定だけではなく、雇用の安定にも目を向けていく事を示唆し始めていることが考えられます。

大統領はトランプで決まりか⁉

 トランプ前米大統領が7月13日、ペンシルヴェニア州バトラーで開いた支援者集会で演説中に撃たれました。

YAHOOニュースより引用

 幸いトランプ氏は無事でしたが、衝撃的な事件でした。特に市場は、この事件で混乱する様子はみられませんでした。いろいろな憶測がありますが、ひとつ言えることは、この事件でトランプ氏の印象はよく映っているということです。つまり大統領選でトランプ氏は、前回のテレビ討論会に加えて、さらに一歩リードしていそうです。
 米大統領がトランプ氏となれば、財政拡大とインフレ再燃への警戒で、金利上昇となる可能性があり、債券ETFにとっては向かい風となります。

米・6月小売売上高

 本日、7月16日の21時半発表です。
 小売売上高は、米国の個人消費の動向を表しています。特に米国は個人消費がGDPの約7割を占めており、他の先進国より高い傾向にあります。よって、個人消費の動向が景気全体に与える影響も大きいため、注目度の高い指標となっています。

MINKABUより引用
MINKABUより引用

 前回値は、予想を大きく下回りました。今回も数値次第で金利は大きく動くと考えられます。結果には要注目です。

  • 6月小売売上高(前月比) 予想:-0.3%

  • 6月小売売上高(自動車除く)(前月比) 予想:0.0%

テクニカル的な買い時を探る

株探より引用 EDV日足チャート

 先週に書いた記事と大きく変化ありませんが、200日移動平均線付近が買い時かと考えています。7月16日時点だと、$73.25付近です。しばらくはFRB高官の発言や、各種経済指標の発表で200日移動平均線を割ったり超えたりを繰り返すのではないかと考えています。
 直近配当利回り(税込)は4.21%です。なかなか良い利回りかと思います。

まとめ

 結論$73前後で購入は、前回記事と大きく変わりありません。連続してEDV、TLTの記事を書く理由として、米国債券ETFの買い時はそろそろ終わると考えているためです。今後、米国の景気後退が起これば、株は少なからず下落します。ポートフォリオ内に債券を組み入れれば、株が下落したとしても、ポートフォリオが大きく崩れることがないため、今のような局面では債券を組み入れた方が良いかもしれません。
 未来のことは誰にもわかりませんが、自分は景気後退は起こるシナリオで投資しています。今週から本格的にはじまる米企業の決算、特にカンファレンスコールは注目です。景気後退のシグナルが出ていないか、注意深く確認する予定です。

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