【高配当株投資】長期米国債ETFのEDV、TLTの買い時とは⁉
はじめに
先日、2024年3月のFOMCが開催されました。政策金利は据え置きでしたが、これはすでに織り込み済みでサプライズはありませんでした。また年4回発表されるドットチャートが、1月、2月の強い経済指標とやや上向きとなったインフレ率から3回/年利下げから2回/年利下げと変更になっているのではないかという、予測もありましたが結果中央値では変化なく、年3回の利下げをFOMCメンバーの大半が予測していることとなりました。さらにその後のパウエル議長の記者会見ではハト派よりのものとなりました。市場では好感されダウ、S&P500、NASDAQの3指数共に上昇しました。直近では米国の10年債利回りは一時4.3%まで上昇しましたがFOMC後よりやや下落基調となっています。長期的にみれば米国債はまだ割安圏におりポートフォリオの一部に長期国債ETFなどを組み込んでも良いのではないかと考えています。
主要な長期米国債ETF4選
比較的どこの証券会社でも購入できる長期米国債ETFを4つ紹介します
【TLT】iシェアーズ米国国債20年超ETF
残存期間が20年を超えた米国財務省証券で構成される指数と同等水準の投資成果を目指したETFです。EDVと比べるとボラティリティは低めです。
経費率:0.15%
利回り:3.81%(配当の支払いは1月を除く毎月です。1月分は前年の12月に支払いがあります。つまり、12月は2回配当金の支払いがあります。)
年初来リターン:-5.26%
資産総額 (十億 USD):47.992
【EDV】バンガード超長期米国債ETF
ICE米国国債20年超インデックス(IDCOT204)と同等の投資成果を目指したETFです。残存期間20年以上の米国財務省証券で構成されています。TLTよりボラティリティは高めです。
経費率:0.06%
利回り:3.95%(配当の支払いは4月、7月、10月、12月)
年初来リターン:-7.9%
資産総額(十億 USD):3.143
【TMF】Direxionデイリー20年超米国債ブル3倍ETF
何かと話題のデイリーシリーズのTMFも載せておきます。TLTの値動きの約3倍の動きをします(日ごとのため長期になれば、なるほど動きは乖離します)。下落時のダメージは大きくなりますが、上昇局面で強いETFとなります。つまり短期の順張り投資向けです。そのため、投資初心者の方にはお勧めしません。昨今のレバレッジETFのブームにより金融庁も注意喚起しています。投資を検討されている方は、十分理解した上で投資してください。金融庁のURLも貼っておきます。
レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資にあたってご注意ください
ICE20年超米国債インデックス(IDCOT204)の運用実績の3倍(300%)となる日次投資結果を目指しています。残存期間が20年超で、固定金利、米ドル建て、および連邦準備制度の保有額を除く額面残高が3億ドル以上の米国債で構成されています。
経費率:1.04%
利回り:2.46%(配当の支払いは3月、6月、9月、12月)
年初来リターン:-18.83%
資産総額(十億 USD):4.568
【2621】iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)
FTSE米国債20年超セレクト・インデックス(円ベース)に連動しています。つまり、TLTと同じような動きをするETFです。円で買えるので為替が気になる方は、こちらを検討してみても良いかもしれません。ただ利回りは大幅に低下するのでご注意下さい。こちらのETFは主にキャピタル狙いになると思います。
経費率:0.154%
利回り:2.85%(配当の支払いは1月、4月、7月、10月)
年初来リターン:-7.97%
資産総額:1558億円
3月FOMCの内容は比較的ハト派
FRB(連邦制度準備理事会)の法的使命を確認しておきます。それは、最大限の雇用(maximum employment)と物価の安定(stable prices)です。
今回、FOMCで注目されたドットチャートですが中央値は結果として変わりありませんでした。大半の理事は年内3回の利下げを予測しています。しかし、良く見ると年内利下げ1~2回の理事が増えています。ブラックアウト期間が解除となり、今後理事の発言が増えてきますからタカ派の発言が増えてくる可能性があります。
気になる米国PCE物価指数(前年比)
概ね低下傾向ですが、去年の8月よりCPEの下げは鈍化しています。インフレは最後の2%に近づけるのが難しいとされており、今後も苦戦しそうです。次回のPCE発表は3月29日の21時半です。
2024年3月FOMCでの今年度の予想PCEは2.4%です。つまりここからインフレは中々下がらないだろうとFRB理事らも考えているようです。
失業率のコンセンサスは4.1%から4.0%へ下方修正となりました。
現時点での失業率は3.9%です。低水準のまま推移しており、FRBもこのまま今年度は低水準で経過していくと考えているようです。
以上を踏まえると直近のPCEは鈍化傾向であるものの大きな流れは低下傾向であり、また失業率も完全雇用を維持しており、労働市場も強いことが示されています。このままの状態が続くのであれば利下げはやはり3回となりそうです。そうなると10年米国債金利も3.9~4.0%程度となりそうなので、現時点の4.2%台はやや高いことになります。PCE次第ですが1年以上の長期でみれば、10年米国債金利は3%前半から半ばと落ち着くことが予想されます。
テクニカル的な投資戦略
紹介したTMFを除くTLT、EDV、【2621】iシェアーズ 米国債20年超 ETFは同じような動きをするため、TLTのチャートを参考にしていきます。
92ドル付近が短期的な節目として機能していることがわかります。また、RSIも上向きであり、MACDもクロスしそうです。本日の終値の93.98ドルで購入しても良いかと思っています。短期的な上値は100ドルであるため短期トレードであれば、その辺で一度利確でも良いかと思います。
長期の月足でも確認していきます。
過去を振り返ってみてもかなり低水準であることがわかります。RSIも下向きではありますが38.61と低水準であり、MACDはクロスしたばかりです。2~3年の長期で持てるのであれば今は美味しい水準かもしれません。配当金を貰いながら待つ戦略もありかなと考えています。
まとめ
2024年こそは、債券の年になると思っています。しかし、何といってもインフレと雇用統計次第です。テクニカル上は現時点で購入しても良さそうな位置にはいます。ただ気になるのは、ドットチャートで年内利下げ1~2回の理事が増えていることです。ブラックアウト期間が解除となり、今後理事の発言が増えてきますからタカ派の発言が増え一時的に債券価格が下落する可能性は考えられます。ただ大きな流れとしては利下げ方向であると思いますので米長期債は小額からでも買っていける価格ではないでしょうか。
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