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「鎌倉殿の13人」。変化なき者には容赦ない、世代交代の描き方

「鎌倉殿の13人」放送開始から北条家を引っ張ってきた、北条時政の失脚が近づいている。以下、時政パッパで送る。

※史実に基づくネタバレがあります

9月4日の放送では、執権になった時政パッパの傍若無人ぶり…というか、むじゃきな様子が描かれていた。自分を頼ってきた御家人を贔屓し、咎めた義時にぷんすかする。将軍の代わりに政治を行う立場でありながら、いかがなものかである。

でも、時政パッパは昔からそういう人だった。ここぞというときに北条家を背負う胆力には助けられてきたし、適当でゆるい性格は場を和ませてきた。チャーミングで憎めなくて、「悪い人じゃない」。このキャラクターは、源頼朝をかくまった始まりのときから変わらないが、時代と時政パッパの立場が変わったことで、ズレが生じてしまっている。時政パッパは、北条家の今しか見えていない。

対して息子の義時と娘・政子は、すでに違う景色を見ている。義時は視座が上がって、鎌倉をどうしていくか?を見ているし、政子は遠くまで目を凝らしている。

(Wikiによると)時政パッパが執権になったのは65才前後。今で考えれば、定年の年だ。良い感じでなんとかなってきた成功体験を意識して手放すのはハードルが高いものだし、自分を客観視して「後進に道を譲ろう」も難しい。運良く変化ができた義時と政子、取り残されたことに気づかない時政。時代の静かな容赦なさが怖い。

結果として時政パッパは鎌倉を追放され、再び政治の表舞台に立つことはなかった。このあたりを、鎌倉殿の13人では悲観的に描くのか、それとも「いや、やっぱり惜しい、時政パッパ帰ってきて!」と視聴者に思わせるような描き方になるのか、それとも…?で、とても楽しみである。ワンチャン畠山生存ルートも捨てきれない。


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