SNSから離れられない私なりのデジタルデトックス
連休や週末になると、時折「この機会にデジタルデトックスしたら気持ちよく過ごせた」なんて投稿を見かけることがある。期間限定でスマホやPCと距離を置いて、ゆったり内省したり、これまであまり見ることがなかった景色を眺めるのは心身の健康に良さそうだ。そうは思っても職業柄、私にはあまり現実的ではないなあ、と感じ、チャレンジすることがなかった。
ところが、この1か月で、以前よりグッとSNSを眺める時間を減らすことができた。何より、SNSを見て心がざわついたり、必要以上に他人を「いいな」と羨むことがほとんどなくなった。
触れる時間も減ったし、自分にとって心地いい情報しか目に入らなくなったので、つい見てしまっても「時間を無駄にしちゃったかな」という罪悪感がない。
更に、以前よりグッと快適なSNSライフを送るようになったら、開ばすぐ、心地よい情報だけが自分の目に入り、気持ちが満たされるせいか、SNSからさっと離れられるようになった。
長時間SNSを見ていた時は、自覚しないうちに心がザワついたり、何を見ても満足できず、無意識に「楽しさ」や「自分を満たしてくれる何か」を求めダラダラとタイムラインを眺めていたのだと思う。
完全にゼロにしなくても、多少のデトックスで気分良くSNSと付き合うことはできる。今のところ好循環だ。
この1か月で試したことは3つ。
※主にInstagramとTwitterについて取った方法。どちらもほとんど投稿はせず情報収集のためにフィードを眺めているのみである。
1)調子が悪い日でも気持ちよく眺められるジャンルを見つける
これはTwitterやInstagramで別アカウントを作って「自分が落ち込んでいる時見ても傷つかない投稿」だけを集める、というだけ。すぐ始められる簡単な方法。
ウォーキングを始めてから花に興味がわき、自宅に花を飾ることを楽しむうちに、Instagramで花の活け方や可愛い花瓶を探し、素敵な花屋さんやフラワーアーティスト、花好きの人をフォローするようになった。美しい花の写真ばかり眺めていたら、ふと、「花の投稿はどんなにダウナーな時に見ても心地よく感じるな」ということに気づいた。
Instagramは基本、おしゃれでポジティブな投稿が多いけど、その分、身近な知人や素敵な著名人の投稿と自分の生活を比べて落ち込んだり、必要以上に羨ましい気持ちになることもある。調子の悪い時に過剰摂取すると自己嫌悪に陥るSNSだ。
私の場合、花の他に、インテリアや家庭料理、お菓子作りの投稿は、落ち込んでいる時も穏やかに眺めていられるので、そういう投稿だけをフォローする別アカウントを作り、その日の調子によってアカウントを切り替えて見るようにしてみた。
ちなみに、Twitterでも一時期ハマったアーティストの推し活用アカウントを作っていた時期もある。これもファン達が推しのこんなところが好き!今度これに出るらしい、過去のこの作品やインタビューがよかった、などという、新参者にとっては有益でときめく情報しか並ばないタイムラインで、毎日エネルギーをもらっていた。
推しについてはまた別投稿でまとめたい気もするが、推しであれ、ペットであれ、ひたすらキュンとさせてくれる存在は、すごい吸引力と輝きを放って日々を充実させてくれる。
とにかく他者と比較せず、ただただ「いいなあ」と癒されたり「素敵だな」と思えるジャンルを見つけてそれだけに特化する。猫やきれいな風景、自分が好きな海外の街やホテル、美術館のアカウントなどもいいかもしれない。
2)フォロー数を減らす
1)でいつ見ても自分にとって心地いい別アカウントを作ったことをきっかけに、どんなに有益な情報を発信するアカウントでも、時に心をざわつかせる可能性があるものは今の自分にとって不要だと気づいた。ならばと、アカウントからフォローをどんどん削除し整理したら、別アカウントを持つ必要がないくらい元々のアカウントが快適になった。
これには実は、もう一つきっかけがあって、星占いで有名なyujiさん(ご本人の肩書は「星読み係、ヒーラー」)がPodcastで、Twitterのフォロワ️ーは何人まで、と決めていて、新しい人をフォローする際はその分今の自分にとって必要のない方を外すようにしている、という話をされていたのを聞きハッとしたからだ。
改めて確認したら、私のInstagramフォローは1500を超え、Twitterは500ほどあった。いくらなんでも多すぎだ。
いっときの興味でフォローしてしたけれど、そのままにしていたアカウントが多く、減らしても減らず「何でこんなにフォローしてたんだ!?」と驚いた。
目に見えないデジタルの世界は、リアルにスペースを狭めるわけではないから、気軽にフォローを増やしてしまいがちだが、改めて整理したことで、その分必要な情報だけが目に入る快適なスペースとなった。何だかごちゃついていた部屋を断捨離したら空間が広く見え、風通しがよくなった、みたいな感じ。
3)一番長く触れるデバイスからアプリを削除する(他は残す)
普段、私は、プライベート用と仕事用のスマホ2台を使い分けている。
1)と2)だけでも十分快適になったので、それ以上のことをするつもりはなかったが、ある時、プライベートのスマホに入れたInstagramのアプリの調子が悪く、一度削除してダウンロードし直してみることにした。
が、削除してみたら、Instagramを見る時間が更に減ったので、これはいい!と思い、以降そのままにしている。
帰宅してから、手に取るスマホはプライベート用のものが主なので、わざわざ仕事用スマホを取り出してまで見よう、とならない。無意識の習慣のような行動を辞めるにはごく小さな障壁が効く。どれだけものぐさなんだ、と思うが、そんな自分の性質に初めて感謝したくなった。
これは、夜中にお菓子が食べたいけど家にない、という時にわざわざコンビニに買いに行ってまで食べるか?ということと似ている気がする。
デバイスを複数利用している場合、試しに、そのうちの一つから思い切ってアプリを削除してみる。意外と困らないものだな、ということに気づいたらしめたもの! 接触機会を物理的に減らす、というのは有効な手段かもしれない。
小さな「心地いい」を少しずつ拡大していくデトックス
3つの方法はいずれも「デジタルデトックスしよう!」と意気込んで始めたわけではない。
それでも、ほんのちょっとの積み重ねがこんなに快適さをもたらすとは予想外の喜びだった。
0か100か、で考えていたらきっとできなかった。
何かを改善したい時、ヘルシーではないジャンクな習慣ほど、少しずつ毒抜きしていくように、できるところからあっちこっち試してみるといいのかもしれない。
強制的にアプリの利用時間を制限する設定など、便利な方法は他にもあるけれど、「我慢」より「心地いい」を少しずつ追求する方が新しい習慣はストレスなく続けることができると知った。
SNSは本来楽しいもの。そこからワクワクする情報や未知の出会いもたくさん得てきた。これからも時にはふと、利用の仕方を見直して、いい距離感で使っていきたいと思っている。
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