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(全文公開)「生理」が当たり前に知られ・受け入れられる社会がいい

女性という身体的な性を授かり生きるものが、10~13歳になると迎えるのが「初潮」。そう、生理(正しくは月経)だ。私はたしか小学校5年生のときだった。当時90年代、スマートフォンは普及しておらず、パソコンも我が家にはなかった時代。本や雑誌が大好きだったわたしは、恐らくそのどこかで得た知識でその現象を割と冷静に理解した。起こった場所も家だったことも幸いしたのだと思う。幼くとも勘は働くもので、母親のナプキンの在処を探し当てそこから1つ拝借し、使い方がよく分からず雰囲気で下着に装着した。恥ずかしくてなかなか言い出せなかったが、半日ほどたってようやく母親に報告した。それからずっとの付き合いになるわけだから20年以上、生理はやってくる。正直、ないならないほうが良い。体調は悪くなるし、温泉・海・プールなど“水系”の予定には気を使うし、寝る時も寝間着や布団につかないかとハラハラする。厄介なのが、(私の場合)ぴったりこの日からこの日というのはなく、突然訪れることだ。

なぜこんなことを書き出したのか。
かなり前の記事になるが、先日偶然友人のリツイートでこちらが流れてきた。
『ホームレス女性が生理をどう乗り越えるか、考えたことありますか?』

衝撃だった。「考えたことなかった」からだ。
身体が子を授かるための準備が生理であり、それは歳を取り身体がその役目を終了したとするまで続く。環境などによるストレスで止まったり不定期になることがある。また、ピルという薬を用いて周期の調整はできるものの、もちろん無料ではない(何なら個人的には高い)。ホームレスだろうと何だろうと、身体が女性である限りほぼ生涯付き合わなければならないのだ。

生理用品がなかったらどうするのだろうか。
海外渡航時も、めちゃくちゃたくさん生理用ナプキンを持って行った。突然なったときも日本であれば即コンビニに駆け込んだりする。しかし、なかったら…?災害時は…?

新聞紙、靴下、靴の中敷き、古い紙袋、古い布…
これらが使用されているという。
「経済的な理由で生理用品が買えない「生理の貧困(Period Poverty)」という言葉は海外で深刻な社会問題として取り上げられ、ここ数年の間に多くの国で無償で提供する法改正や軽減税率などの取り組みが始まっている。」

社会問題は1つの切り口でも非常に多岐に渡る。SDGsに当てはめると「貧困」と言えば目標1(貧困をなくそう)・2(飢餓をゼロに)に注目されがちだが、更に幅を拡げて知り考え行動していかなければならない。例えば「生理の貧困」であれば、目標5(ジェンダー平等を実現しよう)・6(安全な水とトイレを世界中に)・11(住み続けられるまちづくりを)も関わってくる。どれか1つの目標を理解し実行しているだけでは、真の解決には至らない。

ちなみに最初の記事に書かれている、当時「カミオンズ・オブ・ケア」という名の非営利団体は、現在「ピリオド」と名称を変えホームレス女性に対してだけではなく、事業も若者のリーダーシップ促進にまで幅を拡げ現在も活動を続けている。

「生理の時に衛生的に過ごせることが当然の権利になり、特別なことでなくなった時、私たちの仕事は終わります」
そう、カミオンズ・オブ・ケアの記事に書かれていた。
まさにこの通りだと思う。非常にデリケートなことではあるが、「生理」が当たり前に口に出せて理解される、そんな社会であってほしい。

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