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唐鳳氏に学ぶ、脱・二元論的思考。

何かとニュース等で話題になる台湾の「デジタル大臣」である唐鳳氏。
コロナウイルス渦中の「マスク在庫管理アプリ」によって、あらためてその名が知れ渡った。

唐鳳氏は、トランスジェンダーであることを公言されている。

トランスジェンダーは、LGBTの「T」にあたる。
「生まれた時の性別と、自分自身が心で感じている性別や生きていきたい性別が異なっている人」
のことだ。
一括りにトランスジェンダーといっても、
男性から女性へと性別を移行する人をMTF(Male To Female)
女性から男性へと性別を移行する人をFTM(Female To Male)
と分けられるし、
トランスジェンダーの中にも「L」(レズビアン)や「G」(ゲイ)など同性愛者の方もいる。
(実際、一括りにされると嫌がる方もいる。それはそうだ。私も、「女性」と一括りにされるのは好まない。)
ジェンダーはまさに十人十色だと言える。

さて、話を唐鳳氏に戻すと、
“少数派に共感を示し、「すべての側面」を見るという自身の政治手法は、
トランスジェンダーというアイデンティティーに支えられている”
“私たち(トランスジェンダー)は二元論的思考をしないから、やりやすいこともあると思う”
とAFP(フランス通信社)の取材に対して述べている。
https://www.afpbb.com/articles/-/3293789

『我思う、故に我あり』で有名な哲学者デカルトが「二元論」の提唱者だとされるが、
その思考自体は善・悪、敵・味方、強者・弱者…
生物界に生きる限りはるか昔から存在し、根付き、切り離せないものであるとも言える。
二元論的思考が悪である、とは言い切れない。
しかし、それにより不和や差別が多く生まれているのも事実だ。

「誰ひとり取り残さない」を掲げるSDGs。

SDGsの目標及びターゲットには、「LGBT」の文言は出てこない。
しかし、
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
目標10「人や国の不平等をなくそう」
目標16「平和と公正をすべての人に」
にはLGBTに対する差別の撤廃や平等公正な機会の提供が掲げられているとされている。

文言が「出てくるか・出てこないか」ではなく、
目標の真意を個々人が考え続け、その意味を拡げ、「誰ひとり取り残さない」ことに一歩でも近づけることが重要ではないかと思う。

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