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アクション映画にも飛行機にも興味のない私が「トップガン:マーヴェリック」に胸熱になる理由

トムちんの圧倒的勝利。これぞ劇場映画、エンターテインメント!

「トップガン:マーヴェリック」見てきました。

正直言うと私は映画は大好きですが、アクション映画も飛行機も興味がありません。前作も「一応有名な映画なので見ておくか・・」というノリだけで見ました。

なんならトム様に対しては、最近完全にアクション俳優となってしまった彼に少々冷ややかな目さえ向けていた私・・・

しかし、しかし・・・・!「トップ・ガン:マーヴェリック」とても面白かったです!

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まだまだ現役で体をはるトム様


これぞ映画、これぞエンターテインメント。トムちんの圧倒的勝利を目の当たりにしました。
ごめんね!トムちん。貴方はやっぱり映画史上に残る正真正銘のスターです(土下座)

いやあ・・・・トム様って本当に映画が大好きなんだなあ、飛行機が大好きなんだなということが作品からひしひしと伝わってきて、その熱意に感動しました。

「この映画は空を飛ぶことへのラブレターだ」とトムも言っていましたね。

もうね、ほんとにね、トム様の飛行機愛、映画愛に打ちのめされました。


※以下、本記事はネタバレを含んでいます。

胸熱その1:何か目新しいことをしていているわけではないのに面白い

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故・トニースコット監督を意識したような、逆光を利用した映像美が印象的

いや、普通に考えて1986年の映画をそのまま2019年(当初の公開予定年)に再現したら古臭い感じになると思うじゃないですか。音楽にしろ映像にしろ、ださくさい感じになるのでは・・と私は思っていたのですよ。

ところが不思議なことにそのまま再現しているオープニングを見て「うわ、かっこいい!!」とテンションが上がってしまいました。何だろう、これは。

ストーリーは至ってシンプル。前作を見ていなくても理解できるよう、親切丁寧に分かりやすく作られている。撮影技術やIMAXで、ということは別にしても、映画的に何か新しいことをしているわけではないように見える。どちらかと言えば古典的なストーリー展開。

なのに面白い。
「映画っていいなあ」という観終わった後のどこか懐かしい感動。

考えてみれば1990年代までは映画ってそういうものだったのかも。奇をてらった脚本やCGを使った現実離れしたアクロバットではなく、もっとシンプルで分かりやすいものだったはず。

「トップガン:マーヴェリック」のそのオーソドックスなスタイルは、同じくCGを使わずコロナ禍でも劇場公開にこだわったクリストファー・ノーラン 監督の「TENET」とは対照的で面白いと思いました。どちらも映画というものの魔法を信じ、信念を持って映画作りをしている、その熱意は同じですが。


胸熱その2:パイロット=古典的な映画としてのメタファー、今映画館で公開される意味

そもそもこの映画、当初2019年公開だったのが、もろもろの事情+コロナが理由で公開が3年延びたらしいです。しかしそのことにより、奇しくも本作の持つ「映画」としての意味がより大きくなっています。

飛行機のパイロット = 滅びゆくもの 
それは、映画におけるCGを使わないリアルな人間の演技であり、「劇場映画」そのものということにもつながっている。

コロナでオンライン配信が台頭し、次々と古い劇場が閉鎖へと追い込まれていく この数年の潮流。これから先、劇場映画というものはもしかしたら消えゆく存在なのかもしれません。

しかし、

「そうかもしれないが、それは今日ではない(But Not Today)」 

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・・・・トムちん・・・!(号泣)

いろんなメディアや批評で既に言われていますが、この「トップガン:マーヴェリック」は昔ながらの映画作りにこだわるトム様そのものなのであります。


胸熱その3:ストーリー(脚本)のここが好き!



いろんなところで絶賛されている今作ですが、実際アメリカではどんな反応なのかな?と興味本位でrotten tomatos(アメリカの映画評論サイト)を検索したところ・・・満足度驚異の99%。

トマトが批評家、ポップコーンが観客評価です。

え、そんなことある?と二度見してしまいました。

ちなみに1986年版の評価は以下の通り。

そう、前作はとにかく批評家に評判が悪かったという印象。まあアクション映画にはありがちな評価ではありますが・・。

しかし今回はそういった脚本上の弱点を丁寧にクリアしている。それが成功の大きな要因だったのではないでしょうか。前作ではただのサービスシーン(ビーチのシーンやラブ)に見えた場面もちゃんとストーリー上で重要な意味づけをして蘇らせている。

ビーチのシーンは、チームワークを育てるため、ペニーとのラブも今まで孤独だったマーヴェリックが人から学び教えられ成長する、という大切な役割をしています。

あ、ビーチの裸祭りわちゃわちゃは大好きなシーンです。また入れてくれて本当にありがとうございました(合掌)でも、それもストーリー上の大切な意味があるからこそ、あのシーンがさらにエモくなっているのだと思います。

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若者に負けずに裸祭りに参加するトムちん。それがカッコよく決まっているからやばいわ・・!

また、ラブがメインの前作とは違い、仲間の絆や人の成長や葛藤を中心に描いているところも好きでした。

軍隊なのに、なぜか「絶対に仲間を死なせない」というスポ根精神。いや待て、実際の軍隊はそんな甘かないだろ(笑)とは思いましたが。良いのです。だからこそ、この映画が戦争映画や海軍勧誘映画ではなく、純粋にエンターテイメントとして楽しめる所以なのです。

そしてゴリゴリの肉食系男子ではなく、女性とオタクが活躍するというのも今どきっぽく、ただの古き良き懐古映画となっていないところも好きです。

私はキャラ的にはフェニックスとボブが一番好きですね。

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ボブにもうちょい活躍させてほしかったかも
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フェニックスはベタにメンバー内の誰かとラブが発生するとかいう設定がなくて、それも良かったよね


あと最後に若いハングマンが美味しいところを持っていくというのも興味深い。
ロートル(トムちん&F-14)でも「まだまだ若者に負けない!」という気概は良いが、ある程度は太刀打ちできても「やっぱり気持ちと腕だけでは、限界がある」という現実もちゃんと描いている。

「若い力や新しいものも必要です」っていう落としどころもつけているということ。ただのおじさんの郷愁ロマンやトム様俺々に終わらないところ。

もしも、最後トムちんだけが活躍して終わっていたのなら、私はこんなに感動しなかったと思います。

胸熱その4:配役が神。

配役について。

90年代映画好きな私としてはジェニファー・コネリーとエド・ハリス、ヴァル・キルマーが出てきた瞬間にテンションが上がりました。みんな、最近はあんまり見かけなくなったけど、どうしてるの?元気?という同窓会的な感じ。

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若い頃のジェニファたん、美しすぎてまじ生きる美。

ヴァル・キルマーの病気のことは知らなかったけど、作中での設定に「これは絶対にリアルな彼の状況を反映しているんだろうな」とすぐに察することができました。

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今作でも続く熱い男の友情にも涙

胸熱その5:「トム・クルーズ」という生き方

この映画の話を友人にしたところ
友人「へ~主演は今度は誰がやってるの?」
私 「トム・クルーズだよ」
友人「え??また???」

・・・・そうですよね。私も続編ができると聞いたとき「新しい主演は誰だろう、トムも友情出演で出たりするのかな」と思いました。いいえ、バリバリ主役でした。

でも通例、昔のスターが同じように出るとやっぱり普通は前作と比べて見劣りがするものではないですか?
しかし、それを力技で超えて来たトムクル様。本当にブラボー。

実は私、トムに対しては今まで少し複雑な思いを抱いていました。

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私は前作リアルタイム世代ではないのですが、もともと古い映画が好きということもあり学生時代に映画評論を勉強していた時、アメリカン・ニューシネマから90年代までの映画を大量に観ていました。

その中で好きな作品が「レインマン」(1988年/アカデミー賞:作品賞・主演男優賞他受賞)

「トップガン」(1986年)のあとの映画ですが、当時のトム様、若手の中でも演技派と目され、アカデミー賞に絡む良作にたくさん出ていたのですよね。「ハスラー2」「7月4日に生まれて」「フュー・グッドメン」「ザ・ファーム/法律事務所」などなど。私はこの頃のトムの作品がとても好きです。

ただ「M:I」シリーズ以降、アクション俳優街道を突っ走っている感がどうしてもぬぐえず、かつ熱血オレオレキャラというイメージがメディアによってついてしまい、そういうトム様を微妙な感情で眺めていた我・・・本当にごめんなさない。

ただ熱い男であることだけは間違いなく、映画のアイデアが浮かんで来たら真夜中でも監督に電話してしまうトム。スタンリー・キューブリック監督の同じシーンを何100回も撮るという鬼スパルタにも全然めげなかったトム。

コロナ禍での新作撮影で感染対策のルールを守っていなかったスタッフに対してガチ切れしたことは、もはや美談です(私の中で)

 記事よると、トムは2メートルのソーシャルディスタンスのルールを守らなかったスタッフを発見し、怒りに声を荒げたようだ。

 リークされた音声では、「俺たちがいるから、ハリウッドでは今この時も映画を作ってるんだ! 俺たちと、俺たちがやってる事を信じてくれてるんだよ!」「だからもう二度と(ルール違反は)見たくない。またやったらクビだからな! もし他のスタッフがやっても同じだ。お前も、お前も、お前もだ」と、怒りをぶつける声が聞こえる。

 続けて、「夜には、すべてのスタジオや保険会社、プロデューサーたちと電話しているんだ。僕たちを信頼して、彼らの映画を作らせてくれてるんだよ」「映画産業がシャットダウンして、家を失った人たちに顔向けできるのか。食費も出ないし、学費だって出せないんだ。俺はそんなことを背負って、毎晩寝てるんだよ。映画産業の未来をだ! だから、謝罪すら受け入れられなくて申し訳ない。すでに言ったし、何度でも言う。俺が望む事が出来ないなら、辞めてくれ。この映画をシャットダウンさせはしないんだ! わかったか!?」と、興奮気味にまくし立てるトムの声が捉えられている。

「クランクイン」トム・クルーズの切実な思い コロナ対策ルールを破ったスタッフへの激怒に賛否両論


そんなに熱くならなくてもええやん・・と思ってしまうこともありましたが、それが「トム・クルーズ」という生き方であり、在り方なんだなと。

そして「トップガン:マーヴェリック」で大きな賭けに勝ち、世界を圧倒させているトム様。

そのまま大好きな映画というジェット機に乗って、スター街道をどこまでも突っ走っていって欲しい。今回、素直に思いました。

追記:好きな舞台裏エピ

その熱い思いを若い世代に引き継ぎつつあるトムちん。でもきっとまだまだこれからも現役でがんばるよね・・!



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