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お金を払って農業を手伝う~梅部~

山口揚平さんの著書を題材に
「時間主義経済」と「記帳主義経済」の話を書いたのですが

実は、その両方を組み合わせたテストケースに招待してくれた女性がいます。International Federation of Organic Agriculture Movements Organics International(”アイフォーム”、国際有機農業運動連盟。以下IFOAM)でアジア代表を務める福井佑実子さんです。

彼女は、神戸市内某所で暮らす、私にとっては数少ない「互いの家にご飯を食べにいけるご近所さん」だったのですが、いまは同じ兵庫県下とはいえ、まったく環境のちがう丹波に引っ越してしまいました。

国金に事業計画書を提出して民家を取得。
がっつり改装(ソーラーパネル発電、キッチンスペースを農産品の加工所にして許認可取得、庭で家庭菜園&養蜂などなど)したうえに、梅林も譲り受けて、「みんなで一緒に梅の木のオーナーになりませんか」と。
それが、梅部なのであります。

オーガニック/有機農業では昔から
「産消提携」
といって生産者と消費者が提携し農や食を育むスタイルがあったそう。消費者が一定区画にお金を出し、生産者とともに農産物を育て、収穫をするといった運動もありました。「〇〇トラスト」と呼ばれるようなものです。

お金を出したからといって手にする農産物の量の保証はありません。いわば、「天候リスクも含めたお買い物」です。
一方で、草取り、収穫などプライスレスな体験を通じて、農の現場を知ることができます。

「うめ部」はまさに梅トラストのウォーミングアップ版。

これからはつくる人も食べる人もお互いさまで自分たちの「食」を守っていく時代です。消費者から参画者に変わっていきましょう。

という呼びかけに、10数名が集まりました。

初めての青梅収穫やら、久々の梅仕事に夢中になりすぎてしまい、肝心のスタートの話を今日まで書いていなかった……申し訳ございません。

1万円ちょいの部費(年間)と、通帳製作費を支払って部員としてエントリーし、facebookグループに集まって活動中です。

梅が実って収穫する年間を通じた栽培体験ができる部活的な試行です。
2021年度は5月スタートだったので
 青梅の収穫→梅酒、梅シロップ作り
 完熟梅の収穫→梅干しづくり
 剪定(夏)
 草刈り 4月〜10月随時
 剪定(冬)→草木染め
みたいなスケジュールの中で、参加できるものがあれば現地に赴く、参加の有無や回数に関係なく、収穫したものは分けてもらえる(地方発送もOK)権利あり
ってな感じでやってきました。

ちなみに、福井さんがオーガニックな人なので
梅の栽培に農薬は使用しません。無農薬での栽培となります。

収穫した梅は、できるだけ「お金で販売」をしないでね

というお達しが出ていたので
はちみつをつくっている友人と物々交換

 

したり、お譲りはする変わりに梅仕事の様子をレポートしてもらうなど、できるだけ「コミュニケーション」が介在する形でシェアしました。

また、丹波にいる福井さんは
農作業手伝ってもらった
野菜をわけてもらった
草刈りしてもらった
ごはんを提供した
といったことを通帳に手書きで記録して、お金でない「ありがとう」のやりとりを実験しています。

地域通貨の変形って感じですが
「街の人がどこまで貨幣以外の循環に参加できるかわからないけど、試してみたい」
といって、神戸市東灘区の岡本という高級住宅街に週1ペースで店を出し、野菜や栗を販売したり、それらを使ったワンコインランチや、シェフのお料理教室、味噌づくりなどのイベントを行っています。
シェアキッチン「ヒトトバ」の岡本店)

そして、
「ただの◯◯ペイみたいな電子通貨にしたくない」
と、アナログ記帳にこだわっています。
でも、通帳のデザインは可愛いものにしたいから……と、丹波に移住したプロの女性に依頼済みとのこと。
手元に届くのが楽しみですね~

なんでも、通帳型の「交換リング」を目指しているそうでして、その仕組みについて知りたい方は、こちらの動画をどうぞ。

梅部が、どんなふうに続いていくのかは未知数です。
楽しかったことも、改善が必要だと感じたことも、可能な範囲で皆さんにシェアしながらレポートを書いていきたいと思います。

来年度はどんな形になるかわかりませんが、
とれた梅で保存食つくるもよし、ご近所さんや遠く離れた家族・お友だちにお裾分けするもよし、ワークショップを主催するもよし、商品開発するもよし(なにしろ、加工所もあるのですから!)

楽しみ方は部員の自由です。


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