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イベントレポート from TheDECK「インボイス」に無関係の事業者など、いない。

「適格請求書発行事業者の登録番号が決まったら、お知らせください
ってハガキが来たんだけど・・・これってどうすればいいの?」
 
同じ媒体で仕事をしているフォトグラファーさんから声をかけられたのは、今月の上旬のことでした。
いわゆる「インボイス」への対応が始まったというわけです。
昨年あたりから、頻繁に耳にするようになった「インボイス」。
 
フリーランスにとっての実質納税! 死活問題!
 
などなど煽り気味の報道もチラホラみかけるので、そろそろ専門家の話を聞かねば・・・と思っていたところ、大阪・堺筋本町にある
ものづくりもできるコワーキングスペース「TheDECK」
で無料セミナーがあると知り、参加してみることにしました。
 
イベントのページはこちら。

 今回のnoteでは、イベントで教えていただいたポイントと、それを翌朝のTwitterスペースでシェアした際のリスナーさんたちからの反響を、あわせて書くことにします。

※ただし、まだ確定していないことも多いので、国税庁の公式サイトなどで情報のアップデートを確認していただくことをおすすめします(こちらに記載していることは、リンク先の紹介も含め2022年10月27日現在のものです)。
 
 直訳すれば「請求書」。そのココロは、消費税の取りこぼし防止!?

10分ほど遅刻して会場に飛び込むと、講師である中央会計の信岡大輝さんが、ちょうど核心のなかの核心、みたいなところをお話しされていました。

今回話題になっているインボイスは「消費税」の話です!

そうなんです。これまで個人事業主につきものの税金といったら、「源泉所得税」だったと思うんですよね~。でも、インボイスは消費税の話。
経費や仕入れなど、こちらが支払うときも
原稿料や日当など、こちらがもらうときも
いずれにも関係がある税金です。つまり、事業を営んでいる人で、インボイスとは無関係の人はいませんよ、と念を押しておられました。

さて。
その消費税の中でも、インボイスで気にかけるべきは
「誰に対して支払いをするか」についてです。相手によって、支払消費税を控除できるかできないかが、変わってくるからです。

・・・すでに、何のことかわからなくなってきている人がいると想像するので、図が載っている資料を。
私の安否確認朝ライブのリスナーさんが、実際に参加した説明会で使った資料だそうです(大阪の門真納税協会)

出典:門真納税協会 「適格請求書等保存方式の概要」の前に!!

https://www.nk-net.co.jp/kadoma/pdf/invoice/inv-2.pdf

聴講しておられるときの反応と、セミナー後の交流会で名刺交換をしてお話した印象として、参加者の多くは「消費税納税を免税されている事業者」だと思います。かくいう私もそうです。
もっとバリバリ働いていたときは、(対象になるのは2期前の)課税売上高が1000万円を超える法人だったので、めんどくさ~ と思いながら消費税納税に行っていたこともあったのですが、幸か不幸かいまは稼ぎが少ないので免税されています。

私のような状態の事業者に支払いをするクライアントさんにしてみれば、
インボイスを発行しない相手に支払いをする
  👇
仕入れ税額分は控除できない
  👇
支払いの総額は変わらなくても、実質的な仕入れコストが上がってしまう!
という結果になります。

さぁ、ここで、冒頭のフォトグラファーさんのお話に戻ります。
ハガキを送ってきた出版社さんの
「適格請求書発行事業者の登録番号が決まったら、お知らせください」
という内容が
「私たちは、適格請求書発行事業者とお取引するために登録番号を調べています。もちろん、あなたは、インボイス発行の登録をしますよねぇ?」
という声に聞こえてくるのは、私だけではないでしょう。

信岡さんのご説明を聞く限り、選択肢は次の3つです。
①インボイス対応をしない(が、もしかしたら、クライアントからよく思われないかもしれない)。
※クライアントさん側から登録を強制したり値下げの圧力をかけたりするのは、またこれはこれで問題(公正取引マター)のようですが。
②経過措置をにらみながら、インボイス対応をしないで、価格の交渉をする
(双方にとって損のない落としどころをさぐるわけです。ただし、クライアントさんも自分も、制度をしっかり把握しておかないと難しそう)
③インボイス対応をして納税する。

国としてもクライアントとしても、全員が③にしてくれればベストなのだと思いますが、インボイスを発行するには
課税事業者になる届出(1年・1期単位)のみならず、適格請求書発行事業者になるための登録申請(届出日から有効)が必要という煩雑&難解さ。

加えて(まだあるんかい!)
本名(屋号やペンネームではなく)や住所などのデータをダウンロードされる可能性があるということが一部の報道され、身バレを嫌う個人事業主さんたち(音声配信界隈では、声優業の方に多いとのうわさを聞きました)から見直しを求める声が出ているようです。

これまた安否確認ライブのリスナーさんが教えてくれたのですが
「インボイスで公表内容について見直しか?」
https://www.tohoren.or.jp/taxinfo/2022100316545.html
という動きも。

最後に「?」が付いているとおり、
確定した話ではありません。今後も情報をアップデートしていく必要がありそうです。

私が参加したセミナーでも、やはり自宅の住所を知られてしまうことや、わざわざビジネスネームを使っているのに本名が公表されることを懸念している人が多かったです。

副業やフリーランスを応援するような空気がある一方で、その気持ちが引いてしまうようなルールも多くて(電子帳票の話もしかり)、なんだかモヤモヤしますね。セミナーをきっかけにつながっていただいた皆さんとも情報交換しながら、最適解を探していきたいと思います。


#インボイス
#フリーランス
#コワーキングスペース







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