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大卒より高卒の方が稼げる地域がある!?うわ、住む場所と仕事選びは真剣に考えないとヤバいな。。
『年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学』がすごくいい本だったので共有します。
印象的だったのは、「年収上位都市の高卒者は、下位都市の大卒者よりも年収が高い」ということ。
そうなるのはなぜか、これから説明していきます。
かつては、工場(箱)で働くことが高給の条件だったが、、
本書では、住む場所によって年収が変わる例を、アメリカをもとに説明されていました。
40年前、年収が高かった地域は自動車などのものづくりで栄えた、クリーブランドやデトロイトでした。
当時は、大きな会社の工場があり、そこで働けばいいお給料がもらえました。昔は、工場のような箱(ハード)がある地域で働くことが高給の条件だったのです。
しかし、工場で行われる作業は誰にでもできるものなので、もっと物価の安い地域へ仕事が移ってしまいました。
そうしたことから、デトロイトでは仕事がなくなり、いま年収が高いのは、ITなどハイテク産業が集まる地域になったのです。
年収は働く施設でなく人間の能力に依存
そして、ITのようなものを作らない産業では、工場のようなハードよりもソフトが大事になります。つまり、年収は施設でなく人間の能力に依存されるようになったわけです。
教育レベルの高い住民が多いと、地域経済のあり方が根本から変わる。
住民が就くことのできる仕事の種類が増え、労働者全体の生産性も向上する。その結果、高学歴の働き手だけでなく、学歴の低い人の給料も高くなる。
地域に教育レベルの高い人が増えるほど、その地域で働く人の年収は上がっていくわけですね。
教育レベルの高い人がいれば、その都市の生産性は上がる
また、都市における年収についてはこんな話も。
都市の高技能労働者の割合と低技能労働者の賃金の間に関連があるのは、以下の三つの理由による。
第一は、高技能労働者と低技能労働者が相互補完的な関係にあることだ。高技能の働き手の数が増えると、それ以外の労働者の生産性も高まる。優れた機械を使って働くと労働者の生産性が向上するのと同じように、教育レベルの高い同僚と一緒に働くと、高い技能をもたない人たちの生産性も向上するのだ。
第二の理由は、教育レベルの高い働き手がいると、企業が新しい高度なテクノロジーを導入しやすくなることだ。
そして第三の理由は、都市の人的資本のレベルが全般的に高まると、経済学者で言う「人的資本の外部性」が生まれることである
このように、優秀な人間が特定の地域で働き、彼をサポートするための雇用を生むことで、そこで雇用された人間の生産性が高まっていくというのです。
教育レベルの高い人に囲まれているだけで、経済的な恩恵を受けられる
ちなみに、「人的資本の外部性」とは、教育レベルの高い人が周りの人に良い影響を与えていくこと、そしてその影響がどんどん広がっていくことです。
これは、ノーベル経済学賞受賞者のロバート・ルーカス氏による論文で提唱されたこと。
ルーカスによれば、人と人が交流すると、その人たちはお互いから学び合う。その結果、教育レベルが高い仲間と交流する人ほど生産的で創造的になる。教育レベルの高い人に囲まれているだけで、経済的な恩恵を受けられるのだ。
これによって、豊かな国と貧しい国の格差が生まれるんだとか。
地方に工場を作るだけで地域の年収は上がらない
こうした事実からわかるのは、地域で働く人たちの年収を上げたいのならば、その地域に教育レベルの高い人を送り込めばいい、ということ。
これまでのように、大きな会社な工場を誘致するだけじゃダメなんですね。優秀な人から教育が必要になるわけです。
こうしたことは、昨今の地方創生にも言えること。
ただ単に、箱物を作って地域を盛り上げようという発想は間違っていて、地域の教育レベルを上げるために何かやろうという発想でなければいけないのです。
そんなことを、『年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学』から学びました。
名著ですので、ぜひ読んでみてください。
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