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愛車との別れはタイヘンで切なかった。

自転車を処分した。

去年一度しか乗らなくて(もう乗ることないかもな)と思ったから、マンションの駐輪場を今年は更新しないと決めていた。

自転車、便利なんだけどものすごく頭をつかう。以前書いたこともあったけど(おおっ、懐かしのアメブロ)

わたしは目的地にいかにロスタイムを少なく、いかにヒトの邪魔にならず走らせるかを常に考えながら自転車をこぐので、疲れるのだ。
ゆっくり走らせたいよ、わたしだってゆっくりゆらゆら目的地を目指したいよ。だけどダメなのだ。走らせてるうちにわたしの中の何かが目覚めてしまい、気づけば効率最重視で走らせてる自分がいるんだ。

チャリこいで脳が疲労しきって、他のことなんも考えられなくなってたらダメじゃん、ってふと思ったんだよね。

そんなわけで、アメブロ書いてる頃は大活躍だったマイチャリは、マンションの駐輪場(月極)にひっそり置かれてるだけになった。

今年の正月明けに管理人さんから書類がきた。駐輪場の更新についてのものだった(駐輪場は年払いなのだ)。
(来た、この時が来たんだ)
わたしは思った。今こそチャリを処分するときだ。朝の出勤時、少しだけ家を早く出て、わたしは管理人さんにもう更新はしないことを告げた。

さて。自転車をどうしよう…

駐輪場を更新しないことがゴールなのではなく、そこから自転車を撤去することが最終目標だということに、そのときわたしはやっと気づいたのだった。自転車に限らずだが、買い替えだったら新しいものと引き換えに引き取ってくれたりするけれど、古いものそれだけを処分するというのは本当に難しくて、それはわかっていたハズなんだが自転車ってなんか、粗大ゴミともちょっと違うし(粗大ゴミでも受け付けてくれるらしいけど)ちょこっと捨てられるものでもなくて、なんだか日が経つにつれわたしは憂鬱になってきてしまった。

区のホームページをみていたら、まだ乗れる自転車は回収してくれる場所があるらしく近くまで行ってみたのだがどこなのかわからない。しかもわたしの自転車、一時期の激しい労働のせいかサドルが片側破れている。ホームページには「まだ乗れる自転車を回収し、リサイクルします」と書いてあって、サドルが破れてる自転車がまだ乗れるのかどうなのか、定かじゃない。電話すればいいじゃんって思うかもしれないけど、その勇気が出ない。だってもし「それはムリに決まってますよね」なんて、鼻であしらわれてしまったら、ちょっと傷つく。傷つきたくない。気弱なオバサンだから傷つきやすいのだ。

そんなかんじでモヤモヤしながら日が経ってしまい、そうこうしているうちに、マイチャリが空気を入れてもすぐへこんでしまうことに気づいてしまった。ダメだこりゃ、これはもう、間違いなくリサイクル不可の自転車だ。わたしは気を取り直して別の道を探り始めた。

自転車 処分

なんて検索をかけると、リサイクルショップの案内がたくさん出てきて
「一台でも引き取り可能!」
なんて書いてあったりする。わたしは意を決してその中のよさげと思われるお店に申し込みのメールを送った。自動送信メールで「後ほど担当者より連絡をさせます」と送られてきたが、何日待っても連絡は来なかった(そしていまだに来ていない)。

いよいよ焦ってきた。わたしは3月1日にはあの駐輪場を手放さなければいけないのだ。なんてことだ。こんなにギリギリまで放置しておくつもりはなかったのに…
(こうなったらしれっと放置自転車みたいに置いとくか)
などとよからぬ考えが頭をよぎる。しかしそれで登録証から身元がバレてしまったら…なんてみっともないんだ、それはダメだ、じゃあどうしたら…

わたしはふと、近所の、マイチャリを買った自転車屋さんに相談することを思いついた。自転車売るとこで処分をお願いするのはアリなのかなぁと思ったのだけど、自転車屋さんなんだから何かは知ってるだろうと思った。でもどうしよう、処分はするけど一万円かかりますとか言われたら…。一万円じゃ考えちゃうけどまあ、数千円は覚悟しようと、わたしはハラを決めた。この時代、処分にカネがかかるのは仕方のないことなのだ。

わたしは会社帰り、少しドキドキしながら足を運んでみた。近所とはいえ普段はほとんど通らない場所である。小雨の降りしきる中、でもだからこそ今日は空いてるだろうとわたしは思った。いつも忙しそうにしてるから、そうじゃないときのほうが親切にしてくれるかも…と思った(ちっちゃい)。

予想通り、お客さんはゼロだった。わたしはおそるおそる「あの…乗らなくなった自転車、処分してもらえますか?」と聞いた。あまり愛想のよくないそのスタッフさんは「…円かかりますけど」とおっしゃった。やっぱり!
カネかかるんだ、てか処分してくれるんだ!さまざまな思いが交錯したが、値段をちゃんと聞いとかんと、と思ったわたしは「え?いくらですか?」と聞き直した。するとなんと「1680円です」とおっしゃるではありませんか!!え、や、安いじゃん!!それまでのモヤモヤが一気に晴れる回答にわたしは(よし、いますぐ持ってこよう)と、店をでてチャリを取りに向かった。

急にやってきた、マイチャリとの別れ。小雨も降ってるし別の日に…とわたしも思わないでもなかった。しかし、そうはいっても3/1まではあと少し。だったら少しでも早く手放してスッキリしよう。なによりあのオニイサンの気が変わらないうちに持っていきたかった。いや変わんないだろうけど。

お店についた。登録抹消の手続きをしてお金を払って、わたしは最後の別れを彼(彼女か?)とすることなく慌てて出てきてしまった。あぁ戻ってきちんと別れの挨拶をすべきだったか、でもなぁヘンなオバサンって思われるだろうなぁ…

モノとの別れにあまり感情が動かされることが最近なかったのに、やけにチャリとの別れがつらくって、
(今日はビールでも飲みながら笑える映画か泣ける映画をみよう)
と思ったのだった。

(ちなみに画像みたいな気持ちいい場所に将来住むなら、また自転車に乗ってもいいかもなー)

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