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テレワークの“いす養生”

お灸堂のすきさんこと鋤柄です。普段は患者さんの治療を行いつつお灸と養生をお伝えする仕事をしています。仕事や生活をするうえ切り離せない“座る”ということについて消耗が少ない“いす養生”をしようね。というのがこの記事の主旨です。

養生とは

まずはじめに養生について簡単に説明をします。養生とは読んで字のごとく“生(いのち)を養う”ということ。保護したり守ってあげたりするという意味があります。私たちは普段の生活でちょっと油断をすると気をつかい過ぎたり、働き過ぎたりしています。どちかというと“生を養う”よりは“生を削っている”人の方が多いのではないでしょうか。忙しいのはもちろんわかります。しかし過ぎるが一定の基準値を超えると身体は悲鳴をあげて強制ストップモードの病という状態に入ります。そうなる前に上手に養っていこうね、というのが養生というライフスタイルです。

いす不養生

昨今の事情によりテレワークへ移行する企業も増えてきました。通勤、通学もなく自宅で作業をする場合、オフィスで働くよりも座る時間が長くなることが予想されます。最近では「テレワークするようになって息がつまる、肩がこる」なんて声も聞こえてきました。簡単なようで日々のルーティーンが変わるってのはなかなかすごいことです。

近年では「座りすぎる」ことに関するリスクも明らかになりWHOでは予防できる死因の第4位にもランクインしてるのだとか。座りすぎたり、正しい座り方をしなかったりする“いす不養生”によって起こるリスクの一例をあげると以下の通りです。

・呼吸が浅くなる
・頭がぼーっとする
・ストレスを感じやすくなる
・首、腰が痛くなる
・カラダがかたまる
・正しい姿勢がとりにくくなる
・スタイルが悪くなる…etc

上げていくときりがないですが、なにしろ良くなさそうということが分かって頂けると思います。

“いす養生”の基本

まずは正しい“いす養生”について簡単にご紹介させて頂きます。

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・浅く腰かける
・両足はきちんと地面につける
・膝の角度が90°になるように調整
・体重の60%は坐骨結節に40%は足裏にのせる
・背筋を伸ばすより土台を安定させる
・ひじ掛け、背もたれは使わない
・座面は固めが安定してよい
・30分毎に立って動く

こうして並べてみると「座るのって案外むずかしいな」というのがおわかりいただけるかもしれません。特にポイントになってくるのは体重のかけ方です。子供の頃からの癖で足をブラブラさせてしまう人が多いかもしれませんが足元に体重をかけて安定させないと背骨は伸びにくくなり結果猫背になります。必ずしもオフィス用の高級な作業イスは必要ありませんので、まずは身体のサイズにあった椅子を探すのが先決です。(ちなみに私はイケアの丸椅子を使っています。高さも丁度です)

自宅で“いす養生”

以上を踏まえて自宅でのいす養生を考えると以下のようになります。

・自宅ならいっそイスより床で作業をする
・一番安定するのは蓮華座(瞑想のポーズ)
・無理ならあぐらか正座でもOK
・イスは固めがグッド
・ソファは作業には不向き(働くイスと休むイスは別)

動く機会が少なくなりやすい自宅作業の場合は30分毎に立って動くというのはぜひ意識して頂きたいポイントです。(集中力はそもそもそんなに長続きしないので適当なところで動くのがパフォーマンスを維持するためにも必要です。)

テレワークは“いす養生”で。生(いのち)を養っていきましょう。



#リモートオフィス

お灸とデザインの人。お灸治療院のお灸堂、お灸と養生のブランドSUERUの代表をしています。みのたけにあった養生ってどうすりゃいいの?という課題に向き合う毎日です。