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お花を育てています

 農家の端くれとして、ここ15年ばかりお花を育てています。よく問われるのは、食べるものでない、必需品でもない、花に無関心な人から見れば納得の問い掛けかもしれませんが、それでも私は黙々と花を育てています。もちろん販売すればお金になりますので、そこは大きなモチベーションの一つです。現代社会にお金は大事です。ただ果物や野菜よりお金になるかといえば、おそらくならないように思います。

 基本的にお花というのはギフトなんですよね。ギフトだから、贈られると嬉しかったりします。ご自身のためにお花を買われる方は、ご自身へのご褒美であることも多いです。一昔前は、仏壇へ飾る仏花の需要が多かったですね。ご先祖様への供養花は、自身の心を穏やかに、清らかにしてくれます。ただ現代は、仏花を飾る文化そのものが失われつつありますね。そもそも仏壇のない家が増えたり、購入者の高齢化であったりと、要因は様々ではあります。

2枚目の写真は、食べられるお花(エディブルフラワー)で束ねたミニブーケです。

 私自身もいろいろと悩み続けて、そもそも何故お花を育て続けているのだろうかと、自問自答を繰り返してきました。本質的に、お花は人の心に寄り添って価値の生まれる農産物だと思っています。誰かが誰かを想い、その心をお花が伝え代弁してくれているように思います。お花をもらって嫌がる人は少ない(特に女性)かと思います。

 今、真剣に取り組んでいることは、様々な状況の変化(家族構成や、社会情勢の変化)の中で、状況にフィットしたお花の提案です。仏花やブーケの切り花の素材として、レストランやパーティーの食材として、ギフト用途の食用花の加工品として、誰かの心に寄り添える「花」を育て続けて、それを私の仕事にしていきたいと思います。

Suki Flower Farm
長野県佐久市

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