ピカミィ引退、ミライアカリ引退、三星ナナミ引退から「英断と先見性」を語る

人気VTuberが次々に引退している話をしたい。

三星ナナミ氏の1本目の動画の導入を何となく観ていたら、「鵜飼の鵜」が直感に浮かんだ。

彼女が引退する理由はいくつかあった。(個人的解釈含む)
①この先数年続けてもどうなるか分からないし、人が減ったらまた病みそう
②20代後半、外に行っても何もできないからその前に手を打ちたい
③ガワも権利も運営が全て持っているから、最後には自分には何も残らない

そしてその中で本質を見抜いている人のコメントがあった

引退を褒めるべきか?

この決断できるの凄い! → 辞めるだけで偉い言われるのは草→1度挑戦した事に見切りをつけるのは勇気が必要

皆は、「白いたい焼きブーム」「唐揚げブーム」「ナタデココブーム」等のリアルなブームと衰退を体験したことあるだろうか?

流行と定着は違う。定着はジワジワ売れて、認知度が上がりある一定で飽和するまでゆっくりと上昇して落ち着くのに対して、流行は必ず「衰退」が来る。

今のVTuberというかVLiver界隈、皆が思っている通り「飽和状態でかつスパチャ疲れ」が来ていると思う。

もうオワコン、飽和、スパチャしなくなった、見ててもつまらない等々。
いつかはブームが終わって「通常に戻る」のである。

小説家、漫画家、音楽家、VTuberなど、創作活動をやって一度プチバズをした経験があるクリエイターならわかるだろう。
創作にだって流行と衰退があり、「衰退の前に見切りをつける」のがどれだけ大変であり、勇気がいる事か。

三星ナナミ氏が言っていた「ガワや権利は全て運営で、いつかすべてを失う」ことを知っていた。この先見性がとてもデカい。
17Liveという「スパチャ特化した配信サイト」もやっているのだが、月100万かせいでいるライバーは多数いる。だが、やっているのは基本雑談配信で、「感謝bot」に近いものがある。
そして時間拘束が強く、正直自分は、VLiverブームが終わって残るのは「金と思い出だけ」じゃないか? と思った。

17Liveには専属契約があり、還元率が高い代わりに権利などは胴元の17Liveが持ったり、他の配信や創作に制限がかかっている。
要は、三星ナナミ氏が言っている「運営が権利を持っていて、最後には何も残らない」のとほぼ同じなのだ。

個人勢になったkson氏のように、権利も利益も全て自分のもの! となるならまだ救いはあるかもしれない。それでも、ブームの縮小と過当競争と参入による視聴者奪い合いで疲弊したり、利益が落ちたりする。

「スパチャ疲れた」「もうお金ない」「引退しまくっているのに赤スパとかださくね?」「美味しい食事食べた方が有意義」みたいに、消費者が徐々にブームに辟易して目覚めた時が、通常であると自分は思っている。

三星ナナミ氏は、その消費者の離脱やブーム終焉によって、ただ雇われた存在として再生数と登録数のノルマに追われる日々の未来を「予見したうえで引退決意した」のだろう。

スラムダンクで言う、山王と言う最強に勝った絶頂期に終わらせる。それを決断するにはとても勇気がいる事。
グダグダ続けて駄作になるより、その余った時間を次の作品に向ける事、そちらの方が良かったと思うから行動しているのだ。

三星ナナミ氏にとっても同じで、鵜飼の鵜として5年続けて数百万得ても、飛ぶことができなくなり、最後は鵜飼主によって若い鵜と入れ替えるだけなのだ。

定年で魚を取れなくなった鵜は、飛ぶことができなくなり、餌も貰えなくなり餓死するのだ。その未来を知っている鵜は、絶頂期の若くて稼げた頃、そして落ち目が見えたその瞬間に「脱出」するのである。

じゃあ個人勢ならよくね? と思うかもしれないが、無名から積み上げて
成功するのがどれだけ大変か、やればわかると思う。
成功する頃には、Youtubeが破壊されるような新しい概念と仕組みができていて、手遅れだったとなるから厳しいと思う。

創作活動をやっている方は、常に流行を意識して、絶頂期に引退して別のチャレンジをする、そういう生き方を意識して欲しい。
50年前と違い、これだけ文化や技術が激変する今においては、「変化に順応して常に先の先を観る」ことが生き残る術なのだ。

ミカミィのケトル音が聞けないのはホント哀しいよ……

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