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昭和の映画で学ぶ人情!

自粛期間が延長し自宅での過ごし方が辛くなった最近、動画配信サービスをよく活用しているsukemaruです。

今回、ようやく見終わった超大作の映画の感想を書こうと思う。

私は父の影響で小さいころから映画をよく見て育った。

当時月曜~日曜まで毎日ロードショーが地上波でやっていた!生まれる前からの映画がほとんどでしたが、当時洋画を中心に放送をしていたので、ハリウッドスターや俳優の出演映画だった。

その中でも子供ながらに爆破や特撮などアクションを中心に好んで見ていたので、邦画は小さな私にはちょっとつまらなく感じていた。

30代になり昭和の邦画は人の気持ちの移り変わりが映像の激しさや分かりやすい演出ではなく観ている側の受け取り方で作品の感じ方が違ってくるなと思っています。

そこで、超大作として観たのが「男はつらいよ」シリーズだ!

小さいころよくテレビで放送していたのは知っていたが、アクション映画で派手な演出を観ていた子ども心に男はつらいよはちょっと早すぎたと感じる。

なぜならば主人公フーテンの寅さんは人生経験が豊かすぎるからだ!

子どもは働くことや社会的立場やもちろん恋心なんてものは経験したことがないし、寅さんの生き方なんてものは難しかったんだろうなと思う。

今改めて「男はつらいよ」を観た時とっても心に響くものがあるし、自分の祖父や祖母などを思い出しながら心が温まる。

そして、今は芸能界で大御所と言われる俳優や女優さんの若かりし頃の姿を見るのも実は楽しかったりする。ちょい役で出ている出川さんを改めて作中で見つけると「出てたんだぁ~」とほっこりしてしまう。

改めて作品を観て、調べてみることもある。まずは言葉だ!

今では聞きなれないし使う人もいない(笑)

「渡世人」という言葉をよく寅さんは使う「それが渡世人のつれ~とこよ」と渡世人ってなんだ?と調べたら定職につかないヤクザ者という意味が出てきた。「今でいうフリーターみたいな感じか」と思ったり。

「一人旅で寂しくなった時も風にあたってると飛んでいくんだ!」とか「風の吹くまま気の向くままってやつだよ」とか田舎で東京に上京したい若者には「柴又のとらやという団子屋を尋ねな、俺の家のもんが良くしてくれる」って今の時代じゃ考えられないし、昔より便利になった世の中だけど、息苦しさや仕事を忘れてそっとほぐしてくれる作品です。

そして、寅さんと言えば神社や観光地でのたたき売りだ。今でいう的屋を中心に寅さんは日銭を稼ぐ。よく言えばセールスマンだ!

そのセールストークがとても耳についてこれを聞くとちょっとワクワクする(笑)

スラスラと語呂の良い言葉で街往く人を引き留めて「お姉さんちょっと見てって~」と声をかける。それを生業としているプロだからこそ人は足を止めて買ってしまう。

営業職をしている私には共感できるポイントがある。寅さんの妹さくらの息子満男が就職する回だ。

大学卒業を控えた満男の就職活動の一コマで、寅さんは家族団欒の茶の間で「満男!この鉛筆ちょっと俺に売ってみな!」と満男にただの鉛筆をセールスしろと頼む!

「この鉛筆どうですか?鉛筆と消しゴムが一緒になって便利ですよ!」

「いらないです!」これで満男はセールストークが広がらず結局終了…

寅さんはこれを手に取り自分が小さいころに鉛筆を使った時の想いを話し始める。とにかく勉強なんて全然しなかったけど学校行く前の晩おふくろが鉛筆を削ってよく持たせてくれたと、その鉛筆をもって使うのが楽しみだった事、そして手に持った感触やらを話す。

結果満男にも今の新しいものよりこの鉛筆の暖かさが良いではないか!これ使いかけだからまけとくとプレゼンして売りつける。こんな人の気持ちを動かす鉛筆が1本20円安くないか!

これを観た時、寅さんの販売トークは営業の自分でも普段気にしている事だった。

これを使ったらどうなるか?など未来の話や体験を通じてよくなることを話していて、とっても共感した。

小さなころには感じれなかった面白さがそこにはあった。

シリーズは特別編と「お帰り寅さん」を合わせ50作品にも上る。

毎回の大まかなストーリーやオチは決まっているんですが、毎度おなじみな感じが安心するし寅さんやそれを取り巻く人たちの人間味がより分かってくる。

超大作がゆえに出演者が亡くなられることは非常に残念だが、それほど長寿に続く映画シリーズならではである。

それだけ国民に愛された映画だったのだと思う。

1作品を見ただけでは分からないことがこの50作品には詰まっている。作中で観る満男の成長や近所の商店街の住人だ。

この作品で実は寅さんのおじちゃん役は3度変わっている。

もちろん演者さんの体調や亡くなったことによるものだが、そのおじちゃん役も俳優さんによって表情やキャラが変わるのも面白い。

それに同じ俳優さんでも役が違う立場で違う作品に出演しているのを見つけるのも楽しい。

そして何処へいっても変わらぬ寅さんの格好も好きだ(笑)ステテコにスーツに腹巻に雪駄をはいてオランダまで行ってしまうし雨も雪も全部雪駄で過ごすあたりキャラを大切にしているなーと思う。

私も影響を受けてステテコを買ってしまった。こんな衝動買いをしてしまうほど寅さんにハマった。

渥美清さんの記憶がうっすら残っているのは亡くなった時の葬儀の様子だったことを覚えている。

作中癌を発病しながら作品を作っていたことや渥美さん自身寅さんというヒット作品で寅さんでいる事の俳優としての苦しみなど色々調べると出てきた。

今はもうその事実を知ることはないけれど、映画製作のペースにも驚かされる。

年に2本撮影する。1時間半以上の映画でしかも寅さんは北海道から沖縄まで全国を旅する行商人で地方ロケをするのに年に2本も撮影することにびっくりした。

渥美さんの人生はほぼ寅さんだ!テレビドラマも放送していたことも知った。最終回寅さんは南国で蛇に噛まれて死亡して幕引き予定だったが、ファンからの批判が強く松竹が映画化をしたという背景だったらしいです。

ドラマ観てみたいなー

寅さんは喧嘩っ早くて女に弱く、人が困っていたら手を差し伸べるし、見栄っ張りでかっこつけだけどお調子者で憎めない!

そんな人情たっぷりな役に皆ハマってしまう。旅先で出会った女性に一人片思いに盛り上がってしまうが、結果恋愛は成就しない。

実家の団子屋に帰れば厄介者扱いされて、またすぐ旅に出る始末。唯一腹違いの妹さくらはたった一人の兄貴を心配しどこで何をやっているか分からない兄貴の帰りを待っている。

このおなじみのストーリーだが、毎回この後の展開や旅先のエピソードが展開されるのが面白い。

今のご時世CGで映画を作ったり名作と言われる評価の高い映画が沢山発表されているが、昭和の映画も是非見てほしい!大人になったあなたでしか感じることができないものがきっとある作品です。



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