今日書きたいこと

女子ゴルフ2020年開幕戦。渡邉彩香選手の優勝がうれしかった。

 ゴルフを始めたばかりの頃、つまり私が今と変わらず下手くそだった頃に大活躍していた女子プロが渡邉選手だった。リオデジャネイロオリンピックをまっすぐにひたむきに目指していた姿がかっこよく見えた。当時問題視されていたジカ熱について冷静に真っ当な意見を述べていて、ちゃんとした人なんだと思った。当時は出入りの激しいゴルフであまり安定感がある様には見えなかったのだけれど、豪快なスイングととんでもない飛距離でただ頑張ろうという意思はぶれないのだなと思ったし、どうしてか分からないけどものすごく魅了されていた。

 それからの低迷期は、テレビ中継でも見かけることが少なくなって、スコアの速報でも下の方でしか名前を見かけなくて、ちょっと寂しかった。アメリカのツアー予選に出場した時はまだ低迷期だったから、無謀なことをするなと正直思った。でもやっぱりまた優勝争いをする姿を見たかったし、大げさかもしれないけれど、私にとってのヒーローが消えた様な気分だった。

 そして、今回の開幕戦。数年前よりも、ずいぶん落ち着いていた様に見えた。相当慎重に構えている様に見えたけれど、スイングの直前にテイクバックを確認して打つ方向を見るルーティンを欠かさずに、毎回同じ間合いでスイングする様子からは、我々が知らないところで努力した結果スイングを安定させるための課題点が明確になったであろうことと、そして修正のために繰り返し同じ動作が出来るようにひたすら努力を積み重ねたのだろうと感じられた。そして、試合中の引き締まった表情がかっこよかった。プロの仕事人の表情だと思った。

 こんな復活劇があるだろうか、と解説のどなたかが言っていた。渡邉選手の活躍を待っているファンはたくさんいるとも言っていた。私はそのひとりに過ぎないけれど、低迷期を乗り越えた姿を見せてくれたことが思っていた以上に感動したし嬉しかった。努力はうそをつかないことを、フィクションの世界じゃなくて現実の世界で見せてくれて嬉しかった。私の表現は月並みだけれど、渡邉選手が実際に達成した業績は決して月並みではない。真面目に頑張っても損するだけの社会だと思っていたけど、そうじゃないことを見せてくれて、とにかく嬉しい。彼女は周囲の方々への感謝を述べていたけれど、その方々を引き寄せたのには本人に理由があるはず。スポンサーに対するプロとしての意識もちゃんと持っている様子がネットニュースのインタビュー記事から伺えた。人間性が大切なことも教えてもらえたのではないだろうか。

 今日は歓喜の興奮が収まらないまま書いてしまった。いつもだったら、さすがにもう少し冷静になって推敲してから記事を公開しようと思うはずだが、今日はこの嬉しさと興奮を書いて、そして私にとっても嬉しい記念日として記録に残したいと思った。

 渡邉選手の優勝は5年ぶりだそうだ。その頃、渡邉選手は21歳。今の黄金世代とかプラチナ世代とか言われている人たちが20歳とか21歳だから、渡邉選手の1回目の全盛期の頃だ。その当時、彼女が今の黄金世代くらいに若かったといわれると違和感がある。黄金・プラチナ世代の近い将来がどうなるか分からないが、ぜひとも長きに渡り活躍できるよう研鑽を重ねて欲しいと思った。真剣な、引きしまった心地よい緊張感をまとった表情のプロを見たい。

 やっぱりスポーツはいいな、と改めて感じた。本気で頑張る姿は美しい。いつかツアーが無観客試合じゃなくなったら、今度こそ実際に見に行ってみたい。

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