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ほこりに思う

 私の相棒である犬は、野生時代の習慣を忘れていない。その一つとして、時折床やソファ、布団をおてて(前足)でホリホリする。なお、我が家の床は厚さ約1cmのジョイントマッを敷いているから傷はつかないのでその辺は大丈夫。
 先日夜のこと。テレビ台として使っている高さ50cm程の小さな机の下に相棒が入り込んでいた。相棒はそのくらい小さい。程なくして奥のすみっこの辺りをホリホリしだした。ホリホリするときはいつも無心に一生懸命になっている。しかし、テレビ台の下でしかも奥まったそこのところまで掃除が行き届いているはずがない、ましてやめんどくさがりの私が。私は相棒に優しく言った。

「そこにはホコリしかないからやめとけ。」

相棒は振り返るや、ホリホリを止めて素直に出てきた。そしてボールを探しに行った。ちゃんと掃除をしたまえ飼い主よ、と言う話だが、ふと気づいた。

"ホコリとは、埃だけど、誇りもあるな。”

ギャグか?いや、我ながらちょっといい表現じゃないか。誇りしかない、なんて、表現は若者っぽいけどでも内容は素晴らしいじゃないか。
 誇りしかないよ、ごみなわけないじゃん。そう思える仕事がしてみたいものだ。


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