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コリン・ウィルソン『来世体験』死ぬ間際、僕は自分の不甲斐ない人生を許し、慈しんで最大の幸福感を得るだろう

概要

多重人格・分割脳研究・転生・憑依・体外遊離・臨死体験・死者との交信・宇宙霊との接触……が語る〈事実〉とは何か! 人間の体内と意識の底に隠れた潜在能力を追求しつづける俊英コリン・ウィルソンが〈死後の生〉の謎に挑んだ衝撃の書!

著者:コリン・ウィルソン


本書に付箋紙を貼りまくり、自分の生と死について真剣に考えてみた。

本書を通じてコリンウィルソンが確かな答えをくれるわけではないけど、僕は本書から得た知識により、記事のタイトルにあるような自分なりの答えを導き出す事が出来た。

死後の生、あるいは死後の世界があろうとなかろうと、人は死ぬ間際に最大の幸福を得る。

どんな人生を送っても、人間の脳は未知の領域である「死」への恐怖を乗り越えるために、天然麻酔薬のひとつであるエンケファリンを放出する。

ある真夜中、彼女はひどく気分が悪くなり、階下におりて、ぐったりと肘かけ椅子に腰をおろした。
熱があがり、意識がとぎれ、次に気づいたとき、彼女はむこう端に光が見える長いトンネルに吸い込まれていくところだった。
すべての緊張が解け、穏やかな心で、死への恐怖もなかった。

レイモンド・ムーディの事例

1871年、チューリッヒの地質学教授は、アルプスで登山隊を率いているとき、突風で帽子を吹き飛ばされた。
手を伸ばした瞬間、200メートルほど下の、雪に覆われた岩棚に転落した。
落下には数秒しかかからなかったが、彼はその間に壮大な時間拡張感覚を味わった。
精神活動が拡大され、百倍もの速度に高まった……。
どこか遠い舞台を見ているかのように、過去の全人生が様々なイメージとなってあらわれた……。
すべてが天国の照明を浴びたかのようで、不安も苦痛もなかった。
かつてのひどく悲しい体験の記憶も、鮮明でありながら悲しくはない。
軋轢も葛藤も感じられず、それらは愛に昇華した。
高まり調和した思考が個々のイメージを結びつけて支配し、神聖な静寂が壮麗な音楽のように魂をかすめていく。
周囲はさらに、繊細な薔薇色と紫の小雲のたなびく壮大な青い天国に包まれていった。
するりとその中にはいりこむと、私は空中を自由落下しており、目の下には雪原が広がっていた。

アルベルト・ハイムの事例

臨死体験者たちが語るこれらの話は、死の恐怖を乗り越えようとした脳が天然麻酔薬を放出した結果によるものだと思う。

天然麻酔薬による多幸感と、人間個人の死生観が死の間際に結びつき、あの世や天国といった世界を現出させる。

そうであれば、全ての人に「終わり良ければ全て良し」の幕切れが保障されていることになる。

だからどんな生き方をしてもいいし、どんな死に方をしてもいい。

最後には人間皆、人生最大の幸福を味わって死ぬ。

決して真理ではないけど、僕はこの答えを自分で出した事により救われた気持ちになった。

だからあなたもそう思えば救われる。

納得がいかなければあなたも本書を手にして、真剣にあなた自身の死生観と向き合ってみたら良いと思う。

何十万年の間、人は寒さと餓えと獣との厳しい戦いに明け暮れてきた。
危機一髪で絶滅をまぬがれたことも一度や二度ではない。
それから人は知恵を使って獲物を狩るための武器を作り、風雨に耐える家を建てた。
以後、人の人生は徐々に楽になり、人はさらに文明を築き、それによって戦争と犯罪というありがたくない副産物を得ながらも、ひるむことなく、人生をさらに生きる価値あるものとする術を少しずつ学んでいった。
そして、人は物質世界に不朽の橋頭堡を築き、精神世界征服に向けたもっとも偉大な一歩を踏み出すため、芸術と文学を生み出した。
だが人は、すべてがあまりにも急テンポで進んでしまったために、祖先たちがあれほどの労力をかけて築きあげてきた文明に飽きてしまった。
何百万年も生存競争に明け暮れたあげく、一夜にして安全な文明を築きあげたため、混乱と当惑だけが残された。
さらなる意識を求めて苦労するよりも、人はもっとも安易な道を選び、つかの間の満足を求めて生命を浪費するようになった。
知性の発達とともに、人は宗教を必要としなくなり、複雑な文明は「落伍者」を生み、さらに多くの人が、人生は無意味だ、しばし監獄に閉じ込められた後は無に帰るのだ、と信じるようになった。
そして19世紀、人は着実に知識を増やしていった結果、物質こそ唯一の現実であると結論するにいたった……。

天使の見た「人類の歴史」

幸福と呼ばれるものは、実は、現在からの離脱感覚にほかならない。
だからこそ人は、初期の気球乗りが地上から離れ、「鳥瞰的視野」で世界を見おろすのを楽しんだように、休日や刺激やロマンスを楽しむ。
興奮が、人生そのものに対する鳥瞰的視野を与え、我々を現在に縛り付けようとする奇妙な重力を中和してくれるのだ。
幻想を紡ぐことではなく、他の時間、他の場所の存在を認識させること―これこそが、想像力の真の目的である。

「X能力」は遺伝子にコード化されている?


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