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元大手建材専門商社の営業マンが語る、「家具施工」のあれこれ

こんにちは!建設マガジン編集部です。
今回はマーケティングチームの矢ヶ崎さんに担当していただきました!

実は、この建設業マガジンを開設する1か月前・・・

「建設業出身メンバーで何かできないかな?」と一番初めに声をかけてチームを発足させた人、それが矢ヶ崎さんです。

大学では200名規模のサークルを立ち上げ、助太刀では建設業マガジンを立ち上げたチャラ男・・・もといイケメンが、内装工事の中の「家具施工」について掘り下げて解説してくれました。

それでは矢ヶ崎さん、簡単に自己紹介からお願いします!!

矢ヶ崎 哲志
【前職】
 家具や床材をはじめとするインテリア商材を取り扱う商社で営業に従事。
インテリア商材の営業として営業〜調達〜施工管理までを一気通貫で行う 

自己紹介


マーケティングチーム所属の矢ヶ崎です。

私の前職は、家具を中心とした内装材の販売・調達を行う会社で、大手商社のグループ会社だったこともあり、輸入商材や海外工場での特注製作を得意としていました。販売・調達にとどまらず、施工も請け負えることも強みでしたね。工事の業種で言うと「内装仕上工事業・塗装工事業・建具工事業」にあたります。

家具・床材・ウィンドウトリートメント・クロス・アートなど様々な商材を取り扱ってきましたが、その中でも主戦場としてた家具、助太刀でいう「家具施工」について深堀していきます。ちなみに、工事に関係の無いことも多々書いている点はご容赦ください。

そもそも家具施工とは


家具施工は読んで字の如く家具の施工をする工事のことですが、家具施工には「造作工事・家具工事」に分けられます。私が得意としていたのは「家具工事」です。

【造作工事】
現場に木材等の部材を持ち込んで加工や組立を行うこと。

メリット:周囲と同じ部材を使用できるので空間に一体感が出る。隙間のない綺麗な仕上がりになる。 (例:クローゼット、棚、吊り戸棚など)

デメリット:機械や環境が整っていないので、複雑な加工は難しい。

施工する人:大工 ※木造建築の場合、建て方〜造作工事まで一気通貫で行うことが多い。

【家具工事】
家具工場で製作した家具を持ち込んで組立や設置を行う工事です。

メリット:機材が揃った工場で製作するので、ハイクオリティ。デザインのバリエーションが多い。 (例:本棚、店舗のカウンターテーブル、ホテルのヘッドボードなど

デメリット:現場で使用している木材との色合わせが難しい。配送費や搬入コストが別途かかる。

施工する人:家具大工

受注から納品まで

<設計会社のイメージを元に、製作図を作成>
・現場で実測を行い正確な寸法を出す
・木材の選定、塗装サンプルの作成

<製作開始>
・一点物は国内工場で、量産物は海外工場(上海やホーチミン)で製作していました。
・出荷前は、設計会社と同行し出荷前検査を実施 

<現場との調整> 
・家具大工やその他協力会と現場管理会社で納品施工スケジュールを詰める。※「段取り八分」という言葉がありますが、これが一番大事!!相手が強面のゼネコン担当者でも強気に自分達がベストパフォーマンスを発揮できる日程でゴリ押しします。現場に行ったはいいものの他の工事が遅れてて作業ができないとなると、事業主への引渡し日は後ろ倒しできないので自分達の工期を短縮するしかなくなるので、、、。大型現場(ゼネコン管轄)の場合は、この工程が一番しんどい。笑

<納品・施工>
・家具製作をお願いした家具工場の職人を番頭さんに、外注の家具大工さん、揚重作業員(搬入や家具大工さんの手元作業をお願い)といった感じのフォーメンションで納品〜施工までを行っていく。

・家具大工の一番の見せ所は、外付けの家具をあたかも作り付けの家具であったかのように設置する技術力だと思います。例えば、天高2,500mmの空間に本棚を設置する場合、高さ2,400mmで製作をします。理由としては、壁や天井は少なからず波打っているので2,500mmで製作すると絶対に納まらない。残りの隙間はフィラー材を使って埋めます。 カンナやヤスリを使って壁の歪みに合わせて加工をして行きます。

最後に


ほとんど工事に関係のない話になってしまいましたが、家具大工さんの仕事の流れは伝えられたかなと思います。

施工管理として、内装工事の現場をいくつも経験してきましたが、現場管理(ゼネコンや施主)と職人の間で調整材として、正直大変なこともたくさんありました。でも、自分の仕事が形として残っていく達成感が辛いことも全て忘れさせてくれたかなと思います。

現場はきついけど、今でもたまに工事現場に入りたいなって思ったりします!

ーー矢ヶ崎さん、ありがとうございました!!

インテリア、家具、建具の話をここまで詳しく聞いたことがなかったので、とても勉強になりました!特に、家具大工のすごいところが、あたかも現場で採寸して施工したかのように見せる技術というのは、なるほどと思いました。

また、段取り八部、ゼネコンに対して強気で日程調整する、補修の出費が地味に効いてくる、この辺はどの業種も共通のポイントなんだなーと改めて施工管理の難しさを感じた部分でもありました。

建設業マガジンではこれからも「ゲンバ」で役に立つ情報を発信していきます。

建設業のことでわからないことがあれば、お気軽にSlackの「建設業マガジン質問コーナー」へ投稿ください。建設業メンバーがわかる範囲で回答したり、深い内容であれば今後の記事の参考にさせていただきます。

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