全裸と被り物はお笑いの反知性主義
お笑いの全裸と被り物、ビートたけしメソッドですね。
アレってまったく面白くない。なのに鉄板でニーズがある。
テレビなんか観てるお笑いマニアって本当は面白いものがキライなんですね。面白くないものが好き。でも面白いものを尊ぶ面白い人だという名誉は欲しい。だから面白いという名目だけで実際には面白くないものが求められる。それが全裸と被り物ですね。
出オチでしょ。「全裸=面白い」「被り物=面白い」そんなコンセンサスにして思考停止で安心してしまう。その安心に笑う。
ダウンタウンも「パンツ脱ぐのもタイミング」と歌ってるように、全裸という芸の無い最低なネタでもギリギリな笑いの駆け引きというものがある筈なんだけど、森光子のでんぐり返りとか、ロープに飛ばして相手が戻って来たところへのジャイアント馬場の16文キックとか、観客と演者らの共同作業による「共犯関係なお約束化」してしまう。そんなキモい世界なんだな。
未知の笑いと向き合っていちいちその是非をジャッジするのはシンドイ。芸人にとっても観客にとっても。
「芸人は笑いを仕掛けて、それを観客も真摯にジャッジしました。そんな正しい手続きがきちんと行われました」というアリバイだけが欲しい。
シュートな緊張感に精神が耐えられないから予定調和なプロレスになってく。なあなあな馴れ合いにする。
(お決まりなワンフレーズを繰り返す)ギャグなども「共犯関係なお約束化」なのかもしれない。本当に欲しいのは面白いではなく面白風味で。
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