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一冊!取引所が魅力的な話

一冊!取引所とは!!
BtoB事業のため、うまく理解できているか怪しいのだが、個人経営でこれから本屋を開きたいといった、卸先との関係があまりないような起業者向けに、出版社への発注を仲介するクラウド型プラットフォーム、のようだ。発注者である本屋からは仲介料を取らず、出版社に月額制で受注可能な本を登録してもらう仕組み。
恐らく小ロットでも発注できるような仕組みなのではないだろうか。実店舗を持つかどうかなどで難易度も変わるだろうけれど、自分セレクトの非常に偏った本屋、というのも面白いかもしれないし、そういうニッチがある程度の需要を得ることができる下地も、今ならあるのかもしれない。個人ブランドの登山アイテムショップなどをガレージブランドなどというけど、それにならってガレージブックストア、とでもいうのかもしれない。

とはいえ、僕は本屋を開く予定もないのだけど、それならばなぜこのサービスを知ったかというと、とある雑誌のツイートを見つけたからだ。

TRANSIT。おしゃれな旅系雑誌である。おしゃれとは言いつつ書かれている記事はディープ。ディープ過ぎて綺麗な部分をさらっと見たい、といった気持ちで買うとコレジャナイ感を持ってしまう雑誌である。
とはいえ前号の山特集は良かったです。

今月(9月)の12日に発売されるタイ特集も買います。

ツイートでも紹介されているが、TRANSITにはBiRDという休刊中の姉妹紙がある。2014年を最後に休刊しているため、読んだことはないけれど、表紙から滲み出るオシャレ感は隠せない。
8年前に発行された雑誌なんて新品で手に入れることはほぼほぼ不可能だし、Amazonでもめっちゃ安い中古品か、めっちゃ高い新品しか売ってない。
そんなBiRDがなんと! 一冊!取引所に登録されているのだ!
僕が欲しいアイスランド編もパリ編も、(本屋さんが発注しているのなら)まだ手に入れることができるのである。
とはいえあくまでもBtoB。個人からの発注は受け付けていない。一応、発注実績のある本屋さんが紹介されているのだが、生憎僕の住んでいる県の本屋さんはそのリストにはなかった。

それに、当たり前の話だけど、近くのチェーン店の本屋さんに行って、
「現在休刊中のBiRDアイスランド編が欲しいので、一冊!取引所で発注してください」と頼んでも購入は難しいだろう。

本の販売事業に携わってこなかった個人が本屋を始めようと思ったとき、出版社との取次をしてくれるこのサービスはとても魅力的だろう。
けれど、ずいぶん前に休刊や廃刊になり、今では手に入らなくなった本が手に入るサービスとなると、僕のような単なる消費者にもとても魅力的に映る。

一冊!取引所は出版社と本屋を結ぶ仲介サービスだが、その一冊!取引所消費者を結ぶサービスが欲しい。
いくら一冊!とはいえ、さすがに1冊では売ってくれないのではないだろう。少量であろうとも、ある程度ロットといえる単位での発注でなければ出版社の方も厳しいだろう。
ということで、休刊中の雑誌、廃刊や、絶版となってしまった本のうち、いまでも人気がありそうなものをキュレートして、購買者を募るタイプの本屋さんが出てくると面白いかもしれない。
「BiRDアイスランド編、購入希望者が10人以上で発注(現在6人)」みたいな。

ただ希望を出しているのに結局買わない、という人が多くなれば厳しいので、クラウドファンディングのような先払いシステムのほうがいいのかもしれない。
でもクラファンで募集するなら出版社が自分でやったほうが良いのではなかろうかと思ったりもする。

絶版本屋。いかがでしょうか。


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