ぽん乃助┆心を抉る(えぐる)猫

吾輩は猫を被る繊細なニンゲンである。巷で流行りの自己肯定と論破の無限ループから抜け出す…

ぽん乃助┆心を抉る(えぐる)猫

吾輩は猫を被る繊細なニンゲンである。巷で流行りの自己肯定と論破の無限ループから抜け出すため、エッセイを綴り始めることにした。┆ふつうに働いて、ほどほどにつまらない人生を謳歌している。┆箱の中で死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

マガジン

  • 5分で心を抉るエッセイ

    安易な自己肯定や他者否定ではなく、自分の心を抉った(えぐった)先に生きる強さを見出していく、5分で読めるエッセイです。

  • 5分で心に刺さる短編小説

    ニンゲンの善意や悪意をテーマとした、短いながらも意外な展開で心に刺さる、5分で読める短編小説です。

  • 3分で心に残るコラム

    日常の中で感じた微かな違和感をほんのりと昇華していく、3分で読めるコラムです。

記事一覧

固定された記事

5分で心を抉る(えぐる)エッセイ、はじまる。

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 かつて処世術っぽいことをブログで発信していたが、ふとした瞬間、エッセイを書きたくなった。 テーマは、5分で…

文字を書くこと、休んでます。身内の死と過労が祟り、心に穴が空いたままだから。だけど、人が生み出す創作を見ると、幾許か生きることを肯定してくれる気がする。私もそんな創作をしたい。回復したら、また綴ろう。

他人の子どもを叱れない

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 子どものときに、叱られたことはあるだろうか? 「親父にもぶたれたことないのに!」という例外もあるかもしれな…

【20字小説】憎かった父の病床にて

今更ありがとうって。 最期まで憎ませてよ。 【あとがき】 虐待、いじめ、ハラスメントなど。 法で裁けない悪もあれば、法で裁くほどでもない悪もある。 こうした悪の…

「新生活20字小説」企画で、推し作品に選んでいただきました。これでまた、明日も創作頑張れる。ゆる企画ということなので、一人でひっそりとニヤニヤしていよう。
https://note.com/suke_of_pon/n/nce81a20ee906

魔境『東京』で生き残るために

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 目の前の席に座っていた人が徐に立ち上がった。 新生活に疲れていた私はそこに座ろうとしたら、隣の人から無助走…

「金稼げば幸せになれるんかな」
「金じゃねぇよ、つながりだよ」

地元のサウナの中で、刺青を入れたふたりの若人の会話がじんと心に沁みた。

【コラム】新入社員はスーツが似合わない

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 サラリーマンの週末。ジムでストレスを汗で流す者がいる。 その傍ら、居酒屋でストレスを酒で胃に流す者たちがい…

慣れない日々【新生活20字小説】

あったかくなったのに。 なぜか、眠れない。 【あとがき】 朝は、希望に溢れて、桜の下を笑顔で歩く。 夜は、「春眠暁を覚えず」の諺のとおり、ゆっくり眠る。 そんな…

アウトプットを崇拝していたバカな私へ

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 それは、5年ほど前の話だ。インターネット上では、「アウトプット」が大事だという風潮になった。ベストセラーの…

【20字小説】エイプリルフールの前日

別れたいって? 明日のセリフだよね…それ。 【あとがき】 人は別れを告げるとき、どうして誰でもバレるような作り笑いをするのだろう。 あの作り笑い、嘘では演じられ…

【20字小説】インスタ映えランチ

今日もバズったぞ。 でも味は忘れちゃった。 【あとがき】 他人に共有できる「記録」があれば、自分の中だけに留める「記憶」は必要ないのだろうか? AIがニンゲンに近…

韓国に渡航しており、ソウルの国立現代美術館に立ち寄った。息を呑むほど刺激的で、創作意欲が昂った。

芸能人の精神疾患の話題がバズってて、思索に耽っていた。

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 ニュースサイトやSNSで、芸能人の精神疾患の話題がバズることがある。 以前は、特に理由は明示せずに「休養」と…

メンタルが病んだときの失敗談、そして誰も話してくれない教訓。

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 あなたは、メンタルを病んだことはあるか? 執筆をするニンゲンは、一度は病んだことのある人が多いのではないか…

0〜
割引あり

京都の恵文社(一乗寺店)に行った。過去には「世界で一番美しい本屋10」にも選ばれている。全noterにおすすめしたい。

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5分で心を抉る(えぐる)エッセイ、はじまる。

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 かつて処世術っぽいことをブログで発信していたが、ふとした瞬間、エッセイを書きたくなった。 テーマは、5分で心を抉る(えぐる)エッセイ。以前、発信していた処世術とは、一見逆行するような自虐的テーマに見えるだろう。でも、これは前向きな社会的実験だ。 群雄割拠で厳しいこの世の中では、自己肯定感が大事だとされる。これは、他人に厳しく自分に甘いニンゲンが蔓延っている中で、自分の居場所を確立するための処世術なのだろう。 でも、

文字を書くこと、休んでます。身内の死と過労が祟り、心に穴が空いたままだから。だけど、人が生み出す創作を見ると、幾許か生きることを肯定してくれる気がする。私もそんな創作をしたい。回復したら、また綴ろう。

他人の子どもを叱れない

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 子どものときに、叱られたことはあるだろうか? 「親父にもぶたれたことないのに!」という例外もあるかもしれないが、子どものときに親に叱られた経験のある人が大半だろう。 善悪がつかないから、無邪気な行動をしてしまう。親から叱られて、それが悪いことだと知る。 そんなのは、通学路と同じように、誰もが子どものときに通る道だ。 ただ、子どもとて、いつも親の近くにいるわけじゃない。 外で友だちと一緒にいるとき、ついつい無邪気

【20字小説】憎かった父の病床にて

今更ありがとうって。 最期まで憎ませてよ。 【あとがき】 虐待、いじめ、ハラスメントなど。 法で裁けない悪もあれば、法で裁くほどでもない悪もある。 こうした悪の牙に噛まれたニンゲンにとって、心を保つ唯一の合法的な手段。 それは、「憎む」という感情を抱くことだ。 でも、憎んでる奴の死に際をいざ目の当たりにして、最期まで憎み切れるだろうか。 たぶん、私にはできない。死ねば奴の罪など消えてしまうと、わかっているのに。

「新生活20字小説」企画で、推し作品に選んでいただきました。これでまた、明日も創作頑張れる。ゆる企画ということなので、一人でひっそりとニヤニヤしていよう。 https://note.com/suke_of_pon/n/nce81a20ee906

魔境『東京』で生き残るために

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 目の前の席に座っていた人が徐に立ち上がった。 新生活に疲れていた私はそこに座ろうとしたら、隣の人から無助走のタックルを受けた。 隣を見たら、もうその人の姿はそこになく、気づけば目の前の席に座っていた。 ―嗚呼、東京に帰ってきてしまった。 満員電車の中で、桜の散り際を窓から見ながら、私はそう思った。 東京で生きてきた私は昨年、仕事の関係で東京から離れることになり、今年の2月まで大阪に居た。 大阪だって大都会だ。

「金稼げば幸せになれるんかな」 「金じゃねぇよ、つながりだよ」 地元のサウナの中で、刺青を入れたふたりの若人の会話がじんと心に沁みた。

【コラム】新入社員はスーツが似合わない

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 サラリーマンの週末。ジムでストレスを汗で流す者がいる。 その傍ら、居酒屋でストレスを酒で胃に流す者たちがいる。もちろん、私はそのひとりだ。 徐ろに隣を向くと、微笑ましいとは程遠いオジサンたちが談笑していた。そして、その烏合の衆の一人が、得意げな顔でこう話していた。 「新入社員はスーツが似合わない」 うーん、なんか違和感! 確かに言いたいことはわかるよ。私も新入社員のときの写真を見ると、スーツに着られている感が大

慣れない日々【新生活20字小説】

あったかくなったのに。 なぜか、眠れない。 【あとがき】 朝は、希望に溢れて、桜の下を笑顔で歩く。 夜は、「春眠暁を覚えず」の諺のとおり、ゆっくり眠る。 そんな新生活を送れなくなったのは、いつからだろう。 でも。不安なのはきっと、自分だけじゃない。 「新生活20字小説」の参加作品となります。 #新生活20字小説

アウトプットを崇拝していたバカな私へ

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 それは、5年ほど前の話だ。インターネット上では、「アウトプット」が大事だという風潮になった。ベストセラーの著書でも、「アウトプット」がキーワードになった。 ニンゲンたちは、スマホという端末を手にして以来、SNSやブログ等で「文字」を通じた発信を活発にするようになったと思えば、YouTubeやTikiok等で「動画」を通じた発信も活発にするようにもなった。 そして、成功した発信者たちは、私利私欲を満たすための金鉱は「ア

【20字小説】エイプリルフールの前日

別れたいって? 明日のセリフだよね…それ。 【あとがき】 人は別れを告げるとき、どうして誰でもバレるような作り笑いをするのだろう。 あの作り笑い、嘘では演じられない。でも、嘘であってほしかった。

【20字小説】インスタ映えランチ

今日もバズったぞ。 でも味は忘れちゃった。 【あとがき】 他人に共有できる「記録」があれば、自分の中だけに留める「記憶」は必要ないのだろうか? AIがニンゲンに近づいているのではなく、ニンゲンがAIに近づいているのかもしれない。 私は最近、そんなふうに考えてしまう。

韓国に渡航しており、ソウルの国立現代美術館に立ち寄った。息を呑むほど刺激的で、創作意欲が昂った。

芸能人の精神疾患の話題がバズってて、思索に耽っていた。

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 ニュースサイトやSNSで、芸能人の精神疾患の話題がバズることがある。 以前は、特に理由は明示せずに「休養」という形でニュースが取り上げられていたことが多かったが、近年は「精神疾患」に関する理由が添えられることが多くなったように思う。 さて、そういうニュースに寄せられるコメントを見ると、「ゆっくり休んでください」といった心優しい内容もあれば、「社会はもっと寛容になるべきだ」「精神疾患の理解が広がってほしい」といった社会

メンタルが病んだときの失敗談、そして誰も話してくれない教訓。

吾輩は猫を被るニンゲンである。名前はぽん乃助という。 あなたは、メンタルを病んだことはあるか? 執筆をするニンゲンは、一度は病んだことのある人が多いのではないかと、勝手ながらそう思ってる。そんな憶測を豪語するのも、私はその一人だからだ。 私は常々、内省するために、メンタルに関する体験談を言語化したいと思っていた。 そこで、このnoteではじめてみたいと思う。もしかすると、いまメンタルで悩んでいる人に、参考になるかもしれない。 メンタルに関する体験談は、あたかも悲劇の

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割引あり

京都の恵文社(一乗寺店)に行った。過去には「世界で一番美しい本屋10」にも選ばれている。全noterにおすすめしたい。