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Pelotonの中古バイクで成長を目指す「Trade My Spin」とは?

皆さんは、家庭用フィットネス機器を提供する「Peloton」を覚えているだろうか。

輝かしい過去

Peloton 株価推移

巣篭もり需要を背景に、コロナ禍で熱狂的な支持を集めた。2021年に米国株投資をしていた人なら、ほぼ間違いなく知っている企業だろう。

世の中が再開し始めると、売上が激減。リコールや大規模な解雇、経営陣の退任などにより今では見る影もなく、現在の株価はピーク時の約2%にまで下落した。ユーザーの退会も後が立たず、1台1,445ドル(約21万円)の高額なフィットネスバイクは、今では部屋の中で「ハンガーラック」と化している。

そんな中、世の余ったPelotonバイクで事業をする変わり者が、今回ご紹介する「Trade My Spin」というスタートアップだ。

Pelotonに特化した中古買取・販売

Trade My Spin

提供するサービスはシンプルで、Pelotonの中古フィットネス機器の買取と販売。中古バイクは499ドルから購入でき、今からPelotonを始めたい層には初期コストを抑えられるメリットがある。しかも、中古といっても走行回数は50回未満のほぼ新品。

もちろんTrade My Spinを使わずに、ユーザー間での中古バイクの売買も可能だ。

「でも、よく考えたら135 kgもある大型機器を自分たちで運ぶのは至難の業だし、専用の配送業者を選定・手配するのも面倒。そもそも、ちゃんと動くのか?….」

このサービスはそんな悩みを一気に解決してくれる。

Trade My Spinは1,000人を超える契約ドライバーの物流ネットワークを持つ。米国のほぼ全ての主要都市に、最短即日から配送可能。事前にトレーニングを受けたドライバーが対応してくれて、配送料は149 ドルから。

さらに、中古のPelotonバイクに18か月の独占保証もつく。Peloton自身は中古市場に流通する自社のバイクに当然保証などつけないので、買い手としてはありがたい。

持ちつ持たれつな関係?

TechCrunchによると、3月に正式にローンチしてから、Trade My Spinは実は何度もPelotonと対話を重ねているという。

中古バイクが1台売れることは、「新品バイクが1台売れる機会が失われた」と解釈できる。一方で、「Pelotonのサブスク(月額44ドル)に貢献した」とも言える。

この対話がどういった落とし所を見つけたのかは分からないが、Trade My Spinが新しい市場を開拓したのは間違いない。

今後は、足元ではフィットネス機器の取引オプションを増やしていきつつ、長期的には、様々なかさばる物品の取り扱いにラインナップを拡大する予定だ。


引用


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