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黒魔術がひそむ国〜ミャンマー政治の裏舞台〜


黒魔術がひそむ国(春日孝之)

占いを政治に使うとかどんなワクワク国家だよw w w
て言うのがタイトルをみただけの真っ先な感想。

政治に呪術合戦や占いを用いるオカルティック要素満載な怪しげタイトルに惹かれて読んだ。

蓋を開けてみたらミャンマーという神秘に包まれた国家が運営する政治の舞台を
特派員記者が丹念に事実を調べ上げたルポルタージュ書籍だったので嬉しい誤算に驚き、のめり込むようにして読んだ。

※アスペならわかってくれると思うけど、専門書以外を読むの苦手だよな?な?
数字や統計なく筆者の体感、経験上の見解が記され断定的に語る書物は鵜呑みにするのが難しく活字との距離感を見失う。でもルポは客観的視点から現実を取材したという裏打ちに安心して活字摂取できる



誕生日が最高機密


筆者の回想から始まる。

駐在してだいぶ日が経つ筆者、
国家元首の生年月日が
調べても調べても正確な情報が出てこない!

なぜだ?

ミャンマー人「政治家は黒魔術に怯えてるから正確な生年月日なんてわかりっこないよ」

筆者「黒魔術!?占い!?非科学的なことを大真面目にやってるのか!?!?」

軍事政権特有の確認プロセスの難儀さから、
一転して「黒魔術」に行き当たりミャンマーの国を読み解く糸口を見つけ出した筆者。

推理小説かのような謎解きと展開はマジでおもろかった


この本の中では古代インド占星術をベースに
手相、アルファベット数秘術、サイキック、厄払いの女装、呪いの人形が登場する。

極東日本やヨーロッパが中世に捨て去った「情報部門:占い」を現役で使いこなす文化の保存性にはワンピースのグランドラインに保存された太古の島っぽくて
なんだか興奮する❣️


ミャンマーっていう遠い国のことが何だか好きになっちゃった。


民族衣装かわいいね

ミャンマーのことを
占い大国、仏教大国、資源大国、汚職天国などなど

想像が膨らむ魅惑のワードで紹介されていてなんか好きだなあ

ミャンマー人の特性と文化的背景を丹念に調べ上げて筆者は綴る。

どうやら彼らにとって占いとは、
生活に深く根付いている情報ツールの一つにすぎないごく自然なものだった。

21世紀の現代になってもミャンマーでは
教育を受けてきたインテリ
果ては国家指導者に至るまで
占いや呪術を信じ、国家政策に占いの結果を取り入れ

2006年に行われた大胆不敵な遷都までも
アドバイザーの占星術師の助言によって行なったとのこと。

ちな英国植民地前から識字率バチクソ高くて伝統的に教育熱心な国柄らしい❣️

ミャンマー人は数字という断定的な概念を好みながらも
曖昧模糊としていてその口ぶりは事実の断定を好まない
上座部仏教が占星術を禁止しながら根付き伝統となっている風景も相反するもの同士を
内包し両立させる不思議な国民性だと思う。別の次元のものを腹の中で同時に飼う。

ふわっとした情緒はどこかで日本人に馴染みがあるのではないかとさえ思えてきた。

今だって占い文化は娯楽として一定の支持集めてるし…

人類は普遍的に占いが大好きでどこか我々と繋がり在るものだと認識してるんじゃないかな。

そして本書を読んだら占い分野ひょっとして
ガッチガチの理系では?、、、に行き着いた。



私はミャンマーの占星術師に日本のエコノミストを重ね合わせることがある。
メディアの求めで「この一年」の株価や為替の念頭予測をするエコノミストだ。
僭越ながら、当たるも八卦、当たらぬも八卦。
一年後には、大外れしても恥じらうことなく再登場し、
また「この一年」の予測を垂れる。ミャンマーではエコノミストではなく占い師が「この一年」を予測する。

P124 引用

↑これが全てだと思う
エコノミストも、占い師も権威があって数字を用いて解説する人

実質、両者間に大差ないような気がしてきた 意識は朦朧としてるので

全くの的外れな当てずっぽうを言ってるわけでもなく、
天体と物理と数字、統計(錬金術)を用いた根拠をベースに
語っていて、それってスパコンが弾き出した未来予測と大差ないっぽい。

それを国民も享受して数字へのこだわりが強く
計算(情報収集と取捨選択)が早いっぽい。

日本の大地震のタイミングも教えてくれ〜

2へ続くよ♪

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