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Libertaガチ勢の私が辿り着いた香水オーダーの極意

気がついたら、今年3回目の香水をオーダーをしていました。

こんにちは、スジャータです。

香水オーダーって、憧れるけど、ハードル高いですよね。
正直、香水オタクになると色々と感覚が麻痺してきますが、香水オーダーってそれなりに高いし、そもそも香り作るって何さ!?

ということで、「極意」というのも烏滸がましいですが、ここ3年で香水オーダー経験5回、うちLiberta Perfumeでのオーダー経験3回の私が辿り着いた、香水オーダーのコツをまとめました。
正直、ここまできっちりやらなくても良い香りはできるのですが「折角それなりに高い料金を払う以上、失敗したくない」「以前オーダーしたが正直イマイチなので今度は精度を高めたい」といった慎重派の方には参考になるかと思います。

なお、この記事はLiberta Perfume(以下リベルタ)を念頭に置いて記述しましたが、他のオーダーサービス使用時に参照される場合は、便宜読み替えていただけますと幸いです。

↓↓リベルタのオーダーサイトはこちらから↓↓


事前準備① 香水のテーマを決める

テーマの案を出す


まず、テーマを出しましょう。ここが一番楽しいところですね。
テーマは本当に自由なので、何から取ってきても良いのですが、完成度を上げるのであれば、具体的に「香り」に落とし込むことが望ましいです。
例えば「気分が上がるフローラル。バラ多め」「シナモンが効いてるアップルティ」くらいまで落とし込めれば良し。
推し香水・キャラ香水の場合も、なるべくこのレベルまで具体化します。
例えば幽遊白書の蔵馬なら「ローズを中心に、ダークな要素」「薬草。風が吹いてる」「知的で上品な印象にしたい。紅茶をベースに、薔薇とピリッとしたスパイスが入ってる」など。

この段階では、多少粗くても、複数の候補があってもOKです。

サービスについて予習する


リベルタは5ショット60分ですが、思っている以上に時間は足りないです。
ということで、事前の予習は必須。
当日に配られるパンフレットは公開されているので、これを見て、当日の流れと、どんなベースとトッピングがあるかどうかは、事前に確認しておきましょう。
香りについても、中目黒の店舗に行って実際に嗅いでみるか、どの程度対応いただけるか不明ですが、リベルタさんに問い合わせてベース香料なり14種類のスタンダード香水のムエットなりを送ってもらうなどして、大枠を掴んでおくことが望ましいです。
更に可能であれば、リベルタの公式のオーダー香水(インスタ・Twitterで公開)や、ユーザーがTwitterやnoteで公開しているオーダー体験などを見て、どんな流れで香水を作るのか、テーマに対してベース・トッピングがどんな配合になるのか、イメージを掴んでおくとここから先がスムーズになります。

参考までに、私の過去のオーダーレポはこちらです。

やりたいテーマを見直す


サービスについて理解が深まると、どのレンジで香りが作れるか、ある程度イメージできてくると思い増すので、ここでテーマを見直しましょう。

例えばリアルな林檎の香りが欲しいと思ってたけど厳しそうだなとか、逆にシナモンあるならシナモンアップルパイにしてみようかな、とか。行けそうならそのままで構いません。
その上で、テーマが複数ある場合は、ここである程度絞ります。
現実的に難しそうなもの、気分ではないものは、ここで除外します。

この時、重要になってくるのが季節です。オーダー香水は自分にとってピンとくる香りを作るもの。ですので、例えば真夏に重い香りを作ることは、人によっては上手くいかないことがあるかと思います。その場合、候補から除外するとか、オーダー時期をずらすなど、必要に応じて調整しましょう。特にリベルタの場合は季節限定のベースが出るので、グルマン好きなら秋冬、グリーン好きなら春夏の方が、選択肢があると思います。もちろん、あまり体調や嗅覚に影響しないタイプであったり、季節関係なく欲しい場合は、そのまま候補にしていて構いません。
予算についても同様です。この段階で高価なトッピング盛り盛りで予算オーバーが確定している場合、誕生月にずらして自分への誕プレにするなどした方が、精神衛生上良いかもしれません。

何にストレスを感じるかは人それぞれ。オーダー香水は楽しむためのものですので、無理のないようにテーマを見直しましょう。

事前準備② 香りを具体化する

ラストノートをイメージする


トップノート、ミドルノート、ラストノートをイメージしてみます。
「湿った森林。足元に花が少し咲いてる」なら、「トップはグリーン」「ミドルは少しだけフローラルの要素がありつつ基本的にはウッディ」「ラストは土っぽい感じ」みたいな感じで。プロではないので、区分けは厳密でなくてもOK。

ここで重要なのはラストノートです。
トップとミドルって、イメージしやすいと思うんですよ。香りにそんなに興味なくても「第一印象はめっちゃ柑橘」「花束。清楚っぽい花」くらいは言えたりしますが、ラストノートは難しい。考えるの面倒だから適当にそれっぽくしちゃいたい。気持ち、わかります。
でも、ラストノートは最も長く香るので、満足度に大きく影響します。

私の場合、軽めの香りが好きなので、ラストノートに苦手な要素が多く、毎度苦労します。じゃあいっそラストノート無くて良くない?と、トップノートばかりで組んだこともあるのですが何となく輪郭がぼやけ、調香師さんの助言で苦味のあるドライオリエンタルを入れたところ一気に印象が締まったことがあります。ラストノート大事。

通常、香りを表すのにはピラミッドが使われますが、逆ピラミッドや、必須栄養素を表すコマのような模式図が使われていることもあります。どういうことかと言うと、ラストノートは最後にならないと香らない香りではなく、持続時間が長くゆっくり香り続ける香りであり、トップノートでも揮発性の高いシトラスやグリーンの影に隠れながらひっそりと存在していることを表現しています。香水の処方を組むにあたっては、ここを意識して、トップノートにちょっぴり顔を出していても違和感のない要素にすることが肝要です。

ラストノートについては「白粉系の香り(パウダリー)」「男性の整髪料っぽい香り(フゼア)」「お酒っぽい感じ」「優しい木」「冷たい木」「苦い感じ」「色っぽい系」くらいのざっくりしたレベルで抑えておきましょう。細かいところは調香師さんが何とかしてくれます。

欲しい香りを言語化する

香りについて、必ずしも専門的な用語をマスターする必要はありませんが、簡単な言葉で良いので、欲しい香りをなるべく具体化しておくことが求められます。

例えば「木の香り」なら「柔らかい木の香り」なのか「シャープな針葉樹林を思わせる香り」なのか「男性的な色気を感じさせるウッディ系。どちらかというと木の樽に入ったお酒かも」なのか、人によってイメージするものが異なります。言語化することで、調香師さんに伝えるのがスムーズになるだけではなく、自分の中で考えがまとまりやすくなります。
なお、香りをオーダーする時に限らず、お店で香水を試した時も、頭の中で感想を考えるだけではなく「これは苦味の効いた柑橘ですね。ちょっと和っぽい。」など、感想を口に出して表現することをオススメします。そうすることで、自分の好みやクセが明確化し、言語感覚が鍛えられます。

加えて、苦手な香りがある方は、この段階で明確化しておきましょう。「瓜が苦手なので入れたくない」「甘い感じ、重い感じは苦手なので、様子を見てチューニングしたい」など。ここも明確化していないと、当日、調香師さんにオススメされるがままに苦手な要素を入れて何となくピンとこない香りになってしまう可能性があります。
NOと言うのは自分が思っている以上に神経を使うもの。気を使うタイプの人は特に、事前にシミュレーションすることを推奨します。

ベースとトッピングのアタリをつける

ここまでくると、大体の構成が見えてくるかと思います。
リベルタの香水は、ベースが4つまで、トッピングが2つ3つまで。
当日は色々試していくうちに楽しくなって増えてくるので、ここは控えめな数で、ざっくりした構成を立てましょう。わからないところは仮置きでOK。

<例1>
(パウダリー系のベース) +(あんまり決めてないけどフローラルのベース) + (グリーンベースちょっと) +(ローズ香料またはゼラニウム香料)

<例2>
(ビターなチョコレートっぽい香り。ベース2〜3種類)+(柚子香料)

急にインテリアの話になりますが、純和室にメルヘンなスタンドランプがポツンとあると唐突ですが、メルヘンな小物が集まった飾り棚があって、その中にスタンドランプもあれば「そういうテイストなのね」という印象になるじゃないですか。

香りも同じで、例えば、「草原に薔薇がポツンポツンと咲いているイメージ」だったら
 (グリーンベース)+(ローズ香料)
よりも
 (グリーンベース)+(ローズが入ったフローラルベースちょっと)+(ローズ香料ほんのちょっと)
の方が、馴染みが良くなります。

そんな感じで、トッピングについては、急に新しい要素を入れるというよりはベースのどこかを強調するようなイメージで配置した方がまとまりが出るので、そこに留意すると完成度が上がるかと思います。

実際にリベルタの公式オーダー香水を見ていると、例えば「ジャスミンティ」の「ジャスミン」の要素は、
 (ジャスミンAbs)
ではなく
 (フローラルベース) + (ジャスミンAbs) + (ジャスミンサンバックAbs)
になっていますので、このあたり参考にすると良いかもしれません。

なお、具体的な配合までは決める必要はありません。
「このベースは意外と強いので、少しで良い」など、調香師さんが調整してくれます。プロがついてくれる強みですね。

当日

香りの強いものは食べない


当日は、体調を整えて望みましょう。
意外と盲点なのが、当日の食事。これはリベルタのインスタライブで山根さんが仰っていたのですが、直前に匂いの強いもの、特にニンニクやスパイスの効いたものを食べると、胃の中から匂いがして、調香が狂うとのことです。
ということで、直前の食事は軽くするか、できればオーダーの後にしましょう。中目黒にはカレーの名店がたくさんあるので、香水を受け取るまでの待ち時間に行くのも良いと思います。

ライブ感覚に身を任せる


ここまできっちり準備いただいて何ですが、当日は流れに身を任せた方が、良いものができます。
季節限定のベースや香料もありますし、調香師さんのアドバイスもありますからね。旅行計画で、ここに行きたい、あれも食べたいとアレコレ詰め込んでおいて、結局当日はたまたま見つけたいい感じの寺院で時間を潰しちゃうようなものです。
とは言え、ここまできっちり準備していれば、自分の中で譲れないポイントは明確になっているはず。安心して楽しみましょう!

後日

次のオーダーのために振り返り


香水を受け取ったら、いっぱい使いましょう!
家族や友達に感想を聞くのもいいと思います。
ただし、残念ながら、「思ったのとちょっと違った」「何となくピンとこない」ということもあると思います。まあ、そんなものです。数回オーダーした人に聞いても、必ずしも1回目から満足できる出来になったとは限らない模様。
でも大丈夫。これが最初のオーダーだったとしても、最後のオーダーである必要はありません。作った香水を楽しみながら、「次はもっとこうしたい」とイメージを膨らませていきましょう!

おわりに


長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。
「え、こんなに大変なの?じゃあ辞めようかな」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
大丈夫です。これは凝り性な性格の私が辿り着いたコツであり、こんな面倒なことをしなくても、十分に良い香水は作れます。
色々書いてきましたが、オーダー香水は、楽しむことが何より大事。
アイディアを具体化する、今まで知らなかった香料を試してみる、季節にあった心地良い香りを見つける・・・楽しさは無限にあります。

市販の香水では出会えない楽しさに出会える。みなさん、一緒に香水オーダーを楽しみましょう!


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