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なぜ私は夫の名字にしたのか

こんにちは。剛力彩芽です。あだ名はゴーリキー。
嘘です。でもそんな感じで珍しい名字と、名字由来のあだ名で30年生きてきました。
そんな私がなぜ結婚の際に夫側の名字に変えたのか、なぜその件を結婚ウン年経ってこの件を蒸し返しているのか、私はどうすべきだったかについてお話します。

はじめに

きっかけは、夫婦別姓訴訟のニュースを見ていた時に、夫が放ったひと言です。

「この人達ってさ、何かと夫婦別姓って言うけど、そんなのしたい人だけすればいいじゃん。夫婦で同じ名字にしたいっていう人まで変えろって言うのは傲慢だよ」

は?

それができたら訴訟なんてしてねぇよ!

‥すみません、つい取り乱してしまいました。
で、色々突っ込んで聞いたところ、どうも夫は、強制的夫婦別姓と選択的夫婦別姓の話、職場での通名使用の話と戸籍上の名字の話、男性側が女性側の名字になる話、色々ごちゃごちゃになっていることか分かりました。

念の為補足しますと、現行の日本の法律では、結婚した際は夫婦どちらかの名字に統一する、いわば「強制的夫婦同姓」が施行されています。それに対し、近年、議論されているのが「選択的夫婦別姓」の可否です。

戸籍制度との兼ね合い、家族観、人権の問題など、議論の観点は色々あるので割愛しますが、上記の前提は共有されていると見て間違いありません。

で、話を元に戻すと。

そもそも私、名字変えたくなかったんですよね。

てか、単純に、自分の名前変えるのって嫌じゃない?長年連れ添って来た相棒だよ?
とは言え結婚はしたい。そうするとどちらかが変える必要がある。でも自分が嫌だから相手に変えさせるっていうのも、何か変じゃない?

ってことで、まぁ私が変えた訳ですけど、その話をしてもピンと来ていないというか「じゃあ変えなくてもいいんじゃない?」みたいな。
だから今の法律だとどっちか変える必要あるっつーの!

……という話を5年ぶりに会った友人にしたところ、「じゃあ何で(自分が)変えたの?」と言われたので、理由を整理しました。言葉じりだけ捉えると嫌味っぽいですが、彼女の場合はガチ好奇心。
ということで、なぜ私は夫の名字にしたのか、理由を3つにまとめました。

私が名字を変えた3つの理由

1.揉めるのが嫌だった

ぶっちゃけこれが8割。

まあ、こういう話をすると、「なんで?そっちが変えた方がスムーズじゃない?女性の場合は会社で旧姓使えるんだし(注:事例が少ないだけで男性も使える)」みたいな話になって、揉めることは想像に難くない。

あと、結婚して分かったのですが向こうのお母様は家を大事にするタイプ。「私は一人娘なので実家の墓を継げるのは私しかいません。〇〇さんの名字をこちらにしていただいてもよろしいでしょうか」というトーンなら快くOKもらえたと思うのですが、名字変えるのが嫌だといういわば個人的な理由だと、切り出した時点で険悪になることは避けられない。まぁ割とすぐ解消するでしょうが。

2.自分が嫌なことを他人に強制するのは何か違うと思った

まあ、そのまんまですね。
ただ、「『私は夫に名字を変えていただいた』という引け目をこの先、一生持つのはしんどい」という方が本音に近い。

3.わかりやすく「結婚しました」したかった

ここまで「変えたくない」と言っておいて何ですが、「結婚しました❤️」の報告で、名字変わってないと色々格好がつかないな、という意識は正直ありました。

変えてみてどうだったか

実際、変えてみてどうだったかというと

超面倒。

いやね、結婚時なんてただでさえ忙しいのに、市役所だの銀行だのカードだの、色々重なるんだよ?平日しか受け付けてない手続きもあるし。なんなのよもう!

で、手続きが落ち着いてひと安心と思いきや、会社で使っている通名(旧姓)と免許やパスポートの名前が違うので、何かと不便が。仕事がら、高セキュリティオフィスへの入館がしばしばあるのですが、事前申請や身分証の提示で毎度ピリピリします。社員証で毎回行けるわけじゃないからね。

今から考えるのもアレですが、平均余命を考えるとおそらく私の方が10年ほど長く生きるのも事実。その際にまた名字を戻すか否かで悩むことを考えると、気が滅入ってきます。

まあ、変えてみたら変えてみたで、二つ名を持つってカッコよくない?とか、往年の美人女優っぽい名前になってにんまりとか、なんやかや満足している部分もあるんですけどね。

私は何をすべきだったか

で、ここまで整理してきて分かったのですが、まず一つ目は、現行制度における男女の非対称性にイライラしています。
何故女性だけデフォルトで変えることになってるん?それで様々な不利益を被る?てか変えない側は不利益の存在すら気づいてないの?そもそも制度の理解も曖昧なの?

で、もう一つは、現行制度のもと、たとえデフォルトが「女性側の名字を変える」だとしても、「男性側の名字を変える」も選択肢としてあった訳で、話し合いを忌避したのは私自身だ、ということです。

補足すると夫は、決していわゆる男尊女卑なタイプではありません。
先日もネットニュースで、高学歴芸能人のカップルが結婚して「どっちでもいいけど女性の方が直近でパスポート使う海外ロケの予定があったから」という理由で女性側の名字になった、というニュースを肯定的に見ていました。ただ、自分の結婚の時に「どっちが変える?」と話し合う発想がなかっただけです。

変えることに不満があるなら、相手のふんわりした理解に不満があるなら、たとえ揉めることになってもその時に徹底的に話し合うべきだった。本当にそう思います。

ということでまとめですが、
これから結婚される場合、結婚式のこと、住む場所のこと、色々と話し合うことはあると思いますが、名字を変えることについても、もし引っかかりがあれば早目に話し合うことをオススメします。

それでは。


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